いのちのうた

緊張した・・・!とにかく緊張しました!私が!(笑)
「フラワー」のお二人の歌が良かったので、あ、良かった、こんな感じかあ、と思ったら、剛さんめっっっちゃ緊張してらっしゃる・・・!と手に汗握って。

「フラワー」、番組のコンセプトに基づいて聴くと、また違って聴こえて良かったです。「僕らは愛の花咲かそうよ」って、これに尽きるよな、と思います。私、この曲の歌詞、凄く好きなんですよねー。そして、この歌詞をアイドルさんが歌える時代って、やっぱり良い時代なんだと思います。

お二人共、緊張してらっしゃいましたねー。そりゃそうだよなあ。剛さんが特に、凄く緊張してらっしゃって、なんだかんだ大丈夫そうでしっかりしてらっしゃる光一さんとの対比がまた、キンキさんらしい。

そして、私はしみじみ、剛さんがこういう人だからこんなに惹かれちゃうんだろうなあ、って思いました。
何年やっててもあそこまで緊張できる、慣れきってしまうこと、ただのこなす仕事に出来ない、というのは、やっぱり感受性の豊かさの表れでもあるんだろうと思うんですよね。毎回毎回、ああやって感じることが出来るというのは。

光一さんとか、中居さんか、あと櫻井さんもたまに見ると思うんですけど、あの路線の方々は、感受性どうのというのとはまた別枠で、サラリーマンっぽいというか、しっかりと仕事が出来る人なんだと思うんですよね。例え芸能以外の業界であっても、きっちり出世していかれるイメージが出来る感じの(笑)
あの路線の方々も私、凄く好きだし、共感を覚えるのはあちらの路線の方々なんですけど、だからこそ、そうはならない、出来ない剛さんとか、あとCoccoさんとかも私の中ではこの路線の人なんですけど、ああいう方々に否応なく惹きつけられるんだろうと思います。

剛さん系統の人は、無難に、という発想があまり無さそうなんですよね。己の感性で受け止めたことをそのまま表現するしかない、みたいな。
光一さん路線の方々は、その受け止めたことが少し一般的では無かったら、咄嗟の判断で、それをより受け入れられやすい、分かりやすいところに落とし込むことが出来て、だからこその安心感があるように思います。言葉をあまり選ばずに言えば、「何を言い出すか分からない」というような不安が無い。

対して、剛さん系統の人には、そういう発想が無いから、どんなことを言われるのか分からない、という面が凄くあって、それがまた、見てるこちらとしてはドキドキするというか(笑)、大丈夫か、と手に汗握る感覚が産まれるんだろうと思います。あくまで、私個人としてなんですけどね!

でも、そういう人達の言葉だからこその力もあるんですよねー。そして、そういう路線の人に自分はやっぱり弱いんだな、と今回、思いがけず再確認しました。取り繕うことが出来ない人に弱い。自分がいくらでも取り繕えてしまうほうだからだと思うんですけど。

それから、光一さんが剛さんに対して、物凄く優しいお兄ちゃんで、ああ、こういうときのキンキさんだなあ、ってちょっと和みました(笑)
まさかのお寺話をふられる感じとか、本当にキンキさんは微笑ましい。剛さんも流石に、そんなにまでは神社仏閣の守備範囲広くないと思います、光一さん・・・!みたいな、そういう予想外の微笑ましさを繰り出してこられますよね、キンキさんは(笑)

そして、番組冒頭の拓郎さんのコメントがまた、素敵で、優しくて。キンキさんは、本当に、時間を作って、拓郎さんと沢山の時間を過ごしてほしいな、って、他人事ながら思います。

だんだんと緊張が解けていかれる様子の剛さん。
ちょっと一息つきつつ、皆さんの歌を聴きました。
今回、戦争を意識して書かれた曲だけでなく、何気ない繋がり、あるいは、一対一とか、近くの人への想いを込めた歌も多くて、良いなと思いました。
どちらも大事ですよね、戦争に焦点をあてること、今の繋がりに焦点をあてること。
特に、今回、キンキさんを起用されたように、戦争を経験していない世代のことを考えるなら、今の人々の関係性から考えていくのが一番、手繰り寄せやすいような気がするし。

私は母が沖縄出身の人なこともあって、自分の世代にしては、それなりに戦争、平和について考える機会が多めだったような気がするんですけど、歌はやっぱり、綺麗なものなんだな、と思います。あまりにも悲惨なものを伝えるのには、あまり向かないような気がして。
歌にはのせられないような言葉、物、映像、記憶の衝撃の大きさ、生々しさって沢山あるように思うんですよね。
特に、戦争や震災に関しては。
そのぶん、歌には優しさや哀しさ、苦しさ、辛さ、絶望、希望、そういった感情を伝える力があるなと感じます。

個人的に、自分が今までで一番、印象的だった戦争についての歌ってなんだったかな、って思ったら、「さとうきび畑」とかも勿論なんですけど、「原爆を許すまじ」かな、と思います。

「ふるさとの街焼かれ 身寄りの骨埋めし焼け土に 今は白い花咲く ああ許すまじ原爆を 三度許すまじ原爆を 我らの街に」

っていうのが一番の歌詞だったと思うんですけど、私はこれを小学生の頃、母から聞いたんですよね。母は、自分が中学の修学旅行で長崎に行った時にガイドさんが歌ってらしたのを聞いて、凄く衝撃的で覚えている、と言っていたんですけど、こういう形で繋がる歌もあるんだな、と思います。
この歌は、曲調が確かに凄く印象的で、苦しみや絶望、悲しみが物凄く伝わってくるんですよね。こういう、感情を表現することについては、歌の力は本当に大きいなと思います。

吉永小百合さんとの対談、吉永さんの穏やかな真っ直ぐさやキンキさんの真面目さ、言葉の選び方、想いの伝え方の真摯さが良く伝わってきて、流石NHKさんだな、と思いました。
お二人のお人柄がまた良く出ていて。実際、ああいう記憶は、延々と苦しむものみたいですよね。本当に小さい頃に経験した方も、強烈に恐怖を覚えていることも多いみたいで。でも、考えたら、恐怖って、特に小さい子供にとっては強烈だから、記憶から抜けてくれないんだろうな、って思います。これはもう想像するしかないんですけど。

あまりに酷かったから、子や孫に言いたくない、伝えたところで何にもならないんだから、伝えたくない、という方も多いですが、そのお気持ちも、分かるような気がします。実際、言葉で伝えること、伝承することの力っていうのは、どれくらいあるんだろうなあ、って今の状況を見ても思うんですよね。人は根本的に忘れっぽくて、実際、たった2世代先に何かを伝えることすら難しいような気がします。

私も小学校の修学旅行は長崎で、平和教育も受けましたし、戦争の番組を見ることもありますが、実際に経験された方以外の言葉は、やっぱりどうしても上滑りしてしまうというか、定型文になってしまうことも多いように感じます。教育を受けた子供の発想で出てくる言葉さえ、もはや型通りの言葉になってしまいがちであるように思うんですよね。

よく使われる言葉に、いかに力を持たせるか、というのは、難しい問題ですよね。戦争にしろ、震災にしろ。「忘れてはいけない」という言葉が既に、もう何の意味も無い、力を持たない空虚な言葉になってしまっているような気がしてしまう時があります。
そんなことを言いだしたら、もうどうしようもなくなるし、それでも言葉を使うことを厭わずに、続けていかないといけないと思うんですけどね!

恐らく、忘れてはいけない、と言いながら、本当に、切実に覚えていようとしているのか、とかっていうことなんだろうと思います。

言葉の使い方という意味では、例えば、「考えさせられました」とかってよく使いますけど、「考えさせられた」で終わらせず、「何をどう考えたのか」っていうことを自分の中でハッキリさせないとあんまり意味が無いんじゃないか、みたいな、そういう感覚に近いです。上手く言えないんですけど。それっぽい言葉を極力使わないようにしたいな、と個人的には思っています。
言葉の意味を常に意識すること、どこかで聴いたような言葉をただなぞるのではなく、心からの言葉を使うこと、きちんと自分の想いを込めて使うこと、言葉を探し続けること、そういう努力を積み重ねることが、自分にとっての平和を祈る手段の一つであるように、今回、番組を見ながら感じました。

少し話がそれてしまいました。

つんくさんのコメントを朗読される剛さん。剛さんはやっぱり、声が良いなと思いました。ああいうの、向いてらっしゃるように思います。朗読劇とかも向いてらっしゃる気がします。

そして、いのちのうた、私にとっての山場はやっぱり最後でした。「Family」前にまた手に汗握って。
その「Family」、凄く良くて、キンキさん好きになって良かった、という波に襲われました。
あの歌詞はやっぱり、二人組で歌うからこそ、際立つ部分がありますね。
特に、「きみがいるから」「ぼくがいるから」という箇所は、番組を見てきてだと、生きているから、という意味が強く聴こえました。
お二人共、丁寧に歌ってらして、凄く良かったです。
特に、Dメロが良かった。演奏の方の伴奏も、全体を通して素晴らしかったですが、Dメロは特に、素晴らしかったです。
やっぱり、Dメロは特に、歌詞と曲が、完璧に合ってるな、と思います。
あの歌詞の大きさには、あのドラマチックさが無いと、太刀打ちできないというか。あの、時間の軸も、犠牲、海、愛といった一つ一つの意味も大きい言葉を、ああいう独特の、剛さんらしい感性で更に大きな歌詞にした剛さんも凄いし、歌詞の大きさに対して、完璧に合わせるドラマチックさと美しさのあるDメロを作られた光一さんも凄い。
力強く歌われる光一さんの歌い方も、歌詞を改めて噛みしめるように繊細に歌われる剛さんの歌い方も好きでした。
また、剛さんの表情が良かったんですよね。剛さんは本当に、表現する才能に恵まれているというか、表情や目の感情で、悲しみや切なさ、色々な感情が伝わる人だな、と思います。

見ることが出来て良かったです。
お二人も、出演者の皆さんもスタッフさんも、お疲れ様でした!