NHK様 藤原竜也さん 長谷川穂積さん

疲れた・・・!
昨日は部活関係の選考会があったので、一日、緊張していました。
まだきちんと完成していないのが分かっているもので勝負をするっていうのは、もう。
結果、というか採点自体は、思ったよりは少し良くて、まあ、今でこれくらいならまずまずかな、これからどう上げていけるかだな、って感じました。
武的要素なー、難しい。もう少し崩して良い、ってことなんですけど、崩し方、っていうのは相当考えないといけなくて、難しいです。
物凄くポジティブに捉えると、そこそこは綺麗に出来るようになってるから、より攻撃的に崩して良い、っていうことなのかな、とも思うので、そこは素直に受け止めて、喜んで、格闘技としての本筋を行けるように頑張ろうと思います。

そして、評価されるものと自分がやりたいものが違う、っていうのをどう捉えて、どう納得するか、っていうのに、こういう時は、いつも直面するんですよね。雑すぎる攻撃はしたくないけど、綺麗過ぎても意味はないし。
結局、自分が理想とするほうへ行くことしか出来ないタイプなんですけどねー。でも、心の底から賞が欲しい。難しいです。
最優秀が欲しい。そこで見えるものを見てみたい。どんな感覚で取り組めるようになりのか、知ってみたい。勿論、それだけでは決してないんですけど。とりあえず、もっともっと良いものにして、強く、速く、攻撃的にやる、っていう大まかな目標に向かって、頑張っていこうと思います。

昨日は、組んでる子と、「今日のは凄く楽しくやれた!」って言い合えるような感覚を持つことが出来たので、この感覚を、更に良い方に伸ばしていけるように、練習も工夫していきたいなと思います。

そして、ここからは、記事の題にしたことの話に移るんですけど、一昨日は、本当にNHK様はありがたい存在だな!って感じる日でした(笑)
9時過ぎにバイトから帰ってきて、ぼんやりと新聞を見ていたら、10時から藤原竜也さんと長谷川穂積さんの対談番組がある、って分かって、慌ててテレビをつけたんですけど、いやあ、見れて良かったです!

そういえば藤原さん、ボクシングお好きだったよなあ。ボクシングには減量がありますけど、私は、減量なんかしたら動けなくなると思うので、つくづく、凄い世界だなあ、と思いながら見ていました。
でも、減量があるから闘える、だとか、飲み物に走るようになる、とかっていう感覚は、分かるような気がしました。

藤原さんはとりあえず、身体の線が細くて、どこか未完成な感じがして、何か切羽詰って、生き急いでいる感じの雰囲気があって、睫毛の形が綺麗で、相変わらずだなあ、って感じました(笑)
長谷川さんとお話している様子が、本当にただのファンで、物凄く微笑ましかったです。

それにしても、やっぱり、藤原さん、減量のときは絶食だったんだなー。役の為には仕方ない、そして、ご本人が身体に悪い、と分かっていて、ではあるにしても、一気に10キロみたいなのは、やっぱり無茶だよなー。それでもやるのが役者さんなんでしょうけど。

長谷川さんが、試合の直前まで、中止にならないかな、って思ってらっしゃる、ってお話してらして、驚きました。自分だったら、一回、そう思っちゃったら、もう気持ちがめげて駄目になっちゃうなー、きっと、って思って。
私は、試合の日は朝から感覚が違って、一瞬も後ろ向きな感覚は持たないほうです。百人一首をやっていたときも、珠算をやっていたときもそうだったんですけど、大会の日は、会場に向かうまでの間に、自分を物凄く強気な気持ちに持っていって、そこからは試合が終わるまでずっと、その気持ちでいます。そうじゃないと帰っちゃうだろうなあ、って思います、きつすぎて(笑)

藤原さんも、舞台前は、プレッシャーで「右足だけ折れないかな」とか「照明落ちてこないかな」とか思う、っておっしゃってて、藤原さんはそうだろうなあ、って感じました。そういうギリギリさというか、きっちりとした追い込まれ方、追い込み方を未だにされてるんだなあ、って、嬉しかったです。
今回、蜷川さんもおっしゃってましたけど、藤原さんは本当に、ひたむきさ、生真面目さが薄れないんですよね。外から見ると、順調にキャリアを積んでらして、評価も得ているのに、ちょっと箍が外れているようにも感じられるくらいのひたむきさと生真面目さが変わらなくて、それが、蜷川さんがおっしゃる「清潔感」っていうものに繋がってるんだろうと思います。そして、一度しか拝見したことが無いので、何とも言えないんですけど、その「清潔感」は舞台での立ち姿に、きちんと出てらっしゃるんですよね。
自分に対する、そして芝居をするということに対する厳しさが、きちんと舞台に出てる。
そういうところが、本当に好きです。

やっぱり、蜷川さんに育てられた、というのが大きいんだろうなあ。
「蜷川さんが僕を作り上げたと思ってる」みたいなことをおっしゃってましたけど、まさにそうだな、ってファンとしても思います。藤原さんには、「蜷川さんの顔に泥を塗れない」っていう思いが強かったんですよね。演出家とそういう関係性を作ることが出来た、っていうのは大きいんだろうな、と思います。
演出家という他者がいる、っていうのは、演じる人にとっては、もう物凄く大きいプラス作用で、それが無いと、どうしても、おかしなことになったり、自己満足が行きすぎたり、しかも、それに自覚的でなかったりするように感じて。

蜷川さんは、14歳だった藤原さんを毎日泣かせ、その後も、藤原さんが十代でやった舞台「弱法師」で、火を見た、ということを上手く表現出来ていなければ火を顔の近くまで近づけ、その後も、散々酷いことを言い続けて(笑)、藤原さんと接してこられてる、っていうことなんですけど、今回も、藤原さんを「トップランナーであるべきだし、そうあってほしい。皆が羨ましがるような仕事をしてほしい」みたいな感じにおっしゃっていて、本当に良い関係性だな、って改めて感じました。弱法師も見てみたかったなあ。ハムレットも。私は好きな方々が大体年上なので、あと10年早く生まれていれば!ってよく感じます(笑)

「ムサシ」凄く面白かったんですけど、ラストが特に、海外向けかな、って初演を見たときは感じました。それこそ、見たのは梅田だったんですよねー。懐かしい。
長谷川さんが凄く素直な感じで「むちゃくちゃ面白かったです」っておっしゃってて、こういう、心がこもった言葉を使える人は素敵だな、って感じました。そして、「ですよね!」って感じると同時に、やってる側の方々からすると、とても嬉しい反応だろうなあ、って思いました。

あれもなあ、井上ひさしさんが脚本だったんですけど、やっぱり遅くてですね!(笑)
初日にも改定があって、最後のページが届いたのは当日、それを覚えて夕方にはラストの台詞を喋る、っていう流れだった、って聞いて、演劇は何でもありだな、本当!って思ったのを覚えています。最初は所作の稽古ばかりだった、って話だったもんなあ。

私は、基本的には、誰であっても、何であっても、頻繁に再演をすることには興味を覚えないんですが、この作品に関しては、海外各国に持っていってること、井上先生の晩年の作品であること、当て書きであること、特にラストの表し方が、難しく、かつ、深めていくことが出来そうだと感じたことを合わせると、まあ、そういう作品が一つあっても良いものなのかな、って感じます。これに関してだけは。藤原さんが良いお仕事を沢山されていて、色々な作品に出られているからこそ、ですけど。自分自身も、あの出来上がった頃のとはまた違うだろう「ムサシ」なら、もう一度見たいな、と思えるのもあって。

それから、舞台後は嬉しい、っていうお話で、「務めあげた、全うした」って思う、っておっしゃってたんですけど、そういう言葉が出てくる感じが、やっぱり好きだな、と思います。そういう感覚でいることが。それくらいのギリギリさ、舞台と演出家、観客に対する責任感のようなものを持ち続けているあたりが、藤原さんの清潔感なんだろうと感じて。

蜷川さんも白石加代子さんも、お元気そうで嬉しかったなあ。加代子さんがおっしゃる通り、藤原さんの集中力って尋常じゃないよなあ、っていつも感じます。
蜷川さんは「すぐムキになって一生懸命やるから面白い」って笑ってらっしゃいましたけど、そういう面も色濃く残ってらっしゃって、良いなと感じます。そういう感覚を持ち続けるのは、難しいことだろうになあ、って。

台詞が飛ぶことはないけど、年に四、五回は、台詞が入っていない、っていう夢を見る、っておっしゃってて、そういう所も、繰り返しになっちゃうんですけど、何だろうな、演劇に対する真面目さ、真剣さが本当に変わってらっしゃらなくて、凄く嬉しいです。もう15年くらいたっていて、しかも、順調に来てらっしゃるように見えるのになあ。
自分が思っていたのとは違う、というような作品に出てしまうと、「なんでこんな仕事やっちゃったんだろう、何でこんなことやらなきゃいけないんだろう」ってきつい、っておっしゃるその言い方も、厳しさのようなものが見えて、好きでした。
藤原さんは、ずっと、仕事なんていつ無くなるか分からないし、失敗したら次はない。無くなるのは一瞬。でも、掴むのは凄く難しい、っていう感覚を強く持ってらっしゃって、演劇に対する思いが変わってしまう、というような意味で「もう駄目だ」と思ったら、ダラダラやるつもりはない、って今回もスパッとおっしゃったり、そういう感覚が、口だけでなく、変に悟るようでもなく、きちんと芯からある感じが、それこそ、演劇に対する清潔感に繋がってるんだろうなと思います。

そして、これが一番面白かったんですけど、私もDVDで見たい、と思っている「藁の盾」の話で、「たまには普通の役やってよ」と言われる、という話を挟みつつ(笑)、あのえげつない、悪のまま終わるような役は「なりきるのか、割り切るのか」という長谷川さんの質問に、「僕の根がドロドロなんです。本当は僕は悪いやつで、人として屑で、それを隠してるんだと思う。そこをもってやりきるんです。」みたいな答え方をしてらっしゃったんですね。
藤原さんは、ポーズとか、自分を卑下してみせてみる、とかそういうこととは別の次元で、
心の底からそう思ってらっしゃるんだな、っていう言葉の使いかたをされるので、ここの話し方も率直で、凄く面白かったです。

それから、「社会や人生や生きることみたいなものに関して、何なんだ馬鹿野郎、ふざけやがって」みたいな気持ちが凄くある、っていうこともおっしゃってて、剛さんにしてもそうなんですけど、私は、こういうタイプの人が凄く好きなんだろうな、って思いました。

何だろう、社会だとか、理不尽なことだとかに対して、変に受け入れてみたり、悟ったようなことを言ってみたり、折り合いをつけるのが大事、って言ってみたりする人は、賢いな、とは思うんですけど、そこで「何なんだ馬鹿野郎、ふざけやがって」みたいな、反発、というよりはもっと怒りに近い感情を持てる人、かつ、それが「腹立つー」みたいな、攻撃性の弱い怒り方じゃない人が好きなんだろうと思います。
それこそ、何だかんだくにを作っちゃったり(笑)、激しすぎる役ばかりやってしまったり(笑)するくらいのドロドロした、強いものを持ってる人が好きなんですよねー、多分。
本気で、根から怒れるタイプの人が好きなのかな、と思います。それがエネルギーになってそうだと、特に。

他にも、色々そぎおとしたら、自分の中には表現しか残らない、だから、自分の存在証明なのかもしれない、とか、天職かは分からないけど、あってるとは思う、とか、いちいち好きで、芸能人で初めて興味を持った藤原さんが、未だに、こういう種類の清さ、鋭さを、家庭を持っても、変わらずに持ち続けてらっしゃる、っていうことが、凄く嬉しかったです。

まあ、それがお仕事的には硬くなってしまうこともあるのかな、って感じなくもないんですけど。ただ、柔らかい演技をする人は沢山いる、ように感じるので、藤原さんは、これからも、藤原さんしかいけない道を行ってみていただきたいなあ、って思います。

これからも陰ながら応援しよう、って思える、良い対談でした!