瞬き【天魔盤】

遅くなってしまいましたが、光一さん、SHOCK千穐楽、おめでとうございました!
お疲れ様でした!
皆さん、大きな怪我なく、無事に終わったようで、良かったです。
スタッフさんも出演者さんも、しばらくはゆっくり休まれてください!

月曜日から、天魔盤を聴いています。
これは色々と驚きましたし、今聴けて凄く良かったです。
タイミングが良いというか。お薦めしてくださったz様、ありがとうございます!
買って良かったです!!(笑)

以下、「電」の感想からになります!


「電」
これは本当に、剛さんからまだこんな言葉が出てくるのか、こんな風にこういう言葉を歌えてしまうのか、っていう衝撃がありました。
私は基本的に、幸せにはなれそうな剛さんだからこそ惹かれてしまう、というタイプではあるんですけど、ここまでか、と思うと、少し哀しくなります。
が、結局、そういう人だからこそ好きなんだろうからなあ。何も言う資格はないんですけど。

「言葉では追いつけはしない この痛みを許そう」っていうのは、言いたいこと分かるな、って感じます。ここのメロディーも凄く綺麗で剛さんの声質に合っていて好きです。

「追い付けない」よりも強い、「追いつけはしない」っていう言い回しも好きですし、痛むこと(痛めつけられたことを含めて)を許そうと自分に言い聞かせてる感じも好きです。
剛さんは、ずっと、根では許しきれなさそうだからこそ。剛さんは「許そう、許そう」って自分に言い聞かせるし、そう望もうとしてもいるけど、あんまりにも痛むものだから、どうしても許せない、許そうと自分に言い聞かせ続けるしかない人だというイメージが、個人的にはあります。そして、それが、自分に対して誠実である、という感じで凄く好きなんですよね。痛めつけられたことを簡単に許せる人は自尊感情が強くはなくて、そういう人は他人に対しても、簡単に「許せ」と強要してきそう、と思ってしまって。

許せない痛みだからこそ「痛み」と呼ぶんじゃないのか、みたいに思ってしまうんですよねー、私は。簡単に忘れて捨て去ることが出来る痛みを痛みと呼ぶのか、みたいな。
そういう意味で、私はもう延々と痛みを忘れきることが出来ないでいる剛さんを信頼してるというか、好きだなと思っている気がします。
仲間探しみたいな感覚もあるから、本当に酷いんですけど。どこかで、剛さんが痛みを忘れきることが出来ない、それを望まないでいてくださることに、ホッとしてる部分がある気がするので、いつか、剛さんが痛みを忘れたい、と思える日が来たら、少しだけ寂しくなっちゃうんだろうなあ、って思っています。

許すことが美徳、という言われ方をよく耳にしますが、私はそうは思えないんですよねー。
許せない自分自身を正当化したいだけなんでしょうけど。

たったこれだけの歌詞でどれだけ書く気なんだ私は。すみません!

それから、「嫌な顔ひとつ見せずに」は、こういう擬人化をするのか、っていう驚きがありました。剛さんは本当に、こういう部分が細やかな方ですよね。自分には全く無い感覚なので、いつも驚きます。

一番のサビは全ての行が美しく、その情景が浮かんでくるようで素晴らしいなと感じました。
電という強いもの→可憐、という愛らしさ→その後の三行の強い強い哀しみを表す「たまらず震えた」という表現、のうねり方が上手い。間に「可憐」が入ることで、前と後の衝撃の強さが際立っていて良いです。
そして、焦げた、という黒を連想させる表現と彩る、という多色を連想させる表現の対比も上手いな、って感じました。

そして、二番ですよね。
二番の最初の二行が一番、グッと来た気がします。木々が揺れる様がこう見えて、木々が揺れる音がこう聞こえるのか、って。他の人だったらそこまで思わなかったかもしれないんですけど、今の剛さんからこういう言葉が出ると、そうか、まだそういう感覚が、こんなに自然にあるんだな、って感じました。
「僕を哀れみ噂してる」かー。木々なんて、例え都市部であっても、どこにでもいくらでも、と言っても良いくらいあるものだから、余計、沁みました。
木々を見て一人、そんな風に感じる瞬間がある、って想像したら物凄く寂しくて哀しいことだよなー、って。

ここでグッと来てたら、その後のサビ前までがまた。こんなにはっきりと「自分が嫌い」と歌われてるとは予期してなくて、驚きました。
しかも、ここの部分って何のフォローも無いんですよね。前も後も、そういう自分と、自分を嫌う感情をフォローするような言葉、場面が少しも無い。
そしてまた、咲いてることはきちんと分かっていながら「黙り込んで眼を反らしたまま歩く」っていう、どこか頑なに閉ざされてしまっている感じも剛さんっぽくて。

二番のサビは一転して、頑張るから、死を迎えるその日まではちゃんと頑張るから、ってことを「きっと」誓う、って、どこか懸命な色を出して言って、直後に「だからまだ鳴かせて」と希う。そしてそこから「愛してる、さようなら」と繰り返す。

この、どこか危うくてアンバランスで、感情が断絶して極端に振り切れる、定まっていないような二番の流れが、剛さんらしいなと感じます。最近はあまり感じられなかった面だなあ、って。ここまで色濃く残っていたとは、って驚くような、そうだろうな、って物凄く納得がいくような。

今回の「愛してる、さようなら」を逆さにしてある感じは、過去に戻りたいと願うようにも聞こえて、テーマ的に凄く生きていて良いな、と感じました。

そして、この部分の、剛さんの声が重なっていく辺りが凄く好きです。
「春涙」とか「空」とかが好きな人間からすると、この声はたまらないです。
そして、下に書いた作品を読んだ直後に初聴きだったから余計そう感じたのかもしれないんですけど、葬送の唄っぽくて、凄く好きだ、と感じました。剛さんの声は、地に染み込んでいくのではなく、空に昇っていく葬送の唄っぽくて、魂をさらっていかれるような感覚があります。

呼びさまされるような、持って行かれるような。いつもこの部分は、連れて行かれるような感覚になりながら聞いています。

それから、ふと感じたんですけど、どこか民謡っぽくもあるんですよね。私が沖縄で聴く機会が多かったからそう感じるのかもしれないんですけど。私は全然詳しくなくて、よく知らないんですけど、奈良には民謡のようなものってないんですかね?
もしあるのなら、剛さんに唄ってみてほしいなあ、と感じます。綺麗だろうなー。
何かこう、そういうのも自分の色で唄えるような歌手さんになってこられているような、これからなっていくことが出来る方であるような、って今回、何となく感じました。
そういう意味で、大きなものを歌えるようになっていかれるかもなあ、みたいな。
受け継がれてきてるものですしねー、民謡も。今度、沖縄のものだとこういうのを唄ってみてほしいです、っていうのを書こうかな。

そうそう、民謡とは違うんですけど、「朧月夜」とかも唄ってみてほしいなあ、物凄く癒されそう、夜に聴きたい、って東北に行ってから思っています。

一曲だけで随分書いてしまいました!

「Welcome to shamanippon-TENMA edit Ver.-」
凄く好きです!テレビ用になるとこんな風に変わるんだな、っていうのが興味深くて、迫力とワクワク感の質が違って、どちらも聴けると、凄く得した気持ちになりました!(笑)

という訳で、しばらくは天魔さん盤も聴きこみそうです。
これで1000円はとっても嬉しいですし、その意味でも、物凄く得した気持ちになることが出来ました(笑)

剛さんは何で、こんなにも、吐き出しても吐き出しても、尽きないんだろうなー。そういう人だからこそ、こんなにも惹かれるんですけど。人が癒える、何てことが、あっさりと言葉に出来る程簡単なことであってたまるか、みたいなよく分からない反発のような感覚が私は強くて、だからこそ、剛さんが好きなのかな、とも思います。
申し訳ないんですけど、でも、何を得ても何も埋まらない、というような剛さんは、才能というもの、表現というものとは相性が良いんだろうな、と思います。剛さんがこれから、どう生きて、何をどんな声で歌っていかれるのが、改めて興味深いなと感じますし、こうやってリアルタイムで聴いていけることが、凄く嬉しいなと思います。