こんなに嬉しいことは無い

一昨日は、本当に本当に嬉しい日になりました。
久しぶりに、耐えきれず泣きました。

去年、最後に組んでいた、1つ下の後輩の女の子が、一昨日の武道館の試合で、予選を通過して、本選に出場した、っていう連絡を貰って。
もう本当に、ほんとうに、こんなに嬉しいことは無いです。

本当に、よく頑張った。良く頑張った、って、一昨日からもう、それしか言えないくらいの勢いで、今、こうやって書いていても、ちょっと涙が出てきます。

年に一度の武道館での大会は、強い関東、関西勢の大学も多いし、そもそも、組数がかなり多いのもあって、予選だけでも、結構な時間がかかるし、本選出場も大変な大会なんですよね。

そして、去年のこの試合は、今年とは大会の日程が違ったので、私が、現役最後に出た大会でもありました。
あの時は、あと二点、という点数で、本選には行けなかったんですよね。
私としては、九州での大会より良い点数を貰えて、何より、先輩後輩で組んだのに、他の、三年同士で組んでいるようなペアにも負けないような点数を貰えたことに、「ああ、この子は本当に良く頑張ってくれたなあ」って、そればっかりだったんですけど、彼女は、私ともう一度、本選でやりたい、というか、多分、私に、もう一度やらせてあげたい、って凄く強く思っていてくれたらしくて。

その気持ちだけで、凄く嬉しかったのを覚えています。

彼女は、分かりやすいタイプの人では無くて、凄く綺麗で、プライドもきちんと高くて(笑)、身体を使う事には実はちょっと不器用だから、色々と努力していて、でも、陸上部で鍛えた体力は凄くあって、根性もある子なんですね。
人の好き嫌いも結構ハッキリしていて、名前+様で呼ばれることもあるくらい、負けん気の強い素敵な子なんですけど(笑)、基本はクールなタイプで。

そんな子が、私ともう一度やりたい、と思って頑張ってくれたり、九州の大会の後も、凄くへこんで泣いてくれたりする、っていうのが、良い結果をあげられなかった申し訳なさとはまた別のところで、もう、ほんっとに可愛くて、嬉しくて。まあ、そういうことが無くても、一緒に沢山練習するだけでも、どんどん可愛くなって、同期にも呆れられるくらい、愛情を注いでたし、今も注いでいるんですけど(笑)

そうそう、去年の武道館の試合後は、私は仕切らないといけない立場で、かつ、写真で思い出を残そう、みたいな発想が無いタイプだったのもあって、割と早めにスーツに着替えちゃったんですけど、彼女は、女の子らしく、写真を重視するタイプだったんですね。
それで、同期だけでなく、私と二人でも、道着姿で写真を撮りたかった、ってちょっとしょんぼりしてたのも、うわあ、そっかそっか、ごめん!と思いつつ、とてもとてもとても可愛かったです(笑)
帰ってきてから、引退式の後、道場で道着で二人で写真を撮ったのも、嬉しかったなあ。

そんな事を、沢山思い出しました。
あの時、二人で張り出された結果を見に行って、ああ、あと二点だったか、って色々と思いながらも、この子の前で、今後、負担になるような、悔しいとか、残念だとか、そういう感情は絶対、一切、出さないようにしよう、って咄嗟に思ったこととか、あの時の、あの子の表情とか。

その試合を、今年は彼女が、同期の子と組んで本選に行ってくれるなんて、もう本当に、こんなに幸せなことは無いな、と思います。
今回は、うちの大学からは、その組のみだったそうなんですよねー。
あと数組は可能性があるんじゃないか、という感じだったので、他の後輩の事を考えると、落ち込んでるだろうな、って辛い気持ちにもなります。
大会はいつも複雑な気持ちです。

特に、去年、後輩と組んだ人間はそうなんですよねー。他の後輩の子と組んでた同期は、咄嗟にやっぱり、組んでた子のことを思って、その子に関して反応してしまったそうだし。去年、後輩と組んだ人間は、今年の大会結果にも、他の同期よりずっと、一喜一憂しているように思います。

それでも、私は、やっぱりまず嬉しい。
これはもう完全に認めてるし、公言してるんですけど、どの後輩も大事に思うし、助けを求められれば出来るだけのことはしているつもりですが、どうしたって、組んだ子はもう、ずば抜けて可愛いし、思い入れがあるし、気持ちの上での贔屓をする気満々なんですよね。組んだ経緯も、かなり複雑だったし、本当によく頑張ってくれたし。

私たちは、割と似たタイプで、先輩後輩で組むのが、最初は、お互いにそんなに向いていなかった気がするし、最後の壁が取っ払われるのが、かなり難しい者同士だったと思うんですよね。それを、一緒に何度も、痛い思いをして練習して、話をして、頑張って、試合後にも二人だけで話をして、そういうことで、やっと作り上げた関係があって。
そういう時間を過ごすと、他の子達と同じには、私にはどうしたって思えない、と、同期にも宣言して(笑)
まあ、同期には、師弟関係みたいなものだもんね、とか、姉妹みたいなものだもんね、とかって言ってもらえてるので、もうこのままでいいや、と思ってるんですけど。

だからと言って、プライベートで遊んだりとか、馴れ馴れしい態度を取られたりだとか、っていうことは無いし、先輩後輩として、お互いに節度のあるというか、きっちりした関係性が続いているので、そういう、心地良いと思う距離感も、多分、似ているんだろうなあと思います。
それがまた、ありがたかったし。
でも、今度は久しぶりに、予定があえば、お祝いに、その子と、その子が今組んでる子を、ご飯に連れて行けたら良いな、と思います。

本当に、後輩が頑張ってくれることが嬉しい、って、こんな感情だったのか、って驚きました。
こんなに嬉しいものなのか、って。
別に、特にこの試合に関しては、思いを託して、とか全然無かったし、悔しさを晴らしてもらった、とかいう感情も全く無いんですけど、でも、そういうのとは違う、「ああ、あの子が頑張ったんだな」っていう、それだけの喜びがある。
ああ、あの子が、本選のコートに立ったのか、っていうそれだけで、そのこと自体が、本当に、泣くくらい嬉しい。
動画を見せてもらえるのが楽しみです。

自分の目で見たかったとも思いますが、こればかりはどうしようもないですからね!(笑)
でも、今度のあの子達の引退試合になる九州の大会で、もし目の前で入賞でもされたら、本当に、立てないレベルで泣きそうな気がして怖いです。
この調子だと、勝とうが負けようが泣きそう。
なんだかんだ、他人の為に泣くことなんてほとんど無いのになあ。
涙もろいタイプでも無いはずなんですけど、それだけ、去年の後半は色々あったし、お互いの気持ちもかなり強い、というのが分かっていたんだろうなあ、と思います。
彼女は、今まで、入賞をしたことは無いんですよね。
だからこそ、私と組んだとき、階級的には、私の階級で出場しないといけないから、厳しいのは分かりつつ、それでも、この子を入賞させたい、って、本当は、死ぬほど強く思っていたんですよね。
手ごたえも、結構あったし、実際、大会も、点数差があってないような物だったし。それでも、賞をとらせてあげられなかったことが、未だに、ふいにグッと辛くなるくらい、とらせてあげたかった。喜ばせてあげたかったし、喜ぶ顔が見たかった。そして、賞をとった、という自信をつけて幹部に、しかも彼女は部を締める役職なので、その役職に就かせてあげたいと猛烈に思ってました。
でも、今回、入賞とはまた違うけど、彼女自身の力と努力で、目に見える形で、一つの結果を出してくれたことが、凄く誇らしくも感じて。
勝手に。引退試合まで、身体に気を付けて、怪我に気を付けて、頑張ってほしいです。
私も指導を頑張ります。

本当に、自分がこんな風に後輩を思えるなんて、去年の夏くらいまでは、全く思っていませんでした。
どの子も普通に可愛く、大事、というくらいだったのになあ。
幸せなことだな、と思います。
彼女にも、貰った御手紙の返事で書きましたけど、彼女のお蔭で、私は幸せな先輩になれたな、と心から思って感謝しています。

ということで、一昨日はもう本当に嬉しくて幸せでした!
ただひたすら良かった。本当におめでとう。