4年

あれから4年、自分が岩手に行ってから1年半程が経ちましたが、新聞やニュースからの情報だと、自分が見たときとほとんど景色が変わらないように見えて、焦燥感のようなものを覚えます。

今も、聞いた話や、毎晩泣かずにはいられなかった数日間を思います。
何より、泣き笑いの表情で、それでも、頑張って、とおっしゃってくださった女性の表情と声や、あの時の気持ち、話しながら泣いてらっしゃった方の表情、自分が実際に1対1で接した方々のことを思います。
今、辛い思いをしてらっしゃらないか、どうしてらっしゃるか、凄く気になって。

そして、あんな風に優しく、親切に接してくださるおばあちゃん達が、あんなに帰りたいと思ってらっしゃるおばあちゃん達が、復興には間に合わない、だから代わりに、おばあちゃん達と接した皆が復興を見てほしい、そういう役目だと思って、と先生に言われたことを思い出すと、本当に、悲しいとかそんなことではなく、もう、ただ涙が出ます。

どうか、少しでも早く復興が進んで、少しでも多くの仮設住宅で耐えてらっしゃる皆さん、頑張ってね、とおっしゃってくださった皆さんが、仮設住宅を出ることが出来ますように。そして、復興した町の姿を見ることが出来ますように。その時、折角皆さんが築いた人間関係が崩れることがありませんように。どうか早く。

私はキリスト教徒ではありませんが、先生が最終日に聖書から読んでくださった、「私の目に貴方は価高く貴い」というその言葉に尽きると思います。
1人1人が貴い、だから、亡くなった方が沢山いらっしゃることがあまりにも悲しく、苦しんでいる方が1人でも少なくなるよう祈る。

そのために自分が出来ることを、これからも少しずつやっていきたいと思います。