「少年A」この子を生んで・・・
同じ学部の友達に薦められて読みました。
- 作者: 「少年A」の父母
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1999/04
- メディア: 単行本
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恐らく、覚えてらっしゃる方が多いであろう、酒鬼薔薇事件の加害者側の御両親の手記です。
まだ14歳だった加害少年がどういう子供だったか、どう接していたか、ということが書かれているのですが、これだけ読むとやはり、子育てっていうのは難しい、と思わされます。
加害少年は、何も問題を起こしたことがありませんでした、というタイプでは決してなく、執拗に他者を傷つける、といったことは小学生の頃からしてしまっているんですね。
そこでの正しかた、言い聞かせかたっていうのが難しいんだろうと思います。
人を傷つけてはいけない、人を殺してはいけない、ということを子供に言い聞かせても伝わらない場合、一体どうすれば良いのか。そもそも、本当に伝わっているかどうかを、どうやって確かめれば良いのか。当たり前に分かっているはず、と思ってしまって良いのか。
「命は大切にしないといけない」という言葉が、上滑りする標語にならないためにはどうすれば良いのか。
読んでいて、加害少年の弟達が気になりました。
兄がこんな事件の犯人だ、という事実を抱えながら生きて行かなければならない弟達も、恐らく、あらゆる意味で辛い思いをしてる。
子供を育てる、教育する、上手く浸透しない子に伝えてあげる、っていうのはなんて難しいんだろう、と思う本でした。