キンキさんの魅力に負けるまで その6 ラスト

その5から大分、間が空いちゃいました。「キンキさんの関係性の面白さに気がつくまで編」になるんですけど、自分の感覚を言葉にするのが難しくて、時間がかかりました。

何から書けばいいんだろうなあ、最初はちょっとした違和感だったんです。堂本兄弟や、音楽番組を見ていて、キンキさんのお互いに対する態度に、なんか違和感を感じたんですよね。で、この違和感はなんだろう、と思ってよくよく見てみると、お互いに対する集中力が、ちょっと不自然なくらい高いように見えるのが原因だろう、と。

具体的に言うと、やっぱりわかりやすいのは光一さんでしたよね(笑)私は、テレビであんなに真横を向いて喋る人を、他に見たことがありませんでした。他人の目を見て話したい、っていうタイプの人なのかと思ったら、あんな風に真っ直ぐ話そうとするのは剛さんに対してだけみたいだし、何なんだろう、この人は、と。相手はもう長いこと一緒にいる相方さんなのに、なんでそんなに集中する必要があるんだろう、って不思議に思いました。

それに対して、剛さんは光一さんに対してさらっと対応してるように見えたので(最初は)、「うん、これが普通だよね。」って思ってたんですけど、よくよく話を聞いてると、この人も光一さんに対する集中力高過ぎないか、って気がついて(笑)自分と仲の良い友達の関係を考えても、対光一さんの剛さんほど、お互いの言動を見てないし、覚えてないし、気にしてないな、って思うことが多かったんですよね。

で、次に気がついたのが、「この人達、お互いに対してなんかマニアックじゃないか」ってことでした。お二人ともすごく楽しそうに、ツボだった!って話してるけど、それのどこがどう気に入ったのかがよくわからないことが多くて、この人達のお互いに対するツボの浅さはなんなんだろう、って、じわじわと「この人達、なんか変わってる。」って気がついていきました(笑)

最初は、「お二人はお互い、自分で選んだ相手じゃなかったし、仕事仲間として始まったわけだから、仕事を上手くこなすためにお互いの事をわかりあわないと、ってことであそこまでお互いに対する集中力が高くなったのかなー。」と思ったんですけど、キンキさんを見る時間が長くなるにつれて、「いや、この興味の持ち方にそんな冷静さはないな。これは、ただ単に好きなものに向かうときの姿勢だわ。」って思うようになりました。

でも、だからといってキンキさんの間に「俺達仲良しだよなー☆俺、お前の事好きだよー☆」みたいな爽やかな好意はあんまり感じない。アイドルグループなんだから、「俺達仲良しだよな☆」で不都合は無いはずなのに、お二人をただの「仲良し」とは、見ていてなんか言いにくかった(笑)
特に剛さんは、光一さんに対する好意をあんまり表に出したがってないように感じたし、傍にいるんじゃなくて、ちょっと離れて、じっっっくり光一さんを見てる、見たがってる感じがあった。光一さんとの間に一定の距離を置きたがるのが剛さんで、そんな剛さんの意図に全く頓着しないのが光一さん、みたいな感じに、私には見えました。あくまで最初は、ですけど。

そして、ここが面白かったんですけど、キンキさんは基本的には、お互いに対してものすごくこう、しっとりした注意を向けてるように見えるんだけど、「この二人、乾いてるなー」って感じる瞬間もちょいちょいあったんです。お互いに対して全く興味を持ってない、「俺は関係ないから、好きにしたら?」っていう乾いた雰囲気。ただ、お前が何しようと俺には関係ない、とは思ってるけど、お前自身が俺には関係ない、とは決して思ってない(ように見える)っていうのがまた面白かったです。

この、相手に対する執着を根っこに据えた突き放し、っていうのが今でも私の、キンキさんの関係に対する基本イメージです。お互い大人になったんだから、度を越えた執着を表に出すことは出来ないし、持つべきでもないと考えてるから、突き放すんだけど、やっぱりどこかで気にせずにはいられない感じ。だから、『危険な関係』の歌詞を読んだときは「まさにキンキさん!」って思いました。キンキさんは、お互いの存在がもう、自分自身と切り離せないところまできてるんだろうな、っていうのをふとした瞬間に感じる。そして、そういう関係性はそう転がってないから、見てて本当に面白いな!って気がついたのがもう、キンキさんに完全に負けた瞬間ですよね。

タキツバさんやテゴマスさんも仕事仲間として関係がスタートしてる、っていう点では同じなんですけど、私には、キンキさんは、タキツバさんやテゴマスさんよりもややこしくて、複雑な関係を築いているように見えます。「ああ、この人達、傷つけあってもきたんだろうな、近すぎたし、違いすぎたし。」って感じるからかな。キンキさんファンの多くの方が、「キンキには切なさがある。」って仰るのは、そういうことなんでしょうか。それとも、タキツバさんやテゴマスさんが、お互いの性質が反発しそうにない二人であるように見えるからかな。

キンキさんに対して感じる危うさって、お二人があまりにも両極端な性質を持っているから、一つに合わせようとすると、今にも反発してしまうんじゃないか、っていうものなんだと思う。でも、ある意味、一緒にやってるのが不思議なくらい違うお二人なのに、声は本当に溶け合うんですよねー、凄い。
それに、当たり前な顔をして隣に並ばれた時の、説得力というか、ああ、これでいいんだよなあ、って思わせるしっくり感はなんなんでしょう。これが年月の力なのか、ジャニーさんの力なのか(笑)一目でわかるくらい、明らかに違うからこそ、お互いの個性が際立って、お互いを引き立てるんですよね、キンキさんは。

それくらい違うものを持ってるし、お二人とも気が強いし、こうと決めたら絶対に曲げない、みたいなところがあるから、一つ何かを掛け違えてしまったら、ものすごいこじれかたをしそうだけど、そういう二人が解散という道を選ぶことなく、もう20年も一緒にいるのは、絶対にお互いの努力があるからだと思う。分かり合おうとする努力であったり、わからなくても受け入れようとする努力だったり。そういう努力をしようと思えるのは、相手に対する好意があるからだから、キンキさんの関係はやっぱり根っこは愛情に基づいてるんだと思う。お互いへの愛情と、KinKi Kidsっていう二人で作り上げて、守ってきたグループへの愛情。愛情を保ち続けるのって本当に難しいことだから、キンキさんは凄いと思います。

そして、お二人はもうソロでもやっていけるくらい、力をつけたと思うけど、力をつけたからこそ、やっぱり今でも「対等」の存在であるお互いが必要なんだと思います。ソロだと、やっぱり自分が唯一のトップなんですよね。一緒にものを作る仲間であっても、光一さん、剛さんそれぞれの名前で作品を発表する以上、立場は違う。だから、自分と対等の立場にいる相手と作品を作り上げるキンキさんとしての活動と、ソロの活動では得るものも、表現出来るものも違ってくるし、その両方の活動をすることで、作品に個性と深みが出て来るんだと思う。

そして、キンキさんの作品について言うと、これだけ違う性質を持った二人が、一緒に作る作品が面白くないはずがないんですよね。まさにアイドルの醍醐味。もし、自分でメンバーを選ぶなら、お互いを選ぶ事ってなかったんじゃないかなーと感じます。ずっと一緒にやっていくとなると、自分と似ている人、ただ単に仲が良い人を選びたくなると思う。でも、似た色を混ぜるよりも、全く違う色を混ぜたほうが、新しい、鮮やかな色になる。丁度、赤と青を混ぜたら紫になるように。イメージカラーに至るまで、本当にキンキさんはよく出来てるなと思います。途中でお互いの色を交換した、っていうところまで含めて。

ここから、合作に衝撃を受けたり、ソロ活動について知ったり、キンキさんのこれまでのことを知ったりで、さらにキンキさんの魅力に負けに負けていって今に至るんですけど、それについてはまた機会を見つけて、書いていこうと思います。
とりあえず、キンキさんの魅力に「完全に負けた・・・!この人達凄い、面白い!もう駄目だ、私、この人達のこと追っていくことになるんだろうなあ。」って感じたここまでで、「キンキさんの魅力に負けるまで」を終わります。