DESTINY

感想、聞き比べるのが楽しかったDESTINYからいきたいと思います!

そもそも今回、お二人のジャケ写が西洋画のように美しくて、それこそ見惚れてしまいますね。
シンプルに綺麗。

DESTINYは、剛さんの発症後の歌声を初めてちゃんと聴いた曲でもあるので、そういう意味でも印象が強いです。

あの歌声が失われていない。
今、こうして聴かせてもらえている、というだけで、信じられないくらい嬉しかった。

そんなDESTINY、それこそ御病気のことがあって、光一さん、剛さんそれぞれとキンキさん、という3パターンを聴かせていただけることになって、これはこれで凄く興味深かったです。

一曲を三通りも聞かせていただける楽しさ。

アニメの主題歌ということで、勢いがあって、強さもある曲ですよね。
そして、前奏から凄くかっこいい。

歌詞としては、
「ありきたりな時間でさえもキミがいれば特別になる 
なのに当たり前だと感じる時もある」
という箇所は、ふと、Aanniversaryであえて二番を歌われた光一さんのことを思い出しました。

作詞者の方が同じなだけあって、Anniversaryと通ずるものがありますね。

ただ、そうなると、まだ!まだキミにつらい想いを、しかも「何度も」させているのか・・・?
とか、しかも「なんて言ったけれど」とか生ぬるい言い方をしてるのか、この主人公は?!
という感想も、ちょっと出てきてしまいました(笑)

Anniversaryもそうですが、この主人公は、自分が女性側の知り合いだったら「やめときなよ、もう鈍感とか不器用とかの問題じゃないよ!」って言いたくなっちゃうタイプの男性だよな、って思います(笑)

つらい想いをさせ続けておきながら、「どれも大切だから守りたいずっと」という身勝手さというか、理想の自分を追うような雰囲気が、こういう自分勝手な人っているよな、という感じもあって。

キンキさんは何故、この男性は良い人だな、とはあまり思えない男性の歌を定期的に提供されるのか(特に恋愛の歌に関して)というのは、だいぶ長い事、小さな疑問です(笑)

先に気を取られたところを書いてしまいましたが、お二人が歌うからこそグッとくる箇所もありました。

ということで、まずは光一さん御一人で歌われてるほうの感想ですが、真っすぐで、それこそ帝国を率いて進んでる人みたいに聴こえて、とっても面白かったです!
光一さんに「未来を目指すよ」と歌われると、一個人というより、軍隊、あるいは国を率いて、全体で向かう未来のように聴こえるというか。

あと、自分達の出会いは「必然という奇跡」なんだと、全く疑わずに、芯から信じていそうな感じがする。
多分、ちょっと余裕が無さそうな感じの息継ぎの仕方とか、抑揚がほとんど無い歌い方が、真っすぐさを出しているような気がします。

そして、二番前半、これは歌詞の流れもあると思うのですが、「つらい想いさせたね」と言いながら、それを心底実感出来てはいなさそうというか、全体の為には仕方なかった、とどこかで思ってそうで、ちょっと「キミ」のことが心配になってしまいました(笑)
これも、光一さんの勢いのある歌いかたもあってな気がして、剛さんとの違いが面白かったです。

それから「もどかしいくらい」という歌詞は、光一さんの歌い方とよく合っているな、と感じます。
あまり抑揚をつけず、最初から最後まで力を入れたまま歌い続けている感じが、どうしてもその「たった」ひとことが出ない、もどかしいという感情に合う。

そして、サビ終わりがまた力が入っていて、一生離さないのも、信じ続けるのも、絶対離さないのも、決定事項です、という感じがするんですよね、光一さん御一人のほうは。

「キミ」の希望や意見を気にするつもりはあまり無さそうというか、嫌と言われても、熱意で押して、自分の希望を通しそうな感じ。

その力強さが、曲調や歌詞、アニメの主題歌であるということに合っているように感じます。
勢いのある歌いかたも、曲自体の勢いに合ってて、全体的に、凄く主人公キャラっぽい。

剛さん御一人のほうは、そういう意味では、またちょっと違う雰囲気に聴こえます。

剛さんが御一人で歌うこの曲は、ある種、綺麗に流れすぎて、聞き惚れていたらサビの最後で急にハッとさせられる、みたいな面白さがあるように思います。

最初の「まるで」の時点で、もう歌声が凄く豊かで滑らかなんですよね。
だからこそ「あ て のない」とここだけ途切れさせるのが、ちょっとしたアクセントになっていて、とっかかりになっているような気がします。

そして、細かい話ばかりしてしまいますが、目指す「よ」を柔らかく置いてから「あ」の日「あ」の時に、と重なる「あ」を強調する抑揚の付け方が、曲に剛さんの色をつける感じで凄く好きです。

そこから、サビの伸びやかさと、丁寧に音を追うような歌い方が剛さんらしくて聞き惚れていたところに、不意に囁きこむような「一生離さない」が来る。

光一さんがストレートに感情を込めて、力強く歌っているのとはちょっと違って、剛さんの歌い方は、どこか密やかな感じがする気がします。
感情をぶつけるような、決意表明のような歌い方ではなくて、自分にも言い聞かせながら相手に告げるような感じ。

この対比が、とっても面白かったです。
同じ歌詞でも、ニュアンスが違って聴こえるのが。

それから、二番も、剛さんが歌うと、これはコーラスの違いもあってだと思うのですが、辛い思いをさせたこともよくよく分かっているんだけど、それでも相手が離れないと分かっている悪い男の雰囲気が出るように聴こえます。

たったひとことなのに、と言うのも、そう言いながら、その努力を本気でする気は実はそんなにない、みたいな。

どちらにしろ、二番のここら辺の歌詞が誠実に聴こえることは無いのでは、と思うのですが(笑)、違う悪さのある男性像に聴こえるのがまた、面白くて。

それから、「信じ続けたい」の余韻の色気が凄くて、初めて聴いたときは、驚きのあまり、ちょっと咳き込みそうになりました!(笑)

なんですかね、「雰囲気がある」っていうのはこういう歌い方と歌声のことを言うんだろうな、という感じ。
歌声の余韻というものをここまでハッキリ感じるのも珍しいように思います。

凄く流暢に流れてきて、二番のサビも最後にこんなインパクトのある歌い方を持ってくるあたり、流石剛さん。
度肝を抜かれました。

それから、光一さんのほうもですが、「近づくほど」で音が減るの、王道で凄く良いですね!
こういうの大好きです(笑)
また、それが出来る歌声ですもんね、キンキさんは。

そしてラスト、「絶対、離さない」も、「キミ」に対してもでしょうが、自分に対して、強く言い聞かせるようにも聴こえる。

ストレートな光一さんの解釈と、どちらかというと内向的に聴こえる剛さんの歌い方、その違いがまたお二人共によく合っていて、聴き比べるのが凄く面白く、楽しかったです。

そして、キンキさんお二人で歌われたパターン。

光一さん始まりなのが、この曲に合っているように思います。
光一さんが歌う「未来」はかなり強力な感じがして。

そして、剛さんの歌声が、キンキさんverだと、お一人の時よりも、全体的に強めに聴こえるんですね。
これは驚く発見でした。
お二人の歌声が組み合わさると、少なくともこの曲に関しては、剛さんの歌声が光一さんの歌い方に寄っている感じがする。
御一人ずつ歌うとあんなにニュアンスが違って聴こえるのに、こうして聴くと、剛さんの歌い方がちょっと強めに聴こえるから、違和感が無い。
凄く不思議で面白いな、って思います。

サビの「まるでレーザービームみたいな」という力強く上がっていく光一さんの歌声と、「未来へと連れてく」と柔らかさを含みながら上がっていく剛さんの歌声、という流れも、お二人の違いによって自然な抑揚がついて聞きやすくなる。

サビ終わり「一生、離さない」については、やはり光一さんの歌い方が強いぶん、光一さんの歌声が引っ張っていく感じがします。
それでいて、バラバラではないし、「素敵な運命」辺りの溶け合い方は驚かされるし。

二番も「なんて言ったけれど」とか特に、こんなに強い歌いかただったかな?と剛さん御一人のほうを確認してしまうくらいでした。
それから、私の中では問題になっている(笑)二番冒頭も、お二人で交互に歌われると、不思議と誠実そうに聴こえて、ここも本当にびっくりしました(笑)

お二人で歌われると、主人公が誠実そうに聴こえるようになるんだなあ、って様々な曲を思い出して納得したりもして(笑)

「信じ続けたい」に関しては、ソロバージョンが無かったら、剛さんがこんなに色っぽい歌い方をしてらっしゃるとは分からなかっただろうなあ、と思うと、改めて面白い試みになったな、と感じました。

曲の後半は、お二人で歌うと、曲の強さが増すし、たった二人でもこんなに一曲の中でメリハリがつくんだなあ、と驚きます。

それから、これは歌番組で聴いたときにも感じたのですが、「近付くほど遠く感じる」を光一さんが歌われて、それを受けて「そんな時が来ても大丈夫さ」と剛さんが歌われるのにグッときます。

ここは、どちらかがお一人で歌うより、お二人でこうして言葉のやりとりをするように歌うほうが、ずっと複雑な深みが出るな、って感じました。
凄く良い歌い分けだなあ、って。

そして「絶対、離さない」、ソロバージョンを聴いたら、きちんと重なりそうにないくらいに違う歌い方に聴こえるのに、実際にはこんなにきっちり合って、一つの歌声になる、って、そりゃあキンキさんに関わる方々は感動されるだろうな!!って思います。

その感覚を今回、なんとなく体験させていただけたようで、とっても嬉しかったです。

何度も聴きながら少しずつ書いたら、いつも以上にまとまりのない感想になってしまいました、すみません!

ちょっと長くなったので、MVのことはまた記事を分けて、全曲の感想を書き終わってからにしようと思います!