あなたは欠けた月ではない 光野桃

ここ数か月は本を読んではいても感想を書けていなかったり、上げられなかったりしていたので、感想も少しずつ書いていきたいなと思います。
この春休みは整理期間にしたいです。考えや環境や目標の整理期間にしてみたくて。

久しぶりに光野さんのエッセイを読むことが出来ました。

あなたは欠けた月ではない

あなたは欠けた月ではない

私が好きになる人は、完璧主義で真面目であるがゆえに精神的に追い詰められてしまう方が多く、剛さんもそのタイプだと思うんですが、光野さんもそうで、「スランプ・サーフィン」という作品を出されています。精神的なスランプに陥ったときのことが率直に書いてあって共感できる、今もふと読み返すことが多いエッセイ集です。

で、その後、スピリチュアル系、ともまた少し違うんですけど、何となく精神的な路線に行かれるところも少し似ていらっしゃって、私はこういうタイプの人に弱いんだろうなあ、何だかんだ、好みって一貫性があるものなのかなあ、って感じさせられます(笑)

この作品は3年程前に出されていますが、初期のエッセイ集に近い、おしゃれをすることだとか、美しさだとか、ということが綺麗な文章で書かれていて、読みやすく、懐かしかったです。何度も読み返したい感じ。

それから、私が読んだ今までの作品には書かれていなかった、光野さんの大変だったことも色々と書かれていて、こんなことがおありだったんだな、という驚きがありました。取り繕った書き方がされていないぶん、生々しく迫ってくる事も多く、思わず一気に読んでしまいました。
今までの作品よりもさらに、ご自分の内面を率直に書かれていて、今までに出されている、読み損ねた作品も読んでみたい、と素直に感じました。そう思わせる、って大事なことでもあり、凄い事でもあるよな、って感じます。この人の作品をもっと知りたい、読んでみたい、と思わせる、って凄い。

そういえば、剛さんのアルバムも、私はそういう感覚でズルズルと手を伸ばし、聴いていって、今、ここまで来ている、という感じなのですが、好きになったから、ファンになったから、という感情ではなく、興味があるから、分からないぶん、もっと知ってみたいと思うから、という感情で手を出し、伸ばしていくほうが深みにはまるというか、気が付いたら抜けられなくなってしまうことが多いような気がします(笑)

それにしても、この作品は久しぶりに、凄く好きだったなあ。「パワーがありすぎ、思いがありすぎ、自家中毒を起こすのが自分の生きるパターンだった」と書かれるの、凄く分かるような気がする、って感じるんですよねー。全然、共感は出来ないことのほうが、考え方や内容的には多いんですけど、そこに関しては、分かるような気がします。

最後に、月は満ち欠けするからこそ美しい、というようなことが書いてあるんですが、率直に、満ち足り欠けたりされたご自分のことを書かれた後に書いてあった言葉だからこそ、沁みました。この作品も手元に置きたいなと思います。

光野さんの作品を読むと、もっと美しいものを探せたら良いな、と感じられて、その感覚が凄く好きだな、って再確認出来て良かったです!