初日感想 4

コンサート感想、これで最後です!
ギリギリ、一週間で書けて良かった。
これを書き終えたらやっとパンフレットや雑誌を読めるので嬉しいです(笑)


と言っても、曲の感想とまとめくらいなんですけどね!
しかも、曲に関しては、あまり冷静には聞けなかったので、印象的だった曲について、くらいです。

「Topaz love」からの「愛のかたまり」は、こんなに前半に持ってくるか、ということについても、2曲の順番についても、意外でした。
最近、作ったTopaz loveから、愛のかたまりに戻る形になっていて。
愛のかたまり、オーケストラともよく合っていて、重たさが詰め込まれていて、良かったです。
やはり歌い慣れてらっしゃるのも伝わってきました。

Topaz loveのほうは感想の最初にも書きましたが、こちらもオーケストラに合うキラキラした感じが、凄く耳に残りました。
この2曲は、キンキさん自作曲の名刺代わりにもなりそうだな、って思いました。

あと、キンキさんの曲のわりに、と言ってはアレですが(笑)、全体的に、物悲しい曲や失恋の曲が少なかったように思います。
ざっと思い返せる範囲だと、スワンソングと硝子の少年くらいなんじゃないかな。
やっぱり、今の状況を踏まえて選曲されたのかな、と感じます。
ある程度は、歌詞も考慮されたのかな、って。

スワンソングをオーケストラと、っていうのも、なるほど分かる、と思いましたし、曲の雰囲気によく合っていました。

それから、今回、「TIME」が凄く良かったです。
この曲も、「オーケストラだからこそ選抜」の曲だったように感じたのですが、歌詞が沁みるように伝わってきました。
特に、剛さんの歌い方が、今だからこそであろう歌い方で、真っすぐに伝わってくるようで。
それこそ、丁寧に歌われていることがよく伝わってくる曲調だからでしょうね。
光一さんの歌い方も良くて、お二人のよく溶け合う歌声が活かされているなあ、と聴き入りました。

そして、「ボクの背中には羽根がある」。
これはもう、歌詞が意味を持ちすぎて。
こういう状況で歌われると、「どんな辛い未来が来ても 二人だったら乗り切れるさ」とか、生々しすぎるというか、切実な色を歌声から勝手に拾ってしまう。
この歌詞の曲を今、歌われたこと、凄いなと思います。
歌詞と一致するお気持ちが無いと、今のタイミングでは歌えない曲だろうと思うし。

「愛されるより愛したい」については、上で光一さんが踊りながら歌って、下で剛さんが歌って、という形で、これも、去年、薔薇と太陽があって良かったなという気持ちになりました。
一度近い形をやっていたからこそ、まだ抵抗が少ないというか。
隣でやるには難しいことも、上下でなら、違和感が少なくなる。

そして、ここを見ながら、やっぱり自分は、自由に歌いながら踊る剛さんのパフォーマンスも好きなんだな、って改めて感じました。
それを、今は見ることが出来ない辛さっていうのは、やっぱり物凄くあるな、って。

歌う事にも、踊る事にも支障はあって、それでも、剛さんはどちらも諦めていない、と今回のコンサートで示してくださった。それを見せていただけたことに、驚きと感動がありました。

でも、同時に、コンサートをすることによって、今は以前のように、歌いながら踊ったり、伸びやかに歌ったり、楽器を演奏しながら歌ったりすることが難しい、ということも、ハッキリと示されたんですよね。
今、失われているものも示された。
示すことを選んだ。
それも、凄いことだなと思います。
取り繕わなかったことが。

今回、光一さんが躍って、剛さんは踊らない、という形を、もっと沢山取り入れるのかな、とぼんやり予想していたんですよね。
それこそ、薔薇と太陽でもやっていたことですし、ドームという場では特に、踊ることで盛り上げる必要があると考えておられるのかな、と思っていて。

でも、今回、私の記憶が確かなら、この形がとられたのは「愛されるより愛したい」だけで。
一曲しかしないのなら、一切、この形をとらないという選択肢もあったと思うんですよね。

今、剛さんが出来ないことを、お客さんに意識させない、ということを重視するならば。
でも、この形を一曲、入れることを選んだ。
ある意味、今は剛さんと光一さんが同じ様には出来ないということを、ハッキリ示すことを選ばれたということでもあると思います。

それはやっぱり、強さだなと思うんですよね。
二人で歌いながら踊る、という、今出来ないことをスルーして、取り繕おうとしていない。
出来ないことから目を逸らさず、目に見える形で示した。

勿論、制限がある中で変化を出す、という演出的な意図もおありでしょうけど。

しみじみと、キンキさんは、襲われたものから逃げてらっしゃらないんだな、と思いました。
目に見える形で、今、剛さんから奪われているものを見るのは、辛いし痛い。
でも、見せられることで、スタンスが分かることもあるんですよね。

今までのようには出来ないことがあるから公演自体をやらない、ではなくて、出来ないことを見せてでもやる。
出来ないことがあっても、全体として成立させる。
出来ることに全力を尽くして、クオリティの高い物を見せようとする。

私は、「完璧には出来ないからやりません」と言われるより、今、出来ないことをさらけ出してでもやります、と言われるほうに美学を感じるというか、そういう芸事への向き合い方をする人達のほうが好みなので、キンキさんのこの形を見せていただけて良かったな、と思います。

人間、完璧な時なんて少ないし、不調がある時にどうするか、というところに意味があるように思うので。
芸事に限らず、どんなお仕事も、スポーツも、何に関してもそうなんですけど。

あと、この曲だったかな、もうちょっと穏やかな曲だったような気もするんですけど、剛さんが、辛いというよりは、苛立たしいくらいの、「なんで?!」みたいなお顔で歌われてる時があったんですけど、表情は凄いことになっているのに、聴こえる歌声は全然、ブレが無くて、凄く綺麗で正確なままで、上手くて、笑い事じゃないんですけど、笑うしかなかったです。

言葉を取り繕いようがないので、思った通りに書きますが(笑)、「この人、どんだけ凄いんだ」みたいな気持ちになりました。表情と口から出てくる音とが一致してなさすぎて。
器用すぎるし、技術がありすぎるし、単純に、歌が上手すぎる。
あのチグハグさに遭遇した驚きは、ちょっと凄かったです。

歌が上手すぎるといえば、どんなに辛そうでも、歌の入りは絶対に逃してなくて、完璧だったので、剛さんに与えられているもの、剛さんから奪われていないものを改めて思いました。
剛さんの集中力とリズム感があってのことですが、良質な歌にしたい、というお気持ちも凄く伝わりました。
物凄く辛そうに表情が歪んでいる瞬間でも、歌に入るべきタイミングでは、絶対に入ってらしてて。

あと、「DESTINY」も、オーケストラとよく合う曲だな、と感じました。
華やかで、かっこよくて、素敵だった。
間に「Secret Code」が入るのも面白かったです。
戻り方も鮮やかでかっこよかったし。

それと、本編ラストを「Family」で締めるのも、今だからこそなところがあるように思いました。
「君がいるから 僕がいるから」これに尽きるな、って。
それから、オーケストラの演奏で聴かせていただくと、大サビの、とても二人だけで歌うとは思えないくらいのドラマティックな曲調は凄いよなあ、って改めて感じました。

光一さんはキンキというグループ、御自分と剛さんという組み合わせに対して、こういうイメージを持ち続けてらっしゃるんだな、と思うと凄い。
男性二人組で、だもんなあ。
特殊ですよね、本当に。

アンコール、「全部抱きしめて」は、光一さんがギターを弾かれて、剛さんは歌のみ。
これも、今まではほとんど無かった形ですよね。
改めて、非常事態であることや、剛さんが今、出来ずにいることを感じました。
そして、繰り返しになりますが、それを目に見える形で表すことを選ぶお二人の強さを感じますし、二人共がしない、ということで取り繕うのでなく、新たな形をとられたのが印象的でした。

こうして色々なやり方を模索しようとされるお二人なら、今後も進んでいかれるんじゃないかな、と思わせてくださるコンサートだった。

現状、やっぱり、凄く厳しい状況だと思うんですよね、あらゆる意味で。
ある意味では、切羽詰まった勢いで過ごした夏よりも、今のほうが苦しいかもしれない。
イベントでの御言葉等からしても、多分、お二人が思っていたよりも、現状は厳しくて、剛さんの症状も、あの頃お二人が予想していたよりは回復してないんだろうな、と思います。

でも、お二人は、それでも歩みを止めたくはないんだろうな、ってこのコンサートから伝わってきた。
無理してでも、という御言葉は、端的にそれを示しているように思います。
お二人共が同じように、一緒に立つステージに意味を感じてらっしゃるんだったら、きっと今後も、キンキとして進める道を探されるんじゃないかな、と感じました。

個人的には、ただただ楽しませるだけがエンターテイメントではないと思うんですよね。
皆で楽しく盛り上がることが出来なければエンターテイメントではないのか、っていったら、そうではない。

特に、キンキさんは、ソロでも、そういう価値観の作品を作ってらっしゃるわけではないように思います。

ただ楽しんで、という作品を良しとするなら、光一さんは「体力の限界に挑みます、階段から落ちます」みたいな路線にはいかないだろうし、剛さんは、辛さや苦しさや悲しさをも歌うような曲の作り方にはならないだろうし。

エンターテイメントには、様々な形がある。
キンキさんは、今回の事がきっかけで、また新たな形のエンターテイメントに取り組むことになるかもしれない。
それは、お二人が望んだことではないけれど、お二人ならば、それでも、前向きに取り組んでいかれるのではないかな、とも思います。
発症後半年たらずの今のタイミングでも、冬のコンサートを開催することを選んだお二人ならば。

ということで、話がだいぶ逸れましたが、「Next to you」
私、コンサートで歌ってくださったら、もしや初聴きがコンサートという幸せなことに出来るのでは、と思ってしまって(笑)、あえてこの曲は聴かずにドームに行ったんですね。
なので、歌詞も曲も、その場で初めて、キンキさんの生の歌声で知らせていただくという贅沢をさせていただいたのですが、凄く凄く良い歌でした。
また一つ、段階を超えるような。

キンキさんに、こういう歌を歌ってほしかった。
そして、それは多分、20周年を迎えた今でなくてはならなかった。
愛でも恋でもなく、ただ、君の隣で、あるいは、君のそばに、と歌うこと。
雑念の入らない、純粋な情が溢れ出すような、シンプルで美しい結びつきの歌。

これも、キンキさんが歌うからこそ、より良く表現される、という種類の歌であるように思います。
この曲の為にも、この曲が他の誰でもないキンキさんのもとに来て、キンキさんに歌われて良かった、と思うような。
友愛でもなく、家族愛でもなく。
明確な名前の無い愛情のままに、ただ「君」と「僕」の二人が隣で生きることを表現するのに、キンキさんほど相応しい二人組はいないように思います。

そもそもの歌詞が、一編の詩であるように美しいんですよね。
一つ一つの言葉の選ばれかたが丁寧で、青春、という言葉がよく効いている。
光一さんに「振り返るのが怖くて未来の方へ逃げ続けた」と歌われるインパクトも強かった。
ラスト、「青春は君と行けば永遠の光」って、二人で青春を共にしたお二人に歌われるからこそ、こんなにグッとくるんだろうな、って思います。

お二人共、凄く丁寧に歌われていて、旋律自体もとっても美しくて、今、この歌を歌われるの、凄く良いなって心から感じました。

今までとはまた違うキンキさんの色、良さを感じられて。
20周年を超えて、キンキさんは今までよりももっと大きくて幅広い表現をされていかれるのかな、って、今後が凄く楽しみになりましたし、先を見せていただけたような気持ちにもなりました。

そして、「薄荷キャンディー」。
これはちょっと意外でした。
最後の最後にこれが来るかあ、って。
こうして聴くとやっぱり、ロマンティックで綺麗な曲ですね。
オーケストラともよく合っていて、綺麗な終わり方でした。

全体的に、それこそ、楽しませていただきましたー、みたいなものではなく、ひたむきに、必死に頑張ってらっしゃる姿を見せていただいた、という印象が強い初日でした。
プロとして、アイドルとして、も勿論ですが、なんというか、人として。
物凄く頑張っている人を見た、という感じ。
勿論、MCやオーケストラさんとの共演の音の美しさ等、楽しませていただく面も沢山あったんですけどね!

そして、今後のキンキさんが、どうかあらゆるものをお二人で乗り越えていけますように、とも心底思いました。
剛さんの耳にしても、今はまだ完全に聴こえていた頃の感覚が結構残ってらっしゃるでしょうが、今後、剛さんの感覚がどう変わっていくのか、どんな影響が出てくるのかは、誰にも分からないんですよね。

凄く不安だろうな、と思います。剛さんも、多分、光一さんも。
手探りでやっていくしかない難しさやもどかしさは、きっと沢山ある。

そんな中でも、剛さんは音楽を諦めるつもりはない、とおっしゃっていて、光一さんも、今回、こういう形のコンサートを剛さんと一緒にやることで、キンキの活動を途切れさせなかった。
それはやっぱり、お二人が未来を望んでらっしゃるからなんだよな、としみじみと感じました。

きっと今後も試行錯誤の連続でしょうし、その道のりを思うだけでも、やっぱりどうしても辛くなる。
でも、キンキさんがキンキさんらしく進んでくださったら良いな、と思います。
今後のことは全く分からないけれど。

とにかく今は、この冬をお二人で乗り越えようとしてらっしゃる、その姿を応援したいです。
今回の冬に関しては、精神的にというか、もう物理的に乗り越える、といった感じの気持ちになりますね。
お二人がなるべく負担なく、今後も歩んでいかれますように。

全然書きたいことがまとまらなくて、しっちゃかめっちゃかな、あっちこっちに行く文章になってしまってすみません!
書きながら、一週間経ってもやっぱり動揺してるし、凄い物を見せていただいたなと思ってるな、自分、って再確認しました(笑)

あ、そうそう、衣装の話を忘れてましたが、あれ三つ目の衣装かな、剛さんの首回りというか、上半身が凄く優雅なことになっている衣装があって、目を奪われました(笑)
あと、光一さんソロの衣装がちょっと新鮮でした。コンサート衣装にしては、普通のお洋服っぽい印象を受けたような。
全体的にお二人共、綺麗でお洒落だなあ、と感じました。

衣装も含めて、今から、映像で見るのが楽しみです!