淳 土師守

こちらは、下の酒鬼薔薇事件の被害者の御父様が書かれた手記です。

淳 (新潮文庫)

淳 (新潮文庫)

やはり辛かったです。
慈しんで、大事にしてきた子供が急にいなくなる。
何日も必死に探して、惨い殺されかたをして発見される。

犯人の少年も、少年の両親も知っている。
犯人の個人情報は少年法に守られるのに、被害者側はメディアによって名前も個人情報も報道され、嫌がらせまでされる。

そっとしておいてほしい、というだけのことが叶えられない。

こういう凶悪事件では、少年法の是非とメディアの報道が必ずと言って良いほど問題になりますよね。
変わらない。

被害者側は唯でさえ苦しめられるのに、二重三重で苦しめられる。そんなことはあってはならないはずなのに、報道の自由、という言葉で誤魔化されて、本当に報道しなければならないようなことなのか、は問題にされない。
今はまた、ネット上で、という被害もある。

加害者の御両親、被害者の御両親、どちらもの手記を読むことで、事件を両方の面から見ることが出来て良かったです。
やはり、どちらかだけでは分からないことが多くて。勿論、手記を読むことで分かることなんて、ほんの、ほんの少しなんでしょうけど。