里帰り

9日から13日まで、母方の実家がある沖縄に行ってきました。

まあああ、濃かったです!相変わらず!

どこの関係性も「愛!!!!憎!!!!」という感じで。

5年ぶりかな、くらいだったので、私も話が分かることが以前よりずっと増えて、というか、ほとんど分かるようになっていたので、また改めて、なんて濃いんだこっちは、と思いました。

綺麗に生きるとか、心穏やかに過ごそうとか、そんな感覚とは無縁だなあ、相変わらず!って。そして、自分にも半分、こちらの血が流れているんだ、ということを改めてしみじみと実感しました。色々と、分かりはする、肌になじむ、ということは多くて。

介護、お金、借金、親戚付き合い、仕事、兄弟間のもめごと、墓、とある意味、フルコースみたいな問題と剥き出しの感情との話に圧倒されました。
って書くと、全然、南ののんびりした島、みたいな沖縄のイメージとは違うようなんですけど、私の家がそうなのか、あちらには割と、昔の人付き合いが色濃く残っているからか、あらゆる問題が絡み合うんですよねー。

父方の身内も、それなりにあるはあるんですけど、母方が強烈過ぎて。皆、キャラが濃すぎるし、感情も事情も状況もそれぞれ生々しすぎるし。

当てられるような気持ちになりつつ、あちらに行くと、ある意味こう、物事を受け流してどっしり構えられるような気持ちになります。

今回は祖母に会いに行くのが主な目的だったので、ほぼ毎日、祖母に会って。眼鏡よりコンタクトのほうが良いね、とか、髪はカールさせたほうが良いのでは、とかってことを言ってくれて、流石、女性らしい意見!って面白かったです(笑)
祖母の笑い方が私は好きなので、変わっていなくて嬉しかったです。
この前亡くなった曾祖母も、笑顔が素敵な人だったんですよねー。

にしても、親の介護は、兄弟同士だと、特に皆、仕事や生活がある兄弟同士だと、それぞれに負担がかかるぶん、本当に大変で、諍いが起きやすいんだな、と改めて思いました。
叔父叔母とは、今回、皆とそれぞれ会って、長女である母に色々話しているのを聞いていたんですけど、それぞれに、なるほど、っていう言い分があるんですよね。そこにお金の問題やら何やらが絡まってきて、さらにややこしくなる。

叔父叔母はまあ、皆、割と気性が激しいほうでもありますが(笑)、一番下の叔父に障がいがあることもあって、お互いに助け合ってきてるんですよね、お金のことにしろ、何にしろ。
でも、それでもやっぱり相当、こじれているので、改めて、お金と介護は難しいな、と思いました。

私は一人っ子なので、いざという時は自分が一人でやらないと、ってずっと前から思って、それまでに稼げるようにならないと、って焦る気持ちが強いんですけど、兄弟がいるのはいるので大変だな、って思いました、今回。
祖母との相性もあるんですよねー。親子だから相性が良い、兄弟だから相性が良い、っていう訳ではないですよね、本当に。

祖母の事をどうでも良い、と思ったり、誰かにだけ負担がいって良い、とは誰も思ってないからこそ、余計、拗れてるんだろうと思うので、まさに愛憎、という感じでした。
本当に、母方は何事も、淡泊にはならないんですよね。事情も感情もぶつかり方も。
ある意味、南のパワーなんですかね、凄いなと思います。
感情を出すことを厭わない、無難に、とか、そ知らぬふりで目をつぶって、とかってことをしない。それは駄目だ、という人も多いんでしょうけど、私はそういう人達のほうが信用できるし、好きだな、と思います。
そういうスタンスのほうが、あらゆることが大変なんですけどね、きっと。

飲食のお店を出して失敗したら、共同出資者に逃げられて借金を全部自分で背負わないといけなくなった、とか、それこそ軍用地が、とか、これに更に色々とそれぞれの事情が絡んでくるし。

親戚まわりも一応して、またそちらでも色々と濃い話を聞いて。
そうそう、10歳かそこら辺だった時に初めて存在を知った年下のいとこ達の話が聞けて、とっても嬉しかったです。
そちらの子達とはちょっと血のつながりが薄いこともあって、今後連絡を取り合うことがあるかは分からないし、一度しか会ったことは無いんですけど、私、年下の血筋的に近い親戚ってあの姉弟達だけなんですよね、父方は皆年上で、しかも男性のみなので。
なので、ずっと気にしています。元気にしてるかな、って。
また、会った頃があちらが苦しい時だったので。今は元気にやっているそうで、本当に良かったです。

それから、74歳の誕生日に、死後、自分の体を献体として提供することを決めた親戚の男性が、この前、92歳で亡くなって遂に、とか。
戦争を経験したり、お子さんが亡くなるのを看取ったり、他にも色々とあった人生の最期に献体を、って望まれる心境ってもう、想像もつかないな、と思います。
家に骨が返されるのが数年後だそうなので、墓を重んじる沖縄では余計、思い入れが強くないとやらないことなんじゃないのかな、と思います。
行くたびに御挨拶してたんですけど、とても穏やかな方でした。

献体かー、例えば両親にそう望まれたとき、咄嗟に分かった、と言えるか、と聞かれたら、きっと言えないような気がします。
こういうのは難しいですよね。
父方の祖母にも、今、延命治療を望まない、という書類を用意してほしい、と頼まれていて。
本人の希望が一番なんですけど、いざとなったら、とにかく生きていてくれること、触れたらあたたかい、ということを望んでしまうような気がします。難しい。

今回は、親戚と会う以外にも、斎場御嶽や博物館、骨の発掘をしている洞窟、海の見えるレストラン、と色々と叔母に連れていってもらえて、とても嬉しかったです。

骨の発掘をしている洞窟のほうは、cavecafeっていうカフェになってるんですね。それもまた凄い発想だよなあ、って思うんですけど(笑)
面白かったです。

今回、ほとんど一緒にいた叔母は社会福祉士で、特に障がいがある方々と関わる仕事を今はしている人なんですけど、まあ、この人がまたキャラが凄くて(笑)
叔父叔母はあらゆる意味で、漫画か、というくらいキャラが濃い人たちなんですけど、私はこの叔母とは特に気が合うんですよね。
で、その叔母が一時期、発掘に関わるバイトをしていたことがあって、博物館の地下で頭蓋骨の骨をパズルみたいにくっつけていたそうで。その関係で、ってどの関係だ、という感じなんですが、私も色々と話を聞いて興味深いなと思っていたので、博物館にも行けて良かったです。叔母に解説してもらいながら、だったので余計。
割と新しいから綺麗だし、自然の紹介も多い分、色鮮やかだしで、よく特色が出ていて良いな、と思いました。おすすめです。

そうそう、この叔母は、数千年前、というか有史以前のことにしかあまり興味が無いらしく、数千年前の骨なんかは抵抗無く触れるらしいんですが、戦争関係のところなんかはまだ時間が経ってないから、生々しすぎて行けないんだそうです。
それも分かるような、分からないような(笑)

叔母たちの話は、さらさらと話してるんですが、仕事で関わる方々の話にしろ、今まで経験したことにしろ、ここに書くのは躊躇うくらい強烈なことが
多くて、本当にあてられましたが、それでも、何ですかね、話せて良かったな、っていつも思います。
あまりにも強烈なことが多すぎて、行ってる途中、2日間くらい体調を崩しましたが(笑)、昔から、子供扱いしないというか、知っておいて損は無い、というスタンスで色々と、自分の失敗なんかも話してくれていたので、それが凄くありがたいなと思います。
無理矢理目を開かされるようなことが多くて、自分のちっぽけな価値観が崩されて。

それから、斎場御嶽。せーふぁうたき、と読みます。琉球最高の聖地だった場所です。今でも信仰の場であることから、生きる聖地とも言われているそうです。
私、ずっとここに行ってみたかったんですけど、機会が無かったんですね。なので、今回、行けて、とっても嬉しかったです。
が、やっぱり、聖地だった場所に観光客が増える、っていうことは辛いことですね。
まだあそこが世界遺産になる前に行ってみたかった、と思います。
もっと人が少ない時に。
ああ、ここで聞得大君(琉球最高の神女です)の就任儀式が行われたんだな、っていう感慨深さや感動もあるし、美しくもあるのですが、どうしても、本来、俗世を受け入れるべきではない場所に人を受け入れさせてしまって、汚してしまっている、弱めてしまっている、という感じがして。あそこが今も信仰の場であるからこそ、余計、そんな感覚になりました。ただの感傷なんでしょうけど。

不思議な感覚がしました。なんですかね、やっぱり長い事聖地だった場所ってそうなるんですかねー。決して不快ではない、けど、安らかとか穏やかとか厳かとか、そんな感覚とも違うものが漂っているような。行けて良かったです。

それから、海。やっぱり私は、沖縄の海が一番好きです。ずっと見ていたい、と思います。
何種類もの鮮やかな青が複雑に絡み合っていて、どこまでも続いていて。何もかもを飲み込んできた海なんだな、と思います。たった数十年前に、赤い血に染まったこともある。それが今、こんな風に透き通って青い。圧倒されます。美しいからこそ。

他にも、叔母と二人で買い物をしたりカラオケに行ったり美味しい物を食べたり、楽しかったのですが、ある程度覚悟していたよりもずっと濃く、大きな里帰りにもなりました。5年もブランクがあると、沖縄の全てにあてられます(笑)
好きなんですけど、住めはしないなあ、と思います。恐ろしいですからね、あそこのコミュニティの濃さと言ったら!(笑)
昔は良かった、皆のつながりがあってどうのこうの、っていうのは幻想だ、という感覚になります。自分は知らない人、親戚でもない遠くの人にまで知られている、話をしていれば共通の知人に辿り着く、って怖すぎる(笑)
別に近くに住んでいたことがあるわけでもないのに、っていうことも多いですからね!怖い(笑)

まあ、沖縄は借金もその、近くに住んでる者同士の共同体で一緒にするくらい、結びつき方が強烈ですから(今は流石に減ってると思うんですけど)、あそこはまた別なのかもしれないんですけどね。その良さもあるんでしょうけど、私は多分、無理だなあ、と思います。母と同じで。
と、色々としみじみと、自分の根っこを改めて考えるような里帰りにもなりました。

来年は行けるかな、それまで、皆、元気でいてくれますように。