冬天の昴 あさのあつこ

1月に読んでいたのですが、感想を書くのが遅くなってしまいました。

冬天の昴

冬天の昴

もう、凄く面白かったです。
同心の小暮と小間物問屋の遠野屋との、互いに興味を持ちながらもギリギリのところで踏みとどまろうとするような関係性の面白さ。
周りの女達の、鮮やかに複雑に浮かび上がるような人間性と、その息遣い。あさのさんは本当に、「人間を書きたい」って思ってらっしゃるんだな、って伝わってくる。
最近出た、このシリーズの最新刊も、読むのがとても楽しみです。

いやあ、去年の年末に時代物の短編集を読んだ時にも思ったんですけど、あさのさん、ここにきて、更に更に格段に良くなってらっしゃる気がします。
凄い。

なんだろうなあ、濃さが薄れたわけでは無いのに、こう、より文章が地に足がついているというか、より、沁みとおるような文章になってきているような気がします。
今までの魅力はそのまま継承しつつ、違う魅力が加わってきているように感じられて、同時代を生きて、新作を楽しみにできる、という喜びを噛みしめました。

本当に、今を生きる作家さんの作品を読むと、同時代に好きな作家さんが何人もいてくださる喜びを噛みしめますね。
同じ時代を共有できること、今を生きる方の作品に触れられること、そういうことが嬉しい、っていう感覚が、最近、以前よりも強く実感できるようになってきた気がします。

キンキさんにしても、今、まさに活動を追うことが出来る喜びって凄くあるもんなあ。
こういうことも御縁の一つなのかな、と思うと、より、色々と嬉しく思うし、大切にしたくなるな、と思います。