開門海峡花火大会

ここ数日は、なかなか濃いものになりました。

13日はのんびりする予定だったのですが、朝、数日前に会った子に誘われて、開門海峡花火大会に行ってきました。交通費が往復4000円くらいかかるし、片道2時間はかかるしで、気にはなっていたんですけど、一度も行ったことがなかったんですよね。

今回、誘ってもらえたおかげで行くことが出来て、凄く嬉しかったです。やっぱり一人でそこまで遠出しようとは、何かのきっかけがないと思えなくて。それに、今年は一度もお祭りに行けてなかったし。

私は普段、どこに行ったとかというのを何となくぼかして書いてしまうほうなのですが、今回は!是非!そのまま書こう!って思って記事の題名を開門海峡花火大会、ってするくらい、この花火大会は良かったです!!凄くオススメの花火大会だなあ!って思いました。

約3時間前くらいについて、500円の有料観覧場で見たんですが、もう凄く!!綺麗でした!!久しぶりに花火を見たら、花火ってこんなにも、こんなにも綺麗になってるのか!って衝撃的でした。と言っても、確か、去年は、一度は花火大会に行ったはずなんですよね。多分、この花火大会が凄く凝った、大きな花火を沢山打ち上げてるんだと思います。色合いの鮮やかさや、移り変わる色の多さ、形や流れ方まで、凄く洗練されていて、バリエーションが豊富で、花火ってなんて凄いんだ!!って改めて感じました。色自体も、凄く美しくて。

音楽と花火を融合した、っていうのも、噂は聞いていても、実際に見たことが無くて、初めて見たのですが、凄く楽しかったです。ゆずさんの「虹」とか、「Let It Go」の英語版とか、サビが思いっきり盛り上がる曲だと特に、盛り上げ方も華やかさも素晴らしくて!
ああ、言いたいこと分かる!!やりたいこと分かる!!って見てて思う構成になっていて、音楽と花火、お互いがお互いを惹きたててるなあ!って感じました。

それから、スポンサーの企業のテーマソングに合わせて、というのも面白かったです。九州の方じゃないとご存知無いのかもしれないんですけど、「シャボン玉石けん」さんっていう地元の会社があって、そこが「青いお空が欲しいなら飛ばしてごらん、シャボン玉」っていう歌詞の、凄く柔らかな歌をCMで使ってるんですね。それに合わせた花火では、ラストがちゃんと青い色の花火で、夜空に浮かぶシャボン玉に見えて、チャーミングで、凄く面白かったです。他の企業もそれぞれ盛り上がりました。

開門海峡花火大会は、山口県下関市と福岡県北九州市門司区関門海峡の両岸で実施される花火大会なので、岸の向こう側でもこちら側でも、大きな花火が惜しみなく打ち上げられます。それに加えて、両岸の真ん中あたりでも、両岸の水上でも上がるので、凄いときには四か所の花火が同時に綺麗に見えて、どこを見たら良いのか分からない、という凄く贅沢な状況になります。とっても華やかで、110万人以上の人が離れた両岸で盛り上がってるんだなあ、って思うと、それだけでも楽しくなってきます。

また、職人さんの御名前が読み上げられて、花火の題名が読み上げられてから、一発、大きな、凝った花火が打ち上げられる時間があったんですね。そこで咲く花火がもう、ほんっとに美しくて!!上がるまでも普通のものとは違って、上がりながら数回咲いて、それから大きく咲く、とか、上がりきって、あれ?って思うくらい間があって咲く、とか、それだけで驚きました。
その後の大きく咲いた花も、凄く渋い色合いが幾重にも重なっていたり、松を表現していて、それでいて決して地味ではなかったり、ひたすらに華やかだったりしていました。
それを見て、思わず、観客皆でどよめいて、自然と拍手が起こったり、子供たちが大喜びしたり。私も、友達と感想を言い合ったりして、とっても幸せな時間でした。純粋に、自分の全ての感覚で驚いて、美しさに喜んで、まさにこれが感動する、ってことなんだろうなあ、っていうくらいでしたし、一流の芸術作品を見せてもらったなあ、っていう気持ちになりました。まさに、夜空に咲く大輪の、そして一瞬だけの花で、見逃してしまったらそれで終わり、という刹那的な贅沢さがありました。

13日は風が強くて、煙が残らなかったのも良かったんですよね。やっぱり、花火は黒い夜空に咲くのが一番映えるなあ、と思います。揺らぎ方も綺麗だし。落ちていきながら風に流れる様も、金色の火が夜空に紛れ込んでいくようで、とっても綺麗でした。

私は門司港側で見たんですけど、あそこら辺は、夜景だけでも美しいんですよね。海があって、後ろにはすぐ山があって、とても落ち着いているように見えて、あの街自体が好きになりました。

たった一時間程度なのに、大満足でした。帰りは少し待って、人が減ってからにしたので、帰りは深夜になったんですけど、それでも、行って良かったです。誘ってくれた子にも、ありがとねー、って凄く感謝して別れました。彼女は東京に行ってしまうかもしれない人なので、二人で一緒に見ることが出来た、ということも良かったです。
場所取りをして、一緒に屋台を見てまわって買って食べて、電車に揺られながら話をして、っていう、なんてことのない些細なことがまた楽しくて。

私、彼女には、自分の現状とか、マイナスなこととか、ほとんど言えないんですよね。少し迷うんですけど、そういう話をするより、どうせなら楽しい話をして、楽しい時間を過ごしたいと思ってしまって。暗い話をしたい訳じゃない相手だというか。友達ってどうなんですかね、言ったほうが良いのかな、とも思いつつ。でも、毎日会える訳じゃないし、それなら、彼女とは、楽しい時間だけを一緒に過ごして、楽しいね、って言いたい、って思ってしまって。それくらい、大事に思うというか。そういう話をする子達は大事ではない、という訳では決してないんですけど。

花火は、作る側、打ち上げる側の自己顕示欲が高くないというか、純粋に楽しませよう、という気持ちから出来る物のように見えて、それでいて楽しんでください!というような押しつけがまさがなくて、だからこそ、素直に単純に楽しめる数少ないものです、私にとっては。

私は結局、どちらかが好きなんですよね。作る側が思いっきり楽しんでいて、お客さんの為に!とか、楽しませたくて!とかっていうのがほとんど感じられないか、もしくは、楽しませようという心意気は作品自体から物凄く感じるけど、それが特に押しつけがましく感じられないか。意外と、このどちらかに属するものは少ないように思います。特に、押しつけがましくないように、っていうほうは凄く難しい。花火は、一瞬で終わる潔いものだからか、私にとって、この押しつけがましくないほうの最たるもので、見ていて気持ち良いなあ、って感じます。皆で楽しむものだし、作ってらっしゃる方々や打ち上げてらっしゃる方々は、観客よりも花火そのものと集中して向き合ってるように感じるからなのかな。

良い花火大会でした。来年のことは分からないけれど、出来れば来年も行きたいなと思います。