平安神宮公演(9月11日) 7 まとめ

最後に、お話等含めた、全体の感想になります。
平安神宮公演の感想、自分で思っていたよりもだいぶ長くなってしまいました。

いつも以上に独りよがり、かつ、率直な感想になってしまっている文章に、お星様や拍手やコメント、本当にありがとうございました!


まずは、最後のセッションについて。
ああ、これで締めるのかな、って途中で気が付いたので(笑)、名残惜しい気持ちがありつつ、とっても楽しみました。

やっぱり、生の音は良いですよね。皆さんそれぞれの個性の強さ、上手さ、茶目っ気や大胆さが伝わってくるようで、それも楽しかったです。
皆さん、音から骨太な気配が伝わってきた気がして、流石、剛さんとこうやって関わってらっしゃる方々・・・!って思いました(笑)

そして、今回、コーラスさんのお声も、凄く好きでした!
剛さんの曲は、コーラスさんの上手さや声量も凄く大事だと思うので、そういう意味でも、とっても楽しく、嬉しかったです。

それから、ダンサーさん達。残念ながらずっと目で追えていたわけではなかったんですけど、キレよく、雰囲気にもしっくり馴染んでらして、良かったです。この3公演だけのための振りであるのなら(多分、そうですよね?)、勿体無いくらいのクオリティの高さで。

そして、全体の演出として、照明やシャボン玉も、美しかったです。

私、実は、そんなに照明には拘りが無いんですよねー。
綺麗な、上手い照明の使い方をするところって、素人さんのステージであっても結構あるし、その時々で流行り廃りもあるように見えるし。

勿論、ステージに華を添える、という意味では、凄く効果的な物だと思いますし、単純に、上手いなあ、とか、今の使い方、テンションが上がるなあ、とか、綺麗だなあ、って思って楽しんではいるんですけどね!

ただ、それこそ、ライティングプランナーさんでしたかね、プロの方々の演出の仕方の違いが分かるか、とかってなると、それは出来ないんですよねー。でも、照明さんのタイミングの計りかたとか、あの業界の技術の進歩とかは、凄いなあ、って思います。
照明さんは、どんなに自分の趣味とは違うアーティストであっても、舞台であっても、集中力を切らさず、ここ、というタイミングを逃さないようにしないといけないんだろうなあ、って思うと、凄いな、プロだな!って感じます。
それこそ、生ものだから、リハーサルと変わる事もよくあるんだろうし。

全くあそこら辺に詳しくないので、全然、私がイメージしてるのとは違うのかもしれないですけど!(笑)

ということで、拘りが無いので、ここがこうで、とはあまり書けないんですけど、今回の公演も、照明がとても美しかったです。
野外は、照明が空へ伸びていって消えていくところまで目で追えるのが良いですね。
色もそれぞれ美しくて良かったです。音も光も美しい、という贅沢さ。平安神宮なのもあって、現代版の絵巻物を見ているような気持ちにもなりました。

それから、映像。
神宮に色々と映し出されているのも、ああ、これが噂のプロジェクションマッピング的なやつなのかな?って、面白かったです。私は、ああいうのにも疎いので、昔、壁に映画の映像を映せるようになった技術の規模が変わった版、かつ、対象に形を合わせられるもの、くらいにしか思えてないんですけど(笑)、平安神宮さんに映す、っていうのも、珍しいもの見たなあ、って、楽しみました。

建物好きとしては、建物はそれ自体でもう完成してるから、それに何かを更に付け加える必要は無いんじゃないか、と、あの技術を使ったイベントを見るたびに思っちゃうんですけど(笑)、今回みたいに、ライブ会場としての場で、よりその世界観を補完する為のもの、っていう意味では、なるほど、効果的だなあ、って思いました。
大きな、実際に建っている、神宮さんというキャンパスを使って、剛さんの世界観が大胆に映し出されることそれ自体が、剛さんらしく感じられました。神宮さんの形に合わせる感があまり無いように感じられたのが、個人的には、逆に見やすかったです。

それと、シャボン玉。シャボン玉は、夜の野外+照明+音、という状況だと、こんなに映える、美しいものなんだなあ、って驚きました。
飛び散っていくような様子も美しいし、気が付いたら消えている、というような儚さも美しい。光に染められながらゆったりと移動する様も、とっても綺麗でした。
「瞬き」を聴いた後のシャボン玉は、その儚さがより一層、美しく感じられて。
シャボン玉越しのステージの皆さんが、場のこともあって、凄く幻想的に感じられました。
歌声も極上の美しさで、あれ、ここはどこだったかな、実は黄泉の国一歩手前にいるのかな、私?みたいな感覚にも一瞬、なるくらいでした(笑)

空間全体として、照明もシャボン玉も映像も、剛さんの世界観を現実化しているようで、とても美しかったです。

それから、終わってガーッと書いたメモには、曲名が抜け落ちちゃってたんですけど、どこかの曲で、自由に走り回る音に取り囲まれるような、音響なのかな?あれも演出の一部だと言って良いような気がするんですけど、そういう時があって、凄く面白かったです。
四方のスピーカーから音をほんの少しずつずらして流した、のかな?それだけでは、あそこまでの取り囲まれる感(笑)は無いような気がするんですけど、とにかく、凄くテンションが上がりました。あれは特に、生の醍醐味だなあ、って感じて。

演出については、きっと色々と抜け落ちてると思うんですけど、上に書いたようなことが特に印象的でした。

そして、ライブ後、剛さんがメンバーさんの紹介をしてくださって、お話もしてくださったんですけど、それが凄く好きでした。
歌声だけで色々と持っていかれたのに、お話で駄目押しされる感じで(笑)

とにかく、全体を通して、ゆっくり、丁寧にお話される感じが、本当に、年上の方に申し訳ないんですけど、「なんっっって良い子なんだ・・・!」っていう感じで!もはや、「こんな心根の良い孫が欲しい!」みたいな、よく分からない気持ちになりました(笑)
特に作ってる感じが無いままお話されている様子が、ああ、心根の優しい子なんだなあああ!みたいな雰囲気で。

そして、何より、今回テーマにされた、「痛み」について、痛みはその人の立場にならないと理解出来ないものだから、痛みをテーマにして良いものか悩んだ、みたいなニュアンスの事をおっしゃっていて、それが一番、嬉しかったです。
嬉しかった、というと違うかもしれないんですけど、ああ、私は剛さんのこういう感覚が好きなんだよな、って改めて思いました。

痛みって、自分の痛みに囚われるのに精一杯になって、独りよがりになりがちだと思うんですけど、そこで、こうやって、自分は痛みが分かる、だから皆の痛みも分かるよ、みたいなことはおっしゃらず、テーマにするかどうか、というところで一度立ち止まってくださるその感覚が、私は、信用できるなー、って思うんですよね。
剛さん御自身の育ち方が特殊で、あまり他人と共有できないものだったからでもあるんじゃないかな、と思いもします。
これで、自分は痛みが分かるから、みたいな感覚の方だったら、私は剛さんにこんな風に魅力を感じないだろうな、って思います。

それから、痛みと向き合うことが未来へ繋がる、っておっしゃるのも、剛さんは似たようなニュアンスのことをずっとおっしゃってますけど、今回、自分が色々ごちゃごちゃしている時だからか、物凄く辛くて。それこそ、痛かったです。びっくりするくらい。
ライブ中も、というか、ライブ中こそ、そのニュアンスを強く感じて、うわあ、何これ、凄く辛い、痛い!!って思いもしたんですよね。
剛さんの歌声から辛さを感じてどうの、というのとは全くの別枠で、自分はこんな風に痛みと向き合うことが出来ないな、って強烈に感じて。

私は基本的に、やりすごしたいと思ってしまうんですよねー。最近は特にそうな気がします。
向き合うことで何かが良い方に変わる可能性が100%ではないのなら、蓋をしたまま、生きていきたい。
特に、変えられもしない過去の事は、考えても仕方ない、辛くなるだけだし、わざわざ思い出す必要も、考える必要もない、と思ってしまって。
でも、どこかで、それでは行き詰る、と分かってもいたんだな、って、今回、剛さんの歌声を聴いて、急に感じてびっくりしました。

ここ最近の苦しさは、自分の今までのこととか、現状とか、これからのこととかに散らばってる痛さ、辛さに向き合わないようにしていたことで、色々と溜まってのものだったんだなー、って。
どこかでは、一度、きちんと痛まないといけないんだな、って思いました。疎まずに。
じゃないと多分、今まで以上に、どうしようもなくて行き詰るな、って。

でも、それ辛いなー、本当にやだ、一人だし、やらなくても良いならやりたくない、こうやって「自分は今、痛いんだ」って気が付くだけでも、こんなに悶えそうなくらいきついのに、これをちゃんと思い出したり、いちいち自分の中から取り出したりしたらどうなるんだ、って思いながら聴いてもいて。
無理だつらい、やり過ごすことは出来るけど、向き合うのは辛い。でも、あらゆる意味で行き詰ってるのも間違いないんだよな、要は自分の問題と感情をきちんと把握出来てないから行き詰ってるんだもんな、って思って。

そしたら、剛さんが、「痛みと向き合うことが未来に繋がる」的なことをおっしゃるので、「うわあ、痛い、ですよねー!そうですよね、今、初めてそれを心底実感した気がする!」って思いましたし、何より、あんな風な歌声を聴かされると、ああ、剛さん御自身がそうしてらっしゃるからこそ言えることなんだな、って心から感じられて良かったです。

「それ凄く思うけど、でも凄く辛いんですよね」って思って、とっても辛かったけど、剛さんが実際にああやって歌う姿を見せてくださると、ああ、この人は、こうやって実際に、自分はどうしているか、どうするか、というのを見せてくださる、聴かせてくださるんだな、って、凄く慰められました。なんかこう、剛さんには全くそんな意図はないんでしょうけど、ああ、一人じゃないんだな、って思えたというか。この人も、こうやって頑張ってるんだな、みたいな、そんな素朴な気持ちになって。
実生活で、人との関わりや家族との生活の中で、自分は一人じゃないんだ、って思える瞬間って、私はほぼほぼ無いんですけど、あの時、剛さんの歌声を聴いて、その後にあのお話を聴いたら、なんでか、素朴に、ああ、私は一人じゃないんだ、みたいな気持ちになって、言葉は大きくなっちゃうんですけど、救われました。

剛さんの美しくて哀しいところは、今みたいに、素敵な、信頼できる人達に囲まれていても、大事に想いあえる御家族がいても、それと剛さんの痛さや辛さは、全く違う問題である、ように見えるところだな、って改めて思います。
というか、愛情があるからこその辛さ、というものにも敏感な方なんですよね、きっと。
だからこその美しさと切なさだし、優しさと哀しさだな、って思います。
しみじみ、剛さんの世界観というか、剛さんの目を通した世界、音楽は、独特の美しさがあるようで、それを作品を通して少し見せていただけるような感覚になれることは、凄く幸せだな、って思います。

そして、剛さんは、どんなに幸せな環境であっても、満月のような幸せを得ることは出来なさそうで、どこかが欠けた月を抱えていきそうに見えるからこそ、こんなに、幸せになってくださいね、って思うのかなあ、ってなんとなく感じました。剛さんの性質からすると、完全な幸せを手に入れることは出来なさそうだからこそ。

お話のことに戻ると、お客さんとに対する、剛さんの距離感も好きでした(笑)
親しみはありつつ、馴れ馴れしくなりすぎず、ほんのり気遣ってくださって、やんわりと御縁があったことを寿いでくださって。
ここにきて、最後に、ちょっと上品な感じも出してくるんだもんなー、ずるいよなー、って思うくらいでした(笑)
また、ちょいちょい可愛らしいし、笑わせてくださるしで。辛さがかなり中和されて、とってもありがたかったです(笑)

メンバーさんのご紹介も、本当に、慕ってらっしゃって、大事に思われてるんだなあ、っていうのが伝わってきました。
最後の合同参拝、こんなに揃うものなんだな!ってびっくりしていたら、剛さんも、「皆さん、なかなかの合わせ上手で驚きました」的なことをおっしゃっていて、合わせ上手、っていう言葉の選び方が可愛らしいな!って微笑ましかったです(笑)
そうそう、ライブの後の合同参拝って、凄く良いなあ、って感じました。ステージで魅せてくれた方々と、一緒に時間を楽しんで、感動して、ってしたお客さんが、一緒に最後に、それぞれの気持ちで祈る、って、ちょっとスッキリ出来るというか、良い気持ちで終われるなあ、って。

それから、参拝の為に後ろを向かなきゃいけないのを気にしてらっしゃいましたが、そこでふと、歌ってるときもそうだったんで、今更なんですけど、って気が付かれる感じも、「そうでしたね!」って微笑ましかったです(笑)

私、剛さんが、たまにお客さんに背を向けて歌われる感じ、好きなんですよねー!
なんだろう、剛さんだな、って思います。歌は訴え、っておっしゃるくらい、訴える、というニュアンスも含めて歌うのに、分かりやすく訴える相手として見ることが出来るであろう、目の前にいるお客さん達に背を向けて歌われる感じに、剛さんの複雑さと、歪さというか、難儀なところが出ている気がして。それから、まるで、今ここにいる人達だけではなくて、遠くの人達、遠くの世界、遠くのものに向けても歌おうとされているようにも感じて。

美しさ、切なさ、哀しさ、辛さ、そういうものだけではなくて、ふいに歪んでいたり、冷たかったり、という毒もあるのが、剛さんの魅力だよなあ、って凄く思うんですよね。綺麗なだけのものは、あらゆる意味で弱すぎる。そして、毒のないものは、良薬にはならない、ということを、剛さんを見ると思います。

ということで、改めて、剛さんが魅力の塊であることを思い知らされるライブになりました。
そうか、この人は、ずっと、自分とこういう戦い方をしてきたのか、って思ったり、歌声や音に揺さぶられたり、ちょっと怯むくらいの生々しさに驚いたり、お話のされ方に癒されたり(笑)

そして、思いがけず、自分のことに気が付かされたり、気持ちがだいぶ楽になったり。
またこちらにも書くと思いますが、色々とちゃんと考えたいなと思います。

それから、やっぱりこの人は、自分の時間やお金や気持ちを使ってファンをしても、後悔のしようがない人だな、ってしみじみと感じられたことも、嬉しかったです。ここ、意外と大事だと思うんですよね!(笑)

そうそう、あと、剛さんがあまりにも「良い子だ・・・!」という感じだったので、唐突に、光一さんありがとうございます!っていう気持ちになりました(笑)
もし、剛さんみたいなタイプの方が、光一さんの立場にいる方に裏切られたり、物凄く傷つけられたり、あるいは、光一さんが剛さんに引きずられたりするタイプの方だったら、絶対、今の年齢まで、剛さんはあんなに綺麗ではいられなかったっだろうなあ、と思って。
光一さんが、割とあっけらかんとした、健全なタイプの方で、かつ、剛さんを光一さんのやり方で大事にしてこられたからこそ、剛さんが今、ああなっておられる、っていうのは、もう間違いなくあるだろうなあ、と思うので、剛さんファンとして、光一さんありがとうございます、剛さんをあのままでいさせてくださって、っていう気持ちになりました。お互いにそういう部分があるんでしょうけどねー、二人組だと特に。

終演後に、御一緒させていただいた方とお話させていただいたのも、凄く楽しくて、とっても幸せでした。
この度は、本当にありがとうございました!

これからも、出来るだけ、剛さんの歌声を聴きに行きたいなあ、と思います。
ここまで読んでくださった方がいらしたら、長々とした感想にお付き合いくださって、ありがとうございました!