宝塚読本 中本千晶

ここ数日の記事に、お星様ありがとうございました!

宝塚読本 (文春文庫)

宝塚読本 (文春文庫)

いやー、面白かったです!これはジャニーズファン、特に光一さんと滝沢さんファンの方にも、是非読んでみていただきたい。そして感想を伺いたい、って思いました。

私は、宝塚にも興味を持ってはいたんですけど、全然詳しくは知らなかったので、宝塚入門書みたいなこの本は本当に楽しく読めました。素朴な疑問に、わかりやすく答えてくれてるし、宝塚自体のことだけでなく、宝塚ファンについても色々と書かれているので、ジャニーズファンとしては「わかる・・・!」って思うことも結構あって、より楽しかったです(笑)
やっぱり、ファンの方がその愛している世界について、熱く語ってくれているものこそ面白いんですよね!

○宝塚とジャニーズの似ているところ。

・理屈で考えたら突っ込みどころ満載だから、理屈で考えちゃいけない。むしろそんな見方をする必要自体がない。何故なら「かっこよければ全てが許される」から!っていうのはジャニーズの見方にも似ているような、似ていないような。ファン、っていうよりも、ジャニーさんの考え方に似てるのかな?(笑)

・リピーターが多い、っていうのはジャニーズにも言えますよね。そしてスターへの恋が愛に変わり、ついには事務所の行く末まで心配しだす、っていうファン心理の流れも似てる。

・ファンのほうも有難がるだけでなく、常に、「近頃の宝塚は駄作が多い」「これでいいのか」と議論している、っていうのはジャニーズもそうだと思う。

・歌舞伎と宝塚は根っこが似てる、と書いてあったけど、ジャニーズと歌舞伎もちょっと似てると思う。江戸時代の歌舞伎ファンだって、今のジャニーズや宝塚のファンと同じようにミーハーな楽しみ方をしつつ、批判したり議論したりして歌舞伎を愛してたんだろうなあ。

・宝塚で「下級生チェック」をする人は、ジャニーズでいうところの「ジュニア担」なのかな。私は、まだ人気が出る前の人を自分で見出す、っていうことに全く興味がないし、その楽しさもイマイチよく分からないので、断言は出来ないんですけど、多分同じ感覚なんだと思う。


○宝塚とジャニーズの似ていないところ。

・宝塚は新作主義である。いつ行っても新作を見ることが出来て、再演はほとんどしない、って素晴らしい。お稽古は勿論、物凄く大変らしいですけど、ジャニーズさん、ちょっと見習ってみる気はありませんか・・・!基本的には、ファンは色んな役を演じるご贔屓を見たいもんだと思います。

・宝塚におけるトップスター制度。宝塚では、トップスターまで登り詰めた人は、トップスターに就任してから3、4年で引退するから、ファンも引退まで熱狂的にスターを愛して、一緒に燃え尽きる、っていうのは上手いなあ、って思いました。ジャニーズでは、一つのグループが軌道に乗ってしばらくしたら、若いグループをデビューさせて担降りをさせていましたけど、宝塚では、もっと強引に次に目を向けさせるんですね。そうなると、やっぱり宝塚という劇団そのものを愛するファンが育っていくんだろうなあ。

・宝塚では、スターとファンの距離が近い。これは宝塚が、ファンとスターが同性だからこそ成り立つ関係なんでしょうね。

この本を読んで、固定ファン層の要望に応えるか、新規ファン獲得を目指すか、っていうのは、長くやっているところはどこも抱えるジレンマなんだな、と感じました。ジャニーズも宝塚も素晴らしいエンターテイメント集団だと思うので、これからも攻めの姿勢で、長く頑張ってほしいです。近いうちに、一度宝塚の夢の世界を覗きにいってみようと思います!