瞬き【どうも とくべつよしちゃん盤】

いやあ、何度見ても、楽しく遊んでらっしゃいますよねー、どうもとくべつよしちゃん盤、って!(笑)
とくべつよし、までは、まあ分かるにしても、そこに「ちゃん」が挟まってくるって凄い。何故「ちゃん」を入れようと思われたんだろう・・・。剛さんは謎の塊。

以下は感想です!


とりあえず歌詞カード(だと思ってました!)を開けて、次、写真かなー、と思いながらページをめくったら、まさかの文字の量で、「語りだすの、この盤だったか!」って思いました(笑)

これ、凄い斬新だよなあ。剛さんに溢れるこの「伝えないと!」みたいな切迫した感じは何なんだろう。凄く分かるけどなー、感覚自体は。ある意味、曲だけで伝わる、とは思ってらっしゃらない、ってことなのかなー、どうなんだろう。

・やっぱり「大切なものが消えていく」っていうのが最初に出てこられてるんですねー、お誕生日なのに。静かに寂しい人だよなあ、本当。

・フレーズが「疑うことをせずに」出てきた、っておっしゃる剛さん。「疑う」っていう感覚はいまだに、剛さんの中で根深いものなんだろうな、って感じました。
にしても、ご自分の中のことでまで、疑う、っていう感覚がおありなんだなあ。まさかの。
「Family」でも感じましたけど、剛さんは、何というか、精神的に潔癖な所がおありなんだろうな、そこが好きだな、と思います。重い誠実さ。

・プライベートまで詮索する気はないんですけど、剛さんは、どなたか親しい方を、思いがけない形で亡くされたりした経験がおありだったりするんですかね。これは結構前から思っているんですけど、剛さんの「生きることを表現したい」っていう想いは、「命ある者は皆、いつか必ず死ぬ」っていう当たり前の大前提を、強烈に感じるんですよね。でも、意外とこういうことって、生々しく実感することが難しいことでもあるんじゃないかな、と個人的には感じます。

私自身は、病気だったり、年齢が100歳近かったり、といった身内の死を経験したときは、ある程度覚悟が出来ていたこともあって、どこか自然に捉えてしまって、生と死、というものは、ぼんやりしたままだったように思います。突然、思いがけない形で失ったときは、本当に、息が詰まるってこういうことか、命ってこういうものか、って感じたんですけど。命を、ってあそこまで強く言う人は、自分自身が死に近いところに居る人か、もしくは、思いがけない死を経験された方か、どちらかになるんじゃないか、って思ってしまうんですけど、私が鈍いだけかなー。
それとも、やっぱりお若い頃の、死の近くにいたときの感覚が、そこまで強烈だったのかな。

・「移りゆく美しさ」っていうのも、剛さんのテーマの一つだよなあ、って感じます。
「花は枯れゆくものよ 年は老いてゆくものよ」とか、「老いてく美の痛みに」とか、私、初めて聴いたとき、凄くドキッとした覚えがあるんですよね。アイドルが歌うからこそ、ここまで意味が出るんだな、って感じて、剛さんに惹きつけられたきっかけの一つになりました。
女性アイドルが歌うと辛すぎる、男性アイドルが歌うのは、痛いけどギリギリ大丈夫、って個人的には感じて、そのギリギリな歌詞を、こんな風に歌うことを選ぶ、って凄いな、って思ったんですよね。という訳で、移りゆくことを重視されてる姿勢に、あそこら辺の歌詞をふと思い出しました。

・「square」の意味
っていう項目を見た瞬間、「わあ、しまった、正解がこんな形で示されてたとは!書くの待てば良かったー!」ってちょっと慌てたんですけど(笑)、「過程を大切にしながらこのスピードに乗っていたい」あたりに、やっぱり剛さんの感覚が好きだな、って改めて思えました。

・「瞬き」=いまを感じる、っていうのは、なるほどな、って思いました。確かに、死を迎えるともう瞼は閉じたまま、瞬きはしなくなるから、目を開いて、シャッターを押すように瞬きをする、っていうのは、「今」を生きていることの証だな、と思います。

・剛さんご自身の子供の頃の声、言われてみれば、あの剛さんが、ここで全くの他人の声を使われるはずがないな!って感じました。が、自分の子供、とかなら聞いたことがありますけど、ご自身の、って凄いなあ、剛さんも、それが可能になった技術も、って感じました。

・「手と手を合わせ」は、なるほど、お墓参りかあ。お墓参りで、過去だけでなく未來を抱き寄せる、って出てくる辺り、剛さんの死生観は面白いな、って思います。

・時代や世間がどうであっても、自分の全てを抱きしめてあげる強さ、っていうのも、これまた切ないなー。別に、繋がりを断つ、という訳ではないんでしょうけどね!
剛さんは確かに、自分で自分を抱きしめてらっしゃるイメージが強いです。そこが、求めていないようにも見えてしまうのかなー。

・歌は訴え。だからこそ、剛さんは歌うべき方なんだろうな、って思います。
だからきっと、剛さんが、ああいう歌声と歌のお上手さを生まれ持ってきてらっしゃるのは、ギフトという意味で、まさに才能なんじゃないかな、って感じます。
これからも、剛さんの歌を通して、剛さんの、訴えずにはいられないような、その感覚を聴いてみたいです。

って、締めみたいになっちゃいましたが(笑)、ここからが本題のPV感想です!

・剛さんと白の組み合わせは!剛さんが!美しい人だと!思い出させていけませんね!いや、いけなくはないんですけど・・・!!
とりあえず、びっくりしました。剛さんがあんまりにも美しすぎて。ここまで、「美しいな!」って思ったのは初めてな気がします。
そして、剛さんと白、って、普段は沢山の色に紛れ込ませてある剛さんの本来の哀しさみたいなものが沁み出してくるようで、凄く静かな、哀しい気持ちになるんだな、って感じました。全てをそういう風にしか見れなくなってしまっているだけかもしれないんですけど。
白は怖いなー、こんな剛さんの美しさを見せられると、白を着れなくなっちゃいます。こんなにも本質(のように見えるもの)が出てしまうなら、本質的に美しい人じゃないと、白は怖いよなあ。
そして、剛さんは、美しさだけじゃなく、純粋さというか、一周まわっての混じり気の無さも出ていて、そういう意味でも美しいように感じました。

・剛さんの睫毛の長さと美しさは素晴らしいですね。というか、目がやっぱり印象的で、この曲にふさわしいな、って感じました。そして、お顔立ちが本当に、雑な言い方をしてしまうと、女入ってきてるような、って改めて感じました。何ですかねー、どこら辺にそう感じさせられてるんだろう。
私は、女々しいタイプの男性にはそんなに興味を惹かれないんですが、女が入ってるタイプの男性は面白く、かつ怖くて好きなので、全然問題ないんですけど。

・目を伏せていらっしゃるときでも分かる目の大きさ。目が大きい方はどこか幼く見えますが、剛さんは特にそれがあるな、と感じます。

・剛さんには、濃い色が似合うんだな、って思いました。赤にしろ、青にしろ、紫にしろ、濃ければ濃いほど、なので、多分、黒に近ければ近いほど、ってことなんですかね、よりお似合いな気がします。
そして、青が本当に似合われてるよなあ。無理がないというか、馴染んでいるというか。海っぽいんだろうな、多分。光一さんは空、剛さんは海、っていうイメージがあります、前にも書いた気がするけど。あの時は、逆に思ってたかなあ。
まあでも、剛さんは海だからこそ、見えるのに手が届かない空、自分と対のような存在に焦がれるのかな、なんて思わなくもないです。

・上半身全体を使って歌ってらっしゃる剛さんが、本当に良いです。私は、こういう歌い方をする人が結構好きなんですよねー。身体を楽器にして歌おうとする人が。剛さんは、普段はあまりこういう歌い方をされてないような気がするので、新鮮で凄く良かったです。やっぱり、根っこの表現力がある人は何をやっても良くて、素晴らしいよなあ。

・泣き顔を撮られる角度が、真正面ではなく、斜めからな辺りが剛さんらしい。そして、一瞬だけ、耐えるように目線が上に行くときの表情が、本当に綺麗で、剛さんの強さでもなく弱さでもない、人を惹きつける性質が出てるような気がして、凄く好きでした。ああいうところに気持ちを持って行かれるんですよねー、私は。私にとっての剛さんの引力は、やっぱりあの、何だかんだ一人でじっと耐えることが出来てしまいそうな感じなのかな、って思います。剛さんは、泣くにしても崩れるにしても一人であるように、漠然と感じているのかもしれません。

・とか言いながら、三度目に見てるときくらいに唐突に、「光一様…!剛さんが…!泣いてらっしゃいます、どうしましょう!」みたいな気持ちに、急になりました(笑)何だろう、助けを呼びたいような、ずっと見ていたいような、あるいは、見てもらってこの感覚を共有したいような、不思議な感覚が。

・にしても、今更なんですけど、歌いながら泣いてらっしゃるとは思いませんでした。こう、もっと凄まじい感じで泣いてらっしゃるかと思ったんですが、綺麗に泣いてらっしゃったので、そこでも、ああ、剛さんだなあ、ってなんとなく納得しました。凄まじく泣いてらっしゃるのは、さらけ出せ無さそうだもんなあ。
素直に泣き出すのではなく、波が産まれるように泣きだしてらっしゃる感じも、何だか剛さんらしくて、きっちりと盛り上げていく感じを、多分、自然にしてらっしゃって、この人はやっぱり、アイドルさんなんだろうな、って感じました。魅せることが沁みついてるというか。

それと同時に、歌うことに意味を持たせることが出来る人だな、って思います。まあ、分かってたことなんですけどねー!(笑)
言葉が、歌になることで威力を増すことがあって、剛さんは言葉に力を与える歌い方が出来る方だよなあ、って感じます。技術云々も勿論あるでしょうけど、歌声に自分の魂を溶かし込むことが出来る人だな、と思いますし、そういう人が居てくれて、そういう歌声を聴けるのは、凄く幸せだな、といつも感じます。

・とにかく、歌う剛さんと、剛さんの表情が美しくて、何ですかね、懸命に歌ってらっしゃるのが伝わってきて、自分の芯が安らぐような気持ちになりました。剛さんの歌声に触れると、たまにこんな気持ちになります。痛いものに触れることで和らぐような、純粋さのあまりの痛さに、かえって自分の中の何かが居場所を見つけるような。買って良かったです。多分、何度も見そうだな、これは、って思います。

ということで、今のところの「瞬き」(他の曲も含めて)の感想をまとめておきます。
・私は基本的に、何でも忘れていっちゃうんですよねー、本気で怒った感覚以外は。幸せだった瞬間、とか、聞かれても咄嗟には思い出せない。あったはずなんですけど。小さい頃のことは特に、自分でも心配になるくらい、色々と覚えていません。具体的な「ああだったよね?」とかっていう話をされても、全然、分からなくて。
苦しかったときの感覚、とかなら、結構覚えてるんですけど、どうなんだろうな、他人が関わるとあんまり覚えていられないのかな。身内との記憶も、結構な時間を過ごしているはずなのに、あんまり覚えていなくて、驚かれます。
なので、「瞬きするたび大切なものが消えていく」って、凄く分かるなー、って思うんですよね。
私は、ここら辺、変に乾いたところがあるので、惜しいともあんまり思えないんですけど。ある意味、光一さんタイプなのかなあ。未來のことはあまり気にならないし、過去のことも、ほぼ思い出さないし、忘れてしまうし。でも、今回、剛さんは、その儚さを愛する、っていうスタンスでいてくださったので、何だろうな、ありがたいな、って思いました。忘れていくこと前提で、覚えておこうよ、大切にしようよ、ではなく、記憶できない儚さを愛していたい、って歌ってくださる感じが、私みたいな欠落の仕方をしている人間には、凄く優しく、ありがたく感じられます。

・剛さんは痛覚が鈍らないよな、っていうのも、今回は凄く感じています。普通、もっと色々と鈍っていくものじゃないかなー、と思うんですよね。
特に、痛みって慣れてしまうものであるように思います。でも、剛さんは、「痛みだけは忘れたくない」って歌ってらしたのを実行するように、痛覚が鈍らない方だな、って感じます。そして、そういう所が、本当に好きです。多くの人は、痛みに麻痺したり、痛みが和らいでしまったり、癒されてしまったり、痛覚が鈍ったりして、痛みからの救済、痛みから癒しへ、みたいな路線になるように思うのですが、剛さんは今のところ、ずっと痛みを覚え続けてらっしゃるな、って感じるんですよね。それは、稀有な例だな、と思います。特に男性では。私自身、痛みから抜け切れず、しかも、どこかで、でもないか、結構強く、痛みから抜け出したくない、忘れてしまいたくない、そういう訳にはいかない、と思いながら生きているので、剛さんの作品や歌声に触れると、安心するんですよね、多分。勿論、痛みなんてものからは離れてしまったほうが、幸せにはなれるんでしょうけど、そこを私は、剛さんに関しては、心から望むことが出来ない、酷いタイプの人間なんだろうと思います。重ね重ね、申し訳ないです。

・剛さんが持ってらっしゃる種類の美しさが、よく表れてる作品なように感じるので、もうこれは「天魔盤」も買っちゃおうと思います!外れなさすぎるので、もう一枚くらいは、なんてことないです!(笑)
どうしましょう、じわじわと、予期していた全買いに近づいてしまっています(笑)
が、もう本当に好みすぎてですねー。単純に、幸せだな、と思います。