ベスト・エッセイ2012 日本文藝家協会編 [編集委員]角田光代・林真理子・藤沢周・町田康・三浦しをん

昨日今日で読みました。

ベスト・エッセイ〈2012〉

ベスト・エッセイ〈2012〉

77名の作家さんや役者さん、歌人さん等の数ページのエッセイが収録されています。
もともと載っていた媒体も、様々な新聞や雑誌です。
知ってる方と知らない方、半々くらいかな、ということで手に取ったのですが、凄く良かったです!

エッセイってこんな風に読むと、とっても豊かで面白いんだ、って思えました。
本来は、1日2日で読むより、毎日少しずつ読んでいったほうが楽しいのかな。
図書館から借りてるので、期限を考えて一気に読んじゃいましたけど。

色々な世界に連れていってもらえているような気持ちになったり、その方その方の胸の内をそっと教えてもらえるような気持ちになったり。新鮮な気持ちになりましたし、エッセイの可能性って、私がなんとなく思っていたよりもずっと広いんだな、って感じました。
哲学者の方のも良かった。「理性は情念の奴隷であり、かつ奴隷であり続けるべきである。」って主張した哲学者もいたなんて、D・ヒュームの『人間本性論』は是非読んでみたいです。

また、これは2012年なので、震災にまつわるものも多く収録されているんですね。そういう意味では、その年その年の色を濃く反映したものになってるシリーズなんじゃないかなと思います。
他の年のものも読んでみたいですし、出来れば、手元に揃えていきたいなと思いました。
特に2011年。

2012年もそうでしたけど、やっぱりあの震災を受けて、何をどう言葉にするか、っていうのは、難しかっただろうと思うんですよね。この本に収められたものにも、共感出来る文章、どうしても出来ない文章、どちらもありましたが、共通して、確実に言葉にするには難しいものを何とか、逃げずに言葉にしようとした、それぞれの方の迷いや思いが生々しく載っているように感じました。

ならば、2011年はどうだったのか。
読んでみたいなと思います。あれをどう言葉にすればいいのか、どう考えればいいのか。今も思い出すと鳥肌が立つんですよね、私が行ったのは震災よりだいぶ後だったのに、流された場所の風景をふいに思い出すと、鳥肌が立つ。とても言葉に出来ない、という気持ちになる。そして、それでも、言葉にしないといけない、どうにか言葉にしたい、しないと、っていう気持ちにもなる。
2011年は特に、なるべく早めに探し出して読んでみたいです。