不連続の世界 恩田陸

恩田さんは怪談とか書くのお上手そう、って久しぶりに思った作品です。

不連続の世界

不連続の世界

『月の裏側』もそうだったんですけど、ふいにゾッとさせられるような怖さがある。正常と異常の境目なんて、本当に曖昧な物なんだなと感じさせられますし、自分が正常だと信じ込んでいることなんて、簡単に揺らいでしまうものなんだ、と突きつけられたような気持ちになります。

下手なホラーなんかよりずっと怖くて、でも、先が気になって読み進めてしまう。それだけの筆力がある。
恩田さんの作品は結構、読んでいるからか、最近は恩田さんの文章を読むと、何だか落ち着いて冷静になることが出来るような気がします。

「夜明けのバスガール」はどこか、じんわりと心に残るラストだったなあ。
こういう助け方もあるんだな、みたいな。

これを読んだのは少し前でかなり弱っていたときだったんですけど、本を読むの、好きだな、って改めて感じました。
思いもよらないところに連れて行かれる面白さ。そして、そういう作品を読み終えた後の、何となくスッキリするような感じ。
自分の生活から離れられるというのは、旅行にしろ読書にしろ、今の生活だけが世界の全てではないと思えて、それだけでも凄く良いことなんだろうなと思います。

一杯一杯になりすぎずに、本を読んだり旅行をしたり出来るだけの気持ちの余裕を持ちたいなと思います。あと、忙しくてもやることがあっても、それだけにかかりきりになりすぎずに、今はしない、と決めて少し離れる、ということが出来るようになりたいです。
やるべきことをテキパキやって自分の楽しみをきちんと楽しむことが出来れば、少しは楽になるような。

来年度は役職の事務の仕事が多くなるのは間違いないので、上手くバランスをとれるように気を付けて頑張りたいです。