山に入る

今日は、家の近くの山に登ってきました。
2時間半くらいで家を出て自転車で麓まで行って登って帰ってこれたのかな。
年に一度は登ってると思うんですけど、やっぱり山は良いなと思います。

大体、煮詰まった時とか、環境が変わる前の区切りとして山に登ることが多いんですけど、今回も、明後日から部活の夏の練習が始まるので、行ってきました。
ずっと、この夏は山に登りたいと思ってたので、良かったです。

今回は、自分のことや大学のことを考えて整理するために登ろう、と思ったんですけど、ちょど登り出す頃に、部活の代のラインでの重要な会議みたいなものが始まってしまって、思いっきり俗世を引きずりながら(笑)になっちゃうけど、まあ、いっか!って思いながら、山頂についたときだとか、ちょこちょこと参加しながらになりました。
まあ、引退するまでは仕方ないですし、そんなに構えずに登るのも良いな、って今回、感じました。普段使いの、みたいな気持ちになれて(笑)

そうそう、山に登る、って書きましたけど、感覚としては、山って、「山に入る」っていう気持ちになるなあ、って思います。
普通に登れば1時間くらいで山頂につく、大きくはない山なんですが、それでも、こう、違う場所、自分の領域ではない場所に入る、入れてもらう、っていう感覚になります。

今日は、大雨の後だったので、もしかしたら人が少ないかな、と思ったんですけど、結構、多くの方とすれ違いました。あの、山で会ったら皆知り合いのように挨拶をする、っていう慣習というか何というか、って凄いな、って入るたびに思います。

それから、今日は1人で山に入ったんですけど、父に言われることを思い出しました。父は大学で山登りをしていた人なので、山で気を付けることは父から教わったんですよね。全然、意識していないつもりでも、特に身体を動かすことに関しては、意外と、教わったことをちゃんと覚えているもんだな、って今日、驚きました。

登るときは、足元だけを見ずに、目の前に木の枝が無いかだとか、生き物がいないかだとか見ないといけない。だけど、それと同じくらい、足元にも気を付けないといけない。
それから、苦しくても、変にスピードを落としたり、休憩しすぎたり、座り込んだりせずに、出来るだけ淡々と、一定のペースを守って足を進めたほうが良い。
階段が設置してあるときは、出来るだけ足を上げ過ぎず、階段の段の高さより少し上までしか上げないようにするといい。

下るときは、一度、足を置いたところが崩れるかもしれないから、ほんの一瞬、確かめてから次の足を踏み出す。急に滑る可能性があるから、身体を硬くせずに、特に膝を柔らかくしておいて、咄嗟に、滑らなかった方の足が出るようにしておく。滑ったときは、慌てない。そして、いざという時に慌てずに足だけでなく手も使って身体をとめられるよう、心構えをしておく。必ず、両手を使えるようにしておく。階段は登りも下りも、傍に細い道のようなものが出来ていたら、そこを使ったほうが、人工物の階段よりも負担が少なくて良い。

どれもこれも、なんかこう、人生全般に関して気を付けると良いこと、とも言えるような気がするのが凄いな、と思います。

こういうことを意識してると、意外と忙しいんですよね。なので、結構、無心になって、ただ登る、ただ下る、ということに集中できます。それが、なんだかスッキリするんだろうなあ、って思うんですよね。自分の身体を自分が思うように動かせるように努力する、自分の身体を進めることだけに集中する時間って、終わると我に返ったような気持ちになって、その瞬間、結構スッキリしてるような気がします。

それから、私、そこは父に似たのか、今まで、あまり、高い所からの景色に興味が無かったんですよね。ふーん・・・、よし下るか、くらいで(笑)
でも、今日は、ちょっと清々しい気持ちになって、少しの間眺めていました。
開けた空間が好きになってきてるのかもしれません。圧迫感がない感じがして。この間、千灯明の夜も、空が凄く広く感じて、良いな、って思ったんですよね。多分、息苦しくない景色が好きになってきてるんだろうと思います。

それから、山で、こんなにも、1人で山に居るのが心地良いのは、普段、他人と過ごし続けてるからなんだろうな、だからこそ、こんなに心地よく感じるんだな、って実感しました。
ずっと山に籠ってたら、きっと、こうは感じられないだろうなあ、って。
なので、やっぱり私は、人と関わり続けて、それも、割と多めの人と関わって、その生活の中で、たまに1人で山に入る、ということをしたいです。下りは水のそばを下りてきたんですけど、山頂の近くの水は特に冷たくて、流れも澄みきっていて、感動しました。1人で、わー、冷たい!って手を浸して。こういうことを心から楽しめるのも、普段、1人じゃないからこそなんですよね、きっと。
あまりに学校というところに行けなくなるから、もう1人で、人とあまり会わずに生きていけそうな仕事を探したほうが楽になれるのかもしれない、って思ったんですけど、いや、やっぱりそれは私は今は嫌かな、きっと寂しい、って確信することが出来ただけでも、行って本当に良かったです。

また、近いうち、秋にでも行けたら良いなと思います。