Grateful Rebirth

毎日暑いですね。
もう8月なんだな、と思うと、あっという間に秋になり、すぐに冬が来るなこれは、と怖いです(笑)

今日で久しぶりの連休が終わり、明日からまた、違う課での研修が一か月間、始まるので、ちょっと緊張しています。
上手くいきますように。
とりあえず、なるべく落ち着いて、出来ることを確実にやっていきたいです。

連休中は、祖父が入院することになって病院に送ったり、買い物に行かないといけなくなったり、予定外のことはありましたが、とりあえず最終日の今日までに書きたいことがいくつか書けたので、あげていこうと思います!

そうそう、キンキさんの公演、福岡二公演を申し込んだので、当たってくれますように、と願いつつ、結果を待ちたいと思います。
ツアーかあ。
確か、ファンになって初めてなので、こうやって福岡公演の申し込みをして結果を待つ、という行為すら、ちょっと新鮮で嬉しいです。

ということで、まずは剛さんのミニアルバムの感想です!

Grateful Rebirth。
感謝の念を込めた再生。あるいは、生まれ変わり。
まず、この「生まれ変わり」という概念が強烈に剛さんらしいな、と感じました。

剛さんは、少しずつ変わっていく、とか、進化していく、という面も勿論あるんでしょうけど、それこそ雑誌のインタビューでもおっしゃってましたが、自分をアップデートしたい、という方だというイメージがあって。

変化させる、くらいのニュアンスではなく、新しいものに「書き換える」。
あるいは、完全に「生まれ変わる」。
それには、大きなエネルギーがいるし、下手したら全く別のものになってしまう、という怖さもあるけれど、その怖さすらも超えて、ある種の暴力性すら含まれそうなくらいの大きな変化を、自分自身に求めている面があるような。

変化を怖がらないタイプの方なんだろうな、と思います。
そうじゃないと、ああはなれないよなあ。
実際、今までも、名義を変え、コンセプトを変え、確かに、剛さんは常に、御自分をアップデートさせたい、という想いを持って、かつ、実際にそうされてこられているように思います。

ここまでの剛さんの活動は、言われてみれば、何度も生まれ変わろうと、あるいは、生まれなおそうとしたようにも、見ようと思えば見えるような。

それから、「音楽と人」のインタビューをざっと読んで、剛さんは本当に、常に前に歩んでいこうとされるし、実際、そうなってらっしゃるのが凄いな、と改めて思いつつ、「ここでこうしたら泣かせることが出来る」的なテクニックは嫌、みたいなお話しもされていて、そういうところが本当に好きです、って思いました。

つい最近、たまたま少し見たフラメンコの番組で、フラメンコの有名な舞踏家の女性が、弟子の男性に対して、
「観客に媚びを売らない。ましてやウケを狙うなんて、客を馬鹿にした行為だ。」とか、
「価値のある物を作り、それを提供するのが真の舞踏家の義務。」と教えていた、と紹介されていたんですね。

まさにそうだよな、と思ったのと同時に、剛さんはこの路線を行ってくださっているように思っているので、私はやっぱり、この路線の芸能、あるいは、それを行う人が好きなんだなあ、と思いました。

御客様に満足していただく、みたいなノリが、そんなに好きじゃないんですよね。
接客業じゃない、芸能のお仕事の方々には、御客様の満足云々、ということを意識しすぎることを、そんなに求めていなくて。
剛さんは、そういう種類のサービス精神、あるいは、それこそ泣かせよう、といったような媚びを厭うイメージがあって、そこが真摯にやっている人らしくて好きだな、と思います。

ということで、前置きが長くなりすぎましたが、感想です!

○Believe in intuition
直感を信じろ。まさに剛さん。
自分自身、頭で色々考えても、結局のところ、直感や好悪でしか動けないので、諦めと共に共感します。

そうそう、話が色々と飛んじゃうんですけど、最近は特に、誰かを、あるいは何かを批判したり、否定したりする人の主張を聞いたり読んだりする機会があると、煮詰めればただ単に嫌い、あるいは気に入らない、というだけの感情に後から理論づけしている、っていう場合が意外と多いよな、と思います。

せめて、「自分の好悪の問題を、屁理屈をつけることで正当化していないか」という自己点検をしないといけないな、と、そういう意見に触れるとしみじみと感じます。

曲の話に戻って、一曲目に相応しく、軽やかさと楽しさのある曲調だな、と思います。
ちょっとお祭り感もあって、気分を乗せてくれるし、スッと入らせてくれる。
それでいて、ちょっと機械的で。
剛さんの声が割と前に出るようにされているような気がして、「あ、こっちに来てくださるのかな」ってちょっと嬉しかったです。
ここ数年は、音の中に剛さんの声を置くようなアルバムが多かったような気がしていたのですが、今回は違って。

私は剛さんの歌声が好きなので、剛さんの声が前に出ているように聴こえるだけで、無条件にテンションが上がりました。
音に埋まる声質なら、いっそ埋めてしまえ、というのもアリだと思うんですけど、それをするには、剛さんの声質が良すぎて、勿体無いような気がしてしまっていたので。
雑誌でもそれっぽいことをおっしゃっていたので、今後がますます楽しみです。

○T&U
Mステで見たときから好きでしたが、グダグダ考えるな、感じろ!と言われているような歌詞だな、って思います。

心は眼、眼は心、と心と眼をイコールで考える、というのがまず面白い。
眼で見たら頭を通さず心で直に感じろ、ということなのか、心で感じる=よく見る、ということなのか。

心眼から来ているのかな、と思うんですけど、どうなんだろうなあ。
心の眼で目には見えない真実を見抜け、つまりは、単に現実の物を見るのではなく、直感、感覚で真実を捉えろ、ってことなのかな。一曲目からしても。

それから、「生きながら死んで 死にながら生きていよう」というこの、生死すらもぐちゃぐちゃで、敷居の無い物にしてしまう感覚。この感覚から瞑想に繋がる、って綺麗な流れだな、と思います。

音にならない音、美にならない美。これも多分、形にはならない物を感覚できちんと捉えろ、っていうことなのかな、と思ったり。

こう書いていると、一曲目から二曲目は、歌詞的にも綺麗に流れているように感じます。

そして、こういう歌詞が遊び心満載の曲調に乗っている面白さ。
剛さんらしいな、と思います。
このふり幅の大きさ。
ごちゃ混ぜでありながら、剛さんという存在を通して、きちんと成立する曲。

○Paint it,fill it with love
前奏から好きです。ちょっと抑えた感じもあってかっこいい。
遊び心満載な二曲目から、グッと締める色もあって、また世界が切り替わる。

この曲は歌詞の音への当て方が凄く好きで、これをここまでキッチリ当てられる剛さんのリズム感ときたら、と改めて驚きます。
さらりと歌ってらっしゃるからこそ、剛さんの抜群のリズム感が出ていて。
実際、剛さんや剛さんの周りの方々は、剛さんのリズム感をどう把握してらっしゃるんだろうなあ、とぼんやり思います。
特に、剛さん御本人は、かなりの強みだと認識してらっしゃるのか、それとも、当たり前にそうだから、強みだとは思ってらっしゃらないのか。

それから、歌い方も、今までとはまた違う色気があるようで、新鮮でした。剛さんの歌声が男性にしては高いからだと思うんですけど、どこか女性的な息の抜き方に聴こえて、ちょっとドキッとする箇所が何カ所かあります。
なんだろうなあ、無理が無くて、気負いがあまり無いからこそ、ふと零れる色っぽさ、というか。

この、高めで柔らかい声と歌い方で、「愛で塗りつぶせ」という、ちょっと暴力的なくらいストレートな歌詞を歌うあたりがまた、男性的で、ちょっと倒錯的な色気を勝手に感じて、凄く好きです。

剛さんは、中性的、という曖昧な感じと言うよりは、男性っぽさと女性っぽさ、両方を強く持っている、というイメージなので、一人なのに倒錯的な色を出せる、という意味でも、引力が強いよなあ、と思います。

○ある世界
三曲目で世界を切り替えて、四曲目にこれが来るのがまた良い。
聴いていて、なんの無理も無くて。

この曲、本当に好きです。剛さんの歌い方がまた、凄く良いんですよね。
どこか儚く感じるくらいの無防備さが滲んでいるような気がして。
だからこそ、そっと、ひっそりと語り掛けるような歌い方になっていて、聴いていると泣きそうになるくらい胸に来る。

剛さんのこの、自分に、そして他者に無垢を求め続ける精神が好きだ、と思います。
あの業界にいれば特に、とうに諦めてしまっていておかしくないのに、未だに、剛さんは、生きていれば汚れてしまう、ということを、仕方ない、と受け入れてしまわない。

それは、どこか歪だし、無理なことを求め続けずにはいられない精神がもはや痛々しいくらいでもあるのに、剛さんがあまりに一心に無垢を求めてらっしゃるから、まるで信心深い神父さんが祈る姿を見たときのような、ハッとするくらいの美しさも感じる。

剛さんにとってはきっと、無垢を忘れないことは、出来ないことではないんですよね。
それが、危ういとも感じるし、美しいとも感じます。

そして、剛さんはずっと、自分の内面から目をそらさずに、きちんと向き合って、自分の内面を覗き込もうとしてきたんだな、とこの曲を聞いて改めて感じました。
だからこそ、今更、と言っても良いくらいの
「だけれども本当の自由って心にある世界だね」という言葉が、
あんなにも実感を込めて歌われるようになる。

剛さんはきっと、自由を求めたり、自分は自由だ、と思ったり、いや、やっぱりまだ自由じゃない、と思ったりしながらここまで進んできて、今、自由とは自分の心にある世界なのか、と思ってらっしゃる。
それが、歌声から、こんな風に伝わってくる。伝えることが出来る。

剛さんのこういうところが信じがたいくらいに純粋で、まさに胸を掴まれる、という感覚になります。
こういう人がいるのか、という驚きが、剛さんの作品には常にあるような気がして。

それから、「crystalに陽を招き虹が煌めくように」という歌詞も、凄く綺麗な心で出来ているようで、とっても好きです。
陽をあてるんじゃなくて、陽を招き入れる、という感覚のあたたかさ。
「煌めく」という言葉を、虹に対して使う感覚の繊細さ。
陽の光を受けて、クリスタルの中に煌めく、きらきら光る虹。という絵の、純粋な美しさ。

剛さんのこういう一面にはやっぱり、咄嗟に、この人は大事にされてほしい、という気持ちになります。
このフレーズは、音の流れも凄く美しいんですよね。
ああ、剛さんはこういう人なんだな、って思わされる曲だな、と感じます。

○偉魂
この曲でまた雰囲気を変えてくるあたりが、絶妙で好きです。
これに関しては、地下足袋エアソウルから始まった経緯を見せてもらっているぶん、余計に楽しい、という面がありますよね(笑)
あれを、こんなにかっこいい歌詞に繋げられる剛さん何者、って衝撃的でした(笑)

偉魂、という響きも凄いし、それを呷るものだとしている感覚も凄い。酒や毒、そういった刺激物と同じような物であって、ある種、自我の旅へ向けて、自らを高揚させる物。

それから、語詞と五指、鬱打つ、といった言葉の選び方がまた、剛さんは相変わらずセンスがある、と思います。
単なる言葉遊び、といった以上に、きちんと曲の世界を形作っていて。

それと、世間からの自由のようなものを歌ってあるからこそ、剛さんの歌声が以前より前に出てきているのが映えていて良いな、と思います。主張するには、こちらのほうが似つかわしい気がして。

この曲は改めて、剛さんの歌詞の書き方、言葉の選び方のセンスを強く感じて、凄く好きです。
曲もかっこよくて、お洒落で、楽しくて。
サビも良いんですけど、サビ以外の歌い方と音の流れが好きなんですよねー。
なんかこう、ワクワクさせられるというか、メリハリがきいていて。

○Break a born funk

この曲も、元のエピソードからここまでの歌詞を持ってくることが出来る剛さん何者、ってもはや愉快すぎる、と思いました(笑)

「破壊は誕生」という歌詞には、それこそ、壊して再生する、生まれ変わる、というタイトルにも繋がっているようで。
そして、君を「腑に突き落とす」という表現が斬新で好きです。
これは、不意を突かれました。
腑に落ちる、という言葉が自分に染みついているぶん、予想外だったんですよねー。
腑に突き落とす、という能動的かつ、「突き落とす」という強さがかっこよくて。

「躊躇ごと折る」「不器用に」等、改めて、剛さんはさらりと綺麗にいかない、そういう御自分の性質をよくよく理解してらっしゃる、というか、理解するしかなかったんだろうなあ、と思います。
躊躇する自分、臆病になる自分、そういった自分をしっかり自覚して、認めて、そこから、躊躇や臆病を乗り越えようとする。そういう剛さんだからこそ、魅力的なんだろうな、と思います。

躊躇したり、臆病になること自体を受け入れない強さや、自覚せずにやりすごせる器用さも、それはそれでかっこいいんですけど、剛さんの場合は、こういった御本人の性質が、歌声や曲に上手く良い作用を及ぼしているようで。

歌い方も、音源だから、というのも勿論あるんでしょうけど、凄く落ち着いていて、ひたすら、「上手いな・・・」と素朴に思わされます(笑)
意外とスローテンポなのもあって、やたら歌のお上手さが目立っているような(笑)

○Be grateful

ラストに相応しい、ゆったりとした穏やかな曲ですよね。
剛さんの歌声がよく生かされていて。
最後に、「Grataeful」で締めるのも、ミニアルバム名からして、形として美しい。
こういったシンプルな曲が、ここまでしっくりと馴染み、歌いこなすようになられているのがまた、剛さんのこれからの曲や歌声が楽しみだ、と心から思えて嬉しいです。
ゆっくりと流れる水の中で聴くような気持ちにもなって。
最後の曲に、こういうリラックスして聴ける曲があると、なんだかホッとします。

それから、剛さんの女性詞は、「君」と「私」ではなく、「あなた」と「あたし」の場合が多いような、とふと思いました。女性歌手の方が歌詞を書くとき、相手を「君」と呼び、自分を「私」と呼ぶことが結構あるような気がするんですけど、剛さんの場合は、「愛のかたまり」「恋涙」「銀色暗号」もそうですし、ソロ曲でも、ほとんどが「あなた」と「あたし」であるような気がします。

「あなた」と「あたし」という対は、より私的で、あどけなさがあり、丁寧な距離もある。
それも歌詞の世界観を作るのに一役買ってるんだろうなあ、と思います。
例えば、「愛のかたまり」の女の子が「私」であったら、あの揺らぎは出なかったような気がするし、内面を吐露するような柔らかさや切なさも出なかった気がして。

逆に、そういった表情を出したい曲の時に女性詞が使われる、という面もあるのかな。

ということで、今回のミニアルバムも、とっっても好きです!
そうそう、最後になってしまいましたが、歌詞の写真がまた、凄くセンスがあって、綺麗で、可愛らしくて、流石剛さん、お洒落さんだなあ、と、こちらもとっても好きでした!

剛さんの音楽が好きだ、と思えることは、ファンとして本当にありがたくて嬉しいことだな、としみじみと感じます。
今後を楽しみにできることも。
剛さんの歌声が、相変わらず凄く品のある色気があって、かつ、その色気が更に上品なものになってきている気がして、剛さんの今後の歌声の変化についても、今からとっても楽しみです。

久しぶりに言葉を探し探し、好きな理由を書いていくのも、とっても楽しかったです。
上手く文章のリズムを思い出せなかったので、凄く読みにくい物になってしまったと思うのですが、もしここまで読んでくださった方がいらしたら、ありがとうございました!
だいぶ遅くなってしまいましたが、感想を書けて良かったです!