異国のおじさんを伴う 森絵都

異国のおじさんを伴う

異国のおじさんを伴う

もう、久しぶりに良い短編集を読ませていただきました・・・!流石絵都さん。これだから作家読みをやめられないんだよなあ、だって面白くない本を読みたくないから!そうなると、どうしても好きな作家さんになってしまいます。

新しい作家さんに挑戦したいとも思うんですけど、最近、わくわくする作家さんや作品が少ないんですよねー。私のアンテナが鈍ってるだけなんでしょうけど。あと、うちの大学は専門書ばかりで、一般の文芸作品が少ない、ってことも理由の一つです。市の図書館に行きたい。

絵都さんの作品は、奇想天外だったり、あっと驚くような要素は少ないのに、全然、ありきたりな感じがしないんですよね。そこが凄い。文章が本当に好きです。上手くて、無駄がなくて、ユーモアがあって。

今回の「ラストシーン」は特に、素晴らしかった。飛行機で映画を見ていた男性。あと十分というところで着陸前で見ることが出来なくなってしまうんですが、その映画は大どんでん返しがある「検察側の証人」で・・・。というものなんですが、どう決着をつけるんだろう、っていう面白さから、そうか、そこに行きつくのか、っていうところにまで連れて行かれて、これが読書の醍醐味だよなあ、って思いました。本を読むことが好きで良かった。