台湾のことと、玉置さん

もう数日経ってしまったのですが、無事に台湾から帰ってきました!
初めての海外旅行だったのですが、台湾は凄く旅行しやすいところだな、と感じました。

日本との時差も一時間しかないし、漢字だから、書いてあることもある程度の意味は理解できて、不安が少なかったです。

地下鉄もややこしくないし、日本語をなんとなくでも理解してくれる人の率も高いし。
割と治安も良さそうで、なるほど、女子旅なるもので台湾が選ばれるわけだなあ、と納得しました。

ただ、台湾では車の運転は出来ない・・・!と強く思いました(笑)
高速では特に、どの車も、下手したら数十秒間隔なのでは、っていう勢いで車線変更を繰り返すんですよね。
もう、少しでも間を見つけたら入る!っていうあの根性の座り方は見習いたいくらいでした(笑)
車間距離も狭いし、「今、こことそこの間、15センチも無かったよ?!」」っていう曲がり方とかも平気でするし(笑)

本当に、どんなプロの集まりだ、カーアクションか、っていうくらいで、ちょっと愉快でした。
母は怖かったそうなんですけど、私は、もうあそこまでいくと楽しめちゃうタイプみたいです。
格闘技をしていた影響が、変な形で出ているんじゃないかと思うんですけど(笑)

バイクの量が凄く多かったことや、車線が多かったことも含めて、なんだか、ああ、アジアの異国に来たんだなあ、って感じました。

初日も二日目も、夜は一番大きな士林夜市に行ったのですが、やはり活気がありました。
思っていたよりもずっと規模も大きくて、種類も多くて。
台湾の女の子の洋服やアクセサリーは、やはり日本とは少しデザインが違って、可愛らしいものも多くて、見ているだけでも楽しかったです。
ガイドさんによると、台湾では8割が外食だそうで、それもあってか、食事も安くて、美味しいものが多かったし。

それから、二日目はツアーに参加して、お茶セミナーや足つぼマッサージ、総統府、中正記念堂、忠烈祠、故宮博物館と、主要な観光名所に連れて行ってもらったのですが、改めて、台湾も特殊な歴史を持つところだなあ、と感じました。
どの土地の歴史も奥行きがあって、様々な面があるんでしょうけど、自分の肌でその一端を感じることが出来るのが、旅行をする良さの一つなんだろうな、と感じます。

ツアー中は、ガイドの若いお姉さんも、親しみを持てる方で、楽しくて。
「日本では酒の席で友達を作ろうとすることが多いが、あれは本当の友達ではないのではないか。台湾ではお茶を飲みながら話をする」と言っているのに、ちょっと笑っちゃいつつ、一理あるよなあ、って思ったり、海外留学から帰ってきたら、空港で「ちょっと太ったんじゃないか」と彼氏さんに言われてその場で別れた、って言っていたり(笑)、楽しかったです。

観光名所は、それぞれに面白かったんですけど、一番印象的だったのは、忠烈祠の衛兵さんの交代でした。
一糸乱れぬ動きも、その緊張感も、なるほど、ここまで凄かったらこの交代が観光資源になるのも分かるよなあ、って納得しました。
意外と、10人もいないくらいの少人数だったので、注目されるのも大変だろうし、英霊を祀る、という場所の意味合い的にも失敗が怖いだろうな、ってその気持ちを想像してドキドキしました。
その日は特に、小雨が降っていて、銃の扱いもやりづらかっただろうし。
音だけが合図になっていたり、誰か一人でもタイミングをずらしてしまえば、もはやどうしようもない、という流れの箇所も多くて、これは凄まじく練習しているんだろうなあ、と感じました。
身長だとか諸々、条件が多いそうなんですが、これを出来るのはきっと嬉しいことなんだろうなあ、とか、小さい頃から憧れて、実際にやっている、という人もいるんだろうなあ、とか色々と想像しながら見ました。

そうそう、足つぼマッサージも、せっかくだし、こんな機会でも無ければやらないだろうから、ということでやってもらったのですが、こめかみと腰だったかな、痛いな!っていう箇所がいくつかあって、流石だなあ、と感じました。
ちょっと痛いな!って思うと、やってくれている男性が、私の表情を読んで、凄く穏やかで素敵な笑顔で、「こめかみ」とか「腰」って、そのツボの箇所を教えてくれるんですよね。とても綺麗な笑顔でした(笑)

それから、実は凄く印象的だったのが、初日の夜、ホテルで見た、NHK玉置浩二さんの香港で行われたシンフォニックコンサートの番組でした。
台湾という異国で、しかも香港で行われたコンサートの映像を見るとは、という感慨もありつつ、NHKが映るんだねー、となんとなく母と見始めたんですけど、これが凄く良くて。
次の日も早かったのに、母が寝てしまってからも、「寝てるところにごめんね、明かりも消すし、音も小さくするから許して!」と思いつつ、夜中のラストまで延々と見ちゃいました。

私は、玉置さんの曲は有名どころも有名どころ、という曲しか知らないんですけど、やっぱりテレビで玉置さんが歌ってらっしゃるのを見ると、手を止めてしまうんですよね。
普通の歌番組でも聴き入ってしまうんですけど、このシンフォニックコンサートの玉置さん、歌声も雰囲気も服装も、凄く凄く素敵でした。
ああいう演奏やアレンジと玉置さんの声って、あんなに相性が良いんだなあ、っていう良い驚きもあって。
お上手で、繊細で、情感豊かな歌声だからこそだよなあ。

なんだろうなあ、お若い頃の歌ってらっしゃる映像とはまた違う、深く、切実な歌声の良さがあって、こんな年の重ね方をされていく方の歌声の変化を聴けるファンの方は、きっと幸せだろうなあ、って心から感じました。

御本人も、インタビューで、やっとお客さんに届くようになってきた気がする、みたいなことをおっしゃってたと思うんですけど、ああ、なんだか、おっしゃること分かる気もする、って感じました。いや、今までだって物凄く届いていたでしょうけど!
ただ、今までの歌声も、物凄く情感豊かだけれど、この番組の「行かないで」とか、もう凄くて。

歌声、歌詞の言葉の一つ一つ、空気、表情、全てに感情がダイレクトに、率直に乗っていく感じがしたんですよね。
歌声と感情の間に、余計なものが何も挟まらないような、シンプルで、だからこそ強い美しさ。
テクニックがあるからこそ出来ることでもあるんだろうなあ。
精神的な豊かさがあって、感情の総量が大きい方なんじゃないかなあ、って感じました。
そんな玉置さんに、あの歌声がある、って、まさにギフトだよなあ。

ただただ良い、純粋に良い、と息をつめて聞き入って、凄い人だなあ、と改めて感じました。
玉置さんが歌われるのを見ると、やはり「才能」という言葉を思います。
また、インタビューも見ると、玉置さんは、物凄くピュアで、正直で、真っすぐな方なんじゃないかなあ、って感じました。
こう、性格が複雑骨折していなさそう、というか(笑)
ちょっと見ただけだし、全然分からないんですけどね!

「蒼い瞳のエリス」とか「Friend」とか、ちゃんと聴いたのは初めてだったと思うんですけど、物凄く良かったです。一回聴いて、ここまで囚われる感覚になるのは、そうそう無いな、って思うくらい。一度で覚えてしまったし。
「じれったい」とか、元々好きな曲も、ああいうアレンジであんなにかっこよくて素敵なんだ!っていう驚きがありました。

香港で演奏してらした方が、「玉置さんが歌いだすと、楽器を置いてただ歌を聞きたくなる」っておっしゃっていたのが分かるなあ、と思うくらい(笑)、思いがけず、胸をつかまれる歌声に聴き惚れる夜になりました。

まるで、湖に波紋が広がっていくのを見つめるような、そんな気持ちになる歌声でした。

そして、キンキさんの「むくのはね」も聴きかえしてみたりして。
「むくのはね」も、キンキさんが歌われるのと、玉置さんが歌われたのとの違いも含めて、とっても好きな曲です。

それから、二日目の夜は、夜市から帰ってきたあと、母と二人で、ホテルのバーのようなところにも行きました。
二人でこうしてお酒を飲めるようになったんだな、と思いながら、少しゆっくりして。
台湾の夜景も綺麗で、ホテル自体も、駅から近くて、綺麗で過ごしやすくて、色々と思い出も出来て、今回、行けて良かったです。

初めての海外の感想としては、なんだか、海外に行くと余計、自分は自分でしかないんだなあ、って感じました。
聞こえてくる言語も、見えるものも、食べ物や文化も普段と違うからこそ、変わらない自分が明確になるようで。
どちらかと言えば、何かが変わるような新鮮な気持ちになるのかなあ、とぼんやり思っていたので、少し意外でした。
それでも、タピオカミルクティーを買ったお店の女性の優しい表情や声にホッとしたり、お寺の色彩の豊かさに日本との違いを感じたり、そんな小さな楽しさに、少し心がほぐれるようでした。

また機会を見つけて、他の国にも行ってみたいなと思います。