ドキュメンタリー

昨日は、濃い一日になりました。
大学でドキュメンタリー番組の年間の優秀作品かな、を決める選考会みたいなのがあって、その番組のテーマ曲を歌う元ちとせさんがミニライブをする、という企画があったんですね。
無料だし、これは行くしかない!って思って。
元さんが歌うその番組のテーマ曲がもともと、凄く好きな曲なんです。

それで、朝から、6本、ドキュメンタリー番組を見て。
9時から12時まで、約30分の番組を6本、続けて見たんですけど、もう凄く凄く良かったです。6本とも違う色があって。

特に最初の3本は、終末医療としての在宅訪問医療、障害を持つ子供の訪問看護、そして熊本のこうのとりのゆりかご、といった社会的問題を扱う3本だったので、もう何度も涙ぐんでしまって大変でした。

朝から見るには心揺さぶられ過ぎるだろう、朝一でこれはなかなか・・・!って思いながら涙をぬぐい(笑)、でも、来て良かった、って凄く思いました。

1本目、元外科医のお医者さんは、笑顔で「来たよー!」って声をかけながら部屋に入って行くんですね。それを身内の方々も笑顔で受け入れる。
身内の方々の気持ちの整理のつけ方だとか、家で看取ることだとか、こんな先生が身近にいてくれでもしないと無理だとか、よく聞くことをこうやって映像で見せられる生々しさ。
生きていた人が亡くなる寂しさ。その覚悟をする寂しさ。

それでも、何だか、逆に、結婚することって良いな、ってふと感じました。何故か。
こうやって連れ添って、どちらかが病を抱えて一人になる、そこまでを共に生きて生活する相手がいる、っていうのは、とても静かな幸福なんだろうな、という感じに見えて。
例え、それこそ「死が二人を別つ」としても、それまでを誰か一人と過ごして、一緒に人生を作る、っていうのは凄いことですよね。
何気ない日常を映してあるからこそ、そんな気持ちになったんだろうと思います。

それから2本目、障害を持って生まれた子供の訪問看護。こちらは、抑制が効いていて、淡々としていて、とても良かったです。午後の審査会でも映画監督の方がおっしゃってたんですけど、看護されてる方の触れ方だとか、声のかけ方が本当に、これが一番多く涙ぐんでしまった気がします。

看護師さんの声のかけかたに、本当に本当に愛情がこもっていて、子供はこうやって愛されながら育ってほしい、そうであってほしい、という感じで。
子供からの反応はほとんど無いんですよね。それでも、そんなことは関係なく、成長すれば嬉しいし、とにかくひたすら愛おしい。少しでも長く生きてほしい。
最初は毎月ごとに誕生日を祝った、という話をされてる様子だとか、看護師さんが子供達に、そしてご家族に寄り添ってらっしゃるのが伝わってきました。

ごちゃごちゃ「こういう問題がある」とかって言葉にするよりも、ただ淡々と映像にとるほうがずっと良い場合がある。映像の力、ドキュメンタリーの力ですよね。この作品はまさに、そういう強さがあったように思います。そして、これも本当に不思議なんですけど、何だか、子供が欲しいような気持ちになりました。ほぼ初めて。

また、審査会にはそれぞれの作品を作ったディレクターさんがいらしてたんですけど、この作品のディレクターさんの話し方が凄く好きでした。
自分達も初めて知ったこと、自分達の日常にはこんなこともあるんだ、ということをとにかく伝えたかった、というスタンスも好きで。ああ、こういう方が作られたからこういう作品になったんだな、って、どのディレクターさんの話でも思いました。

8歳の、自力では動けず、声も出せない男の子と末期がんのお母さん。お母さんのマッサージをしながら、「お母さんがいないと生きていけないんだよ。頑張ろうね」っておっしゃる看護師さん。そこを引いて撮っている映像が特に印象的でした。

どうしようもない中で、それでもどうにかしようとしている人達がいる、ということが伝わってきて。審査会での応答で、番組の後でお母さんは亡くなった、ということが分かったんですけど、もう、泣いてしまいました。心残りだっただろうな、って、映像で見た後だから余計に思ってしまって。

他の作品もそれぞれ良かったです。何より、表情が良いですね、ドキュメンタリーは。沖縄の作品も良かったなあ。皆さんの表情が本当に良かった、あの作品も。ドキュメンタリーには、まさに、生の表情、生の声、生の問題がある。
切実な問題はどこまでも強く訴える力があって、明るい作品はどこまでも生き生きと動く。やっぱり面白いなと思います。

審査会では、審査員の方々の手厳しいお話も、物を作るって大変だよな、こんなに酷評されたり、批判されたりしながらやるんだもんなあ、っていう思いもありながら興味深く聞いたんですけど、何より、審査員の方々の質問に答えるディレクターさん達のお話が面白かったです。

皆さん、本当に長い間、お金も時間も無い、というドキュメンタリーの制約の中で、関係者との信頼関係を築いて、下手したら何年もかけて取材をし続けて、番組を作ってらっしゃるんですね。
だから自然にそうなるんだろうな、と思ったんですけど、撮った方々への親しみと愛情を感じました。話し方にも、どんな質問にも深いところまで答えてらっしゃる、その話し方にも。こういう方々が作っているドキュメンタリーなら、ずっと見続けたい、他のこの人達の作品も見たい、って思いました。
見方や作り方は、意外と、その人その人で違って、しかも、その人らしいな、ってお話されると感じるんですね。
それが面白かったです。意外と、個性が凄く出てるんだなあ、って。

そしてまた、九州・沖縄の番組なので、地元によく密着していて、それが出来る強みをよく活かしてるんですね。より草の根的というか、地域密着型、という感じで。それも良かった。

元ちとせさんの歌を聴けるなら、というのが第一だったんですけど、本当に、それをきっかけにじっくりと見聞き出来て良かったな、と思いました。この番組、見れる時は見よう、って思えたし。

そして、元さんのミニライブなんですが、デビュー当時からずっと好きだったので、感動しました。本当に元さんの歌声だ・・・!って(笑)

場所的なこともあって、ギター一本で、というのも贅沢で良かったです。
乾燥していたこともあって、ちょっと調子が悪いのかな、という瞬間もあるにはあったんですけど、それでも、とっても嬉しかったです。
いやあ、贅沢だったなあ。あんなに狭い会場で聴けることもなかなか無さそうだし。
こういうイベント事だからこそですよね。高音は特に伸びやかで、鳥肌ものでした。

テーマ曲は「語り継ぐこと」という曲なんですけど、もう大好きでよく聴いています。
剛さんの曲やキンキさんの曲が好きな方には、こういう路線も好きな方がいらっしゃるような気がするんですけど、どうなんでしょう。
PVも綺麗なんですよねー。生で聴くと、サビ前も、本当に物語を聴いているようで良かったです。

それから、「なごり雪」も良かった。
司会の方もおっしゃってたんですけど、南の人が歌う「なごり雪」はこうなるんだなあ、っていう面白さと味わいがあって。生で聴くとより、切なさもあって良かったです。

ということで、イベント自体にも、元さんの可愛らしさと歌声にも、行って良かったなあ、って思いながら帰ってきました。
そして、帰ってきてからは、両親と本当に久しぶりにお酒を飲みに行って。
コース料理+飲み放題だったので、それなりに沢山飲んで、食べて、話もして、嬉しかったです。とっても嬉しかった。
私が3年間やりきって引退したので、それのお祝いだということだったんですね。
そうか、やりきったのか、っていうのと、両親の気持ちとが、とっても嬉しかったです。お酒もご飯も美味しかったし。
やっぱり、美味しいものを食べて飲んで、って出来る、ってそれだけで凄く幸せなことですよね。

良い一日でした。そして、昨日はキンキさんのアルバムも買えたので、聴くのがとっっても楽しみです!
おやすみなさい!