SONGS

これは本当に、運良く見ることが出来て良かったです。
というか、最近、運に頼り過ぎてて!もっとこまめに色々と確認します!
この放送の日も、結構、バタバタしていて、新聞もろくに読めず、部活が終わって帰ってきてテレビをつけたら、キンキさん!?ってなって。
何の番組だ、と思ったら、松本さんの特集だったんですね。

次の日の朝もバイトだったこともあって、番組自体は、キンキさんのところのみ見た形になってしまったのですが、そこだけでも、物凄く見応えがありました。

松本さん、45周年なんですね。
おめでとうございます。
キンキさんの曲も勿論そうですけど、薬師丸ひろ子さんのWomanとか、中森明菜さんの二人静とか、ロマンチックで美しくて、大好きです。

キンキさんに関して、硝子の少年の話題のところからになってしまったんですけど、あの曲が、松本さん作詞の最大のヒット曲なんですね。

そして、18歳の少年二人に「硝子の少年」という題名の曲を歌わせる、っていう直球さがまた、時代の大らかな豊かさみたいなものも感じられるような気がします。
とりあえず、モノクロの、デビュー当時のお二人の写真が、あまりにも正しく、美しい少年像を体現しすぎていて、改めて驚きました。
キンキさんは本当に、少年性を売る、という意味で、アイドルとして理想的すぎるくらい理想的なお二人だったんだろうなあ。
上の世代のグループがほとんど、若いうちに解散されてることを考えると、キンキさんデビュー当時くらいはまさに、アイドル=少年性売り、という感じだったのかな、と想像するんですが、どうだったんですかねー。

とりあえず、写真一枚だけで、系統が被っていない二人であることが伝わってきて、かつ、お二人共が、少年らしい尖り方や繊細な傷つき方をしそう、と思わせるだけの容姿が整っている、って凄い。
もし、事務所さんが戦略的に、かなりの吟味を重ねて、対照的でドラマチックに見える、売れそうな二人を選んだんです、と言われても、「これは戦略の勝利ですね、間違いなく渾身の選出でしょう...!」って心底納得しそうなくらいの組み合わせで(笑)
これが、ジャニーさんの勘、しかも、まだ12歳とかでしたっけ、それくらいの幼い頃のお二人を見ての、ってことになると、もうジャニーさん凄すぎる、って思いますよねー。

歌。ああ、こうやって歌い続けられる曲なんだな、ってしみじみと感じられて、良かったです。
少年の時期を過ぎたお二人だからこその良さが凄くあるし、それは多分、今後、お二人が年齢を重ねるごとに、違った色が加わっていって、もっともっと良くなっていくんじゃないかな、って感じました。今のお二人の年齢で歌われると、違う青さの表現になっているようで、良かったです。お二人の声には、未だに、少年性があるように聴こえるので、それもまた面白くて。

通して聞くと、改めて、傷つきやすいけど、聡明さと気の強さ、芯の強さもある少年の姿が描かれているようで、キンキさんに合った歌詞だなあ、少年性が詰め込まれた良い曲だ、としみじみと感じました。しかも、お二人共、話せば、また雰囲気の違う関西弁の男の子達なんだもんなあ。そりゃあ、魅力的ですよね!

そうそう、間奏の振付けが好きだな、って思いました。剛さんの相変わらずの音への嵌め方の正確さが楽しくて。
そして、光一さんはここ数年、一つ一つの動きを切れ目なく繋げる色がより強くなられたよなあ、って、コンサートのDVDを見ても思っていたんですが、この曲を見て、改めて思いました。

ボクの背中には羽根がある」これは本当に、キンキさんらしい、儚いような美しさと芯の強さが共存した、綺麗な曲ですよね。
大好きです。『今、「幸福」に触ったみたい』という、切ないくらいの繊細な幸福感。
幸せを掴んだようだ、ではなく、幸福(しあわせ)に触ったみたい、とされる松本さんの感性の素晴らしさ。

この曲を、「キンキの根底にあるものってこれだよね」とおっしゃる光一さんにも、グッと来ました。
この曲をそういう風に捉えられる、という辺りに、光一さんがキンキさんに対して持ってらっしゃるロマンがにじみ出ている気がして。
この曲は、二人組ならではの曲でもあるようにも思います。しかも、幼い頃からやってきたお二人が、20歳すぎかな、くらいで出された、っていうのがまた、とっても良くて。曲と、アイドルさん自身の状況が上手く噛み合った、そういう意味でも素晴らしい作品だな、と思います。

松本さんからキンキさんへの手紙。
この言葉の選ばれ方も、美しくて、ロマンチックでもあって。
点線のような人間関係。キンキさんは、本当に、そんな感じに見えますよねー。
友達、仲間、家族、どれも当てはまるようで、どれとも、どこかがズレるような。
ベッタリ、ノッペリとした関係性でもなさそうだし。

大瀧さん、もう亡くなって2年も経つんですね。
亡くなって2年が経った今、この時に、松本さんが、「相手が生きていようと死んでいようと」っておっしゃるんだもんなあ。
お互いの生死は関係無いんだという実感が、強くおありなんだな、って胸に来ました。
相手が生きていようと死んでいようと何も変わらない点線。それが「ずっと続いていく」とかっていう、未来への言い方ではなく、「それはもう永久に続く」という、事実を述べる断定の言葉で表現される思い入れの強さ。

そんな、思い入れのある方との感覚を、キンキさんに重ねて、キンキさんもそうなるのでは、と思われる松本さん。
ここは本当に、キンキさんのある種の特色を改めて感じました。
拓郎さんの「危険な関係」にも感じましたが、割と、年上の、ロマンチストである男性の方から、関係性のロマンを感じられることが多いような気がするんですよねー、キンキさんは。
ファンの女性達からだけでなく、男性にも、独特の関係性、乾いているんだか、湿っているんだか、という雰囲気に、ロマンを感じられることが多いような気がします。
キンキさんは二人、という人間関係の最少人数な上に、性格も全然違うし、お二人共割とハッキリしてらっしゃるし、大事に思いながら、それだけでも無い雰囲気もあるし、そりゃあ、確かに、特に、作品を作る方々からしたら、興味をひかれるんだろうなあ、と思います。
もしも、キンキさんが、僕たち常に仲良いんでー、よく一緒に遊ぶしー、っていう路線のお二人だったら、関係性にしろ作品にしろ世界観にしろ、ここまで面白くは無いんだろうなあ、って思うんですよね(笑)
かなり素直で、ストレートで、それでいて警戒心や、ある種のひねくれ方も持っているお二人だからこその面白さがある。

そして、これも前からぼんやりと思っていて、今回、そういえば私はこういう印象を持ってるな、ってはっきり思ったんですけど、光一さんのほうが、二人組に対して持たれやすいロマンというか、そういう物に共感出来る感性を持ってらっしゃるように感じます。
特に、男性から持たれるロマンを理解できる感じ。光一さんのほうが、なんだかんだロマンチストでもあるイメージが強いのもあって。

対して、剛さんは、二人、ということが、比べられたり、仲が良いだとか不仲だとかっていう関係性についてあれこれ興味をひいたりすることは理解出来るけど、そこにロマンを感じる、という感性には、感覚的には、あまりピンと来られないようなイメージがあって。
二人でやることの意味だとか、二人だからこそ、ということにはかなり強い思い入れを持たれていても、周りの人が、キンキさんの関係性に対して抱く不思議な、微妙なニュアンスのロマンは、実のところ、あんまり伝わっていないような気がします。

そして、それがまた面白くもあるよなー、って思うんですよね。これが、お二人共がそういうロマンに共感出来て、かつ、器用なタイプだったりしたら、キンキさんはここまで見ていて面白い関係性にはなられなかったんじゃないかな、っていう気がして。

そして、相反する複雑な美しさ。まさに、キンキさんですよねー。剛さんにも、光一さんにも、キンキさんにも、相反する複雑な美しさがある。
脆さと強さ、素直さと強情さ、優しさと冷たさ。勿論、どんな人にも、相反する部分はあるんでしょうけど、キンキさんの場合は、その複雑さが、それなりに目に見えやすくて、かつ、美しく見える、っていうのが凄いな、と思います。

それと、「歌い継いでください」に、やっぱりそうですよね、って思いました。
キンキさんのファンになりたての頃、「硝子の少年」を改めて聴いたとき、ああ、キンキさんは、そういう意味でも、ある種の夢が託されてるんじゃないかな、って思ったんですよねー。若い、しかもかなり人気のアイドルさんに、ああいう曲を託す意味、というか。

そして、あれだけ良い曲がアイドルさんであるキンキさんに託され続けた、というのは、ある意味、記録として残ることを託され続けた、そして、アイドルさんが必ずしも短命ではなくなった今、歌い継ぐことを託され続けた、そういう存在になっているような気がして。勝手な感想なんですけど。

手紙の後、「すげえな」って笑顔でおっしゃる光一さんが、一瞬、剛さんのほうを向かれておっしゃったり、相反するものを「ぼくらも」感じながら歌ってきた、っておっしゃるのが、キンキさんらしいなあ、ってほのぼのとしました。
剛さんの「松本先生の言葉にまみれたい」っていう言葉の選び方も好きで。
キンキさんと松本さんの言葉の相性の良さは今も変わらないと思うので、また松本さんの歌詞を歌うキンキさんの曲も聴きたいなと思います。

歌。「ボクの背中には羽根がある」やっぱり、キンキさんが歌うからこその重さと繊細さがあって良いな、と思いました。この曲に関しては、テゴマスさんと一緒に歌われたときの衝撃が忘れられません。キンキさんが歌いだした瞬間に、場の重力が急に変わったのか、っていうくらい、幸福感に重みが加わるあの感じ(笑)
あの時に、ああ、私はキンキさんとキンキさんの歌声に惹かれてやまないな、って再確認しました(笑)

こう、ずっと大好きな君と生きていくんだよね、幸せだねー!みたいな幸福感から、急に、僕と君は共に、嬉しい事だけじゃなく、辛い事、苦しい事も背負って、これから先、ずっと一緒に生きていくんだね・・・。不安がらなくて大丈夫、ボクの背中には羽根があるから、きっと幸せに生きていけるよ・・・みたいな、一蓮托生と紙一重に変わったように聴こえて。私には、なんですけど!

ふと今更思ったんですけど、僕らの背中には羽根がある、じゃなくて、羽根があるのは僕の背中にだけなんですねー、この曲。
君を抱いて空も飛べる、ってことは、僕にとっての君は、ある種、抱きかかえてあげる対象でもあるんだなあ。
「うりふたつ」なのに、一緒にそれぞれの羽根で飛ぶことは出来ない。それでも、あるいはだからこそ、僕は、君と過ごして、今、幸福に触ったみたい、と感じる。そう考えると、羽根がある自分とは違う相手と一緒に生きようとする切なさがあるようにも聴こえるような。
でも、二人共に羽根があるわけではないけれど、どんな辛い未来が来ても、二人だったら乗り切れるんですよね。
そこら辺にも、この歌に切ないくらいの想いの強さを感じるのかもしれないです。
上手く言えないんですけど。

スワンソング、こう聴くと、「硝子の少年」の流れを汲んでいるように感じますね。心の揺れ方だとか、情景の描き方だとか。
こういう、どこか日常的でない、ロマンチックな歌詞をここまで歌いこなせるキンキさんは凄いな、としみじみと思います。
お二人の持つ雰囲気と歌声の切なさが、ちょっとした力技的な感じで(笑)、歌の世界を成立させているようで。

とっても興味深くて、キンキさんの曲も3曲も聴けて、凄く嬉しかったです。
ありがとうございます、NHKさん!!
松本さん、今後もお身体にお気を付けて、沢山、活動されてください。
45周年、おめでとうございます!