愛のかたまり

剛さんの書く女性詩って、なんでこんなに「わかる!」って思うんですかね。最初に『愛のかたまり』の歌詞を読んだ時は、一瞬、本当に男性が書いたものか疑いました(笑)

男性が書いた女性詩を読むと、「うん・・・、残念だけど、こんなに出来た考え方をしていて、しおらしい女性は貴方の中にしか存在しないんじゃないかな・・・。」って感じることが多いけど、剛さんの書く女性は、そこら辺にたくさんいそうだな!って感じる。ただ、よくよく考えると、「いや、こんなに女の子女の子した考え方をする子は少ないかな・・・」って思うんですけど(笑)

というわけで、『愛のかたまり』。題名からして、これでもか、ってくらい直球ですよね。全体的には、上手くいっている最中の、幸せな恋愛の歌なんだけど、やっぱり剛さんの歌詞に特有の「不安感」がある。

『あまりに愛が大きすぎると 失うことを思ってしまうの
 自分がもどかしい 今だけを見て 生きていればいいのにね』
っていうあの部分がもう、大好きです、私。
「わかります、剛さんっ!!本当にそうですよね、剛さんっ!!!」ってなる。細かいことを言えば、『いいのにね』の『ね』が良い。不安にならずにはいられないことへの諦めみたいなものを感じます。自分が手にしている幸せを信じきれないで、揺らいでる感じが綺麗。

あとはやっぱり、『まるでか弱い女の子みたいでなんだか嬉しいの』。まるで、ってことは、この女の子は自分は「か弱い」女の子ではない、って思ってるんですよね。ここに関しては『溺愛ロジック』の女の子と似てるなって思います。歌詞全体を読むと、6割どころか10割女、っていう感じの女の子なんだけど、この、自分では「か弱い女の子じゃない」って考えてる、っていうのが冒頭にあることで、女っぽさがくどくなり過ぎないようになってる。

そして、ここまで女性らしい歌詞、って男性が書くからこそスッと受け入れられるんだろうな、って思います。この歌詞を女性が書いて歌うとなると、ちょっときつい。だからといって、渋い男性にこの歌詞を歌われても違和感が大きいだろうし。そういう意味では、男性アイドルであるキンキさんならではの歌詞だと思います。そして、何より、若いうちにしか書けないし、出せない曲だと思うので、ちゃんと21歳かな、そのくらいの年齢でしか作れないような曲を二人で作った、っていうのは本当に良かったと思う。

そして、他に気になるのはやっぱり『この冬も超えてもっと素敵になってね』っていう部分ですね。この歌の『あなた』にとって、冬っていう季節はただ過ぎていくものじゃなくて、『超えて』いかなきゃならないものなんだなー、って考えると、そっかあ・・・って思います(笑)

私はファン歴が浅いからこそ、この曲が世に出されて何年もたった今、「色々と凄いなあ、キンキさんは!」って思うくらいで済んでますけど(それでも十分驚いたんですけどね!)、リアルタイムでこの曲を聞かされたファンの方々は、どれだけ衝撃的だったんだろう、っていうのが気になります。曲はものすっごくキラキラしてて、歌詞は女の子女の子してるこの曲を、「二人で歌うために作った合作です☆」っていって男性二人で歌われる、って驚いただろうなあ、って(笑)
そして、何よりも気になるのが、歌詞を初めて見たときの光一さんの感想ですね。小さい頃から知ってる男性の相方に、自分が作った曲の歌詞としてこれを渡されたら、ちょっぴり戸惑います、私なら(笑)

それから、やっぱりキンキさんは凄い、って思うのが、この曲を今歌っても違和感がない、ってことです。この曲を作ってから、確実に年を重ねてらっしゃるのに、曲のキラキラした感じや、歌詞の純度の高さをちゃんと表現出来るのが凄いなって思います。それに、この曲を後輩さんが歌ってるのも見たことがあるんですけど、この曲だけは他の曲と違って、キンキさんが歌わないと意味ないな、って感じました。声がどうとか、上手いとか下手とかじゃなくて、お互いと一緒に歌うために作られた曲だからか、この曲はキンキさんお二人以外の色が入ってくることを認めない感じがある。他の人には馴染もうとしない、というか。それだけ、お二人の色が強く出てる曲なんだと思います。