髑髏城の七人 ゲキ×シネ 劇団☆新感線

友達が「良かったよ!」って薦めてくれたので、観に行ってきました!
18時10分から、21時30分まで、幕間15分を挟んだ上映でした。

いやもう、すっっっっっっごく!良かったです!面白かった!
やっぱり、舞台、心から愛してる!!
この一年間封印していた舞台への愛と情熱が呼びさまされて、ほんの一瞬だけ、部活を辞めてバイトを沢山して、舞台を沢山見たい!!って血迷いかけました(笑)
それくらい、興奮したし、笑ったし、惹きこまれたし、ほろりときたし、何より、出てくる方が、ほとんど皆さん、物凄く上手かった。そして、エネルギーに満ち溢れてました!!

新感線さんは、ずっと気になっていながら、見に行くことが出来ないでいたのですが、今回、映画館で観て、こりゃあ、人気にもなるよなあ!って、凄く納得しました。

私が行けるとこでは、明日まで公開なのが残念です。
もう一度くらい、観たかったなー!!

ゲキ×シネ、というのは、舞台を映画として撮って、映画館で公開するもので、この「髑髏城の七人」で十作目、ということでした。

出演が、小栗旬さん、森山未來さん、早乙女太一さん、勝地涼さん、小池栄子さん、仲里依紗さんなど、若いから、旬だから、名前が売れてるから、という理由で選ばれたのかな、って感じてしまう(すみません!)皆さんだったので、正直、そこまで大きな期待はしていなかった部分があるのですが、皆さんもう、凄く良かったです!!完全に、良い方に予想を裏切られました!

織田信長が没した後、天下統一を成し遂げようとする豊臣秀吉の行く手を阻もうとする関東髑髏(どくろ)党と、その野望に立ち向かおうとする者たちの宿命の戦いを描く。」っていうのが、ごくごく簡単なあらすじなんですが、ちょっとこれだけでは面白さを伝えきれない・・・!どうしよう!

ここからは、完全に、自分のためだけの感想かつ、何のことだかわかんない感じになっちゃうと思います、すみません!今日はこの感激だけを、とりあえず書き残しておきます!

小栗旬さん
4年前になるのかな、大阪まで頑張って行って、「ムサシ」という舞台を生で見たことがあるのですが、やっぱり、この人には天性の華があるなあ!って改めて感じました。
これが主役タイプ、っていう人なんだろうなあ。そして、相変わらず、声が物凄く良い。舞台映えする人です。そして、「ムサシ」という舞台は、小栗さんと藤原竜也さんでやったあと、小栗さんが演じた小次郎役を勝地さんが演じた、勝地さんと藤原さんバージョンも存在するので、お二人が一緒に出られてる場面では、おお、新旧小次郎・・・!ってちょっと面白くなりました(笑)

森山未來さん
いやー、良かった!凄く良かったです!私は、森山さんはもう6年前かな、に、「血の婚礼」という舞台を拝見していたんですが、あの時よりもずっっっと良かったです!身体の使い方の上手さ、しなやかさは相変わらずで、流石、という感じだったんですが、お芝居のほうが、「怪演」と表現されるのも分かるくらいの、迫力と上手さがあって、引きずり込まれました。破綻してしまいそうなくらいぶっちぎっちゃってるけど、ギリギリのところで崩壊させてしまわずに済んでる感じで、そのギリギリさが良かったです。こんなお芝居をするようになられたんだなあ!!っていう感動がありました。そして、全力で若さを生かしてらっしゃる感じで、これだから舞台は良いんだよなあ!って思いました。この年齢でしかできない、という良さがあったように思います。

早乙女太一さん
早乙女さんに関しては、とりあえず全身全霊で謝りたいです、すみませんでしたー!!
甘くみてた、と言わざるをえません!それくらい、心を鷲掴みされました!!!

いや正直なところ、早乙女さんは以前から凄く好きだったんですが(扇の扱い方とか、自分の身体の使い方とか、天性の才能を感じずにはいられなかったので!)、今回はきっと、「ちょっとアクセントに違うジャンルの人いれたくない?早乙女君とか良くない?」みたいな感じで使われた色物枠なのか、って思っちゃってました。が!もう、ぜんっぜん、そんなものじゃなかったです。完全に分かってなかったです、すみませんでしたー!!

早乙女さんは凄い!!上手い!!ただ単に美しいだけでなく、上手い。お芝居も、殺陣も、あれはもう、大衆演劇が作り出した最高峰の芸術作品だな!って感じました。殺陣に関しては、速さと美しさ、魅せかたの上手さ、全てが、ほんっとに別格でした。出てらっしゃるかた皆さん、身体能力が高くて、殺陣もお上手だったんですが、やっぱり早乙女さんが出てきちゃうと、他の人が皆、雑に見えちゃって、早乙女さん、恐ろしいな・・・!って思いました。何もかもが違う。

それから、お芝居に関しても、正直、大衆演劇ということは・・・、って、勝手なイメージだけでちょっと思っちゃってたんですが、もう、素晴らしかったです。得意分野であり、はまり役であろう役であったこと、役的に物凄く!美味しい役だったこともあるにはあったと思うんですけど、あれはもう、天才だな、って実感しました。
佇まい、歩き方、背の向けかたに至るまで、不自然さや作り過ぎてる感が全くなく、動作だけで多くを語ってくる。表情だけで、凄く繊細なところまで伝わってくる。そして、台詞も凄く上手い。今回、大衆演劇というものに対するイメージも、大きく変わりました。早乙女さんみたいな人が出てくる、ってことは、「大衆」とは言っても、安っぽいものじゃないんだろうなあ。

美しさと変わっていきかたに凄みすらあって、流石、一つの業界を背負ってる人は違う、って強烈に思いました。どの瞬間も美しかったです。あれで21歳・・・。先が楽しみすぎます。

そして、演出のいのうえさんとは、もう非常に趣味が合うな!って感じました(笑)
早乙女さんの役は、もう早乙女さんがやるしかないな、っていうくらいハマり役で、かつ、物凄く美味しい役だったんですね。凛々しく、それでいてどこか儚く、真っ直ぐであり、だからこそ脆い。信長に対する執着と思慕を捨てきれず、最期まで、美しく囚われ続ける。

その信長への思慕を森山さん演じる役に、まあ利用されてしまうんですが、森山さんから、口移しで無理矢理薬を飲まされ、白い衣装に、早乙女さんの口から血が滴っていく様は、物凄く官能的で、いのうえさんがやりたかった気持ち分かるなー、って感じました(笑)

そのほかにも、あの役を早乙女さんに、っていうのは、ある意味、この世で一番正しい早乙女さんの使い方の一つなんじゃないか、って思うくらい、殺陣にしろ、酩酊させられた後の、亡き信長への思慕だけにすがる様にしろ、最期の、今度こそは、という自分の想いをつらぬく真っ直ぐさにしろ、見事に表現されていました。あそこまで「それっぽい」、というか、ある種ありがちなところのある役柄だと、どうしてもわざとらしくなりやすいと思いますが、早乙女さんは全てに無理を感じませんでしたし、惹きこまれました。素晴らしかった。そして、再度書きますが、美しかったです(笑)


ストーリー自体は、基本的に王道で、ややこしいこと、矛盾することは一切なく、勧善懲悪もの、と言っていいと思います。複雑なメッセージ、道徳的なメッセージがあるわけでもない。だからこそ、登場人物の、もしくは、それらの人物を演じる役者さんそれぞれの魅力をダイレクトに感じられて、凄く良かったです。うん、筋自体、展開自体も飽きさせず、引っかかるところもなく、それでいて意外性もあって良かったんですが、あれは役者さんそれぞれの魅力、強みを最大限生かすことの出来る作品であり、今回のキャストも、見事に自分の魅力を出し切ってらしたように思います。

ずっと昔、演劇に人々が求めたのはこういうものだったんじゃないかな、みたいな感覚にもなりました。ひたすら惹きこまれて、おもしろくて、ドキドキして、笑って、ほろりときて。エンターテイメントってこういうものなんだろうな、っていう感じの、勢いと迫力ある舞台でした。

これは本当に、生で見てみたかったなああああ!何故私は九州に住んでるんだろう!
まあでも、映画館で見れて、とても嬉しかったです。
が、思ってたよりずっと映画っぽく撮ってあって、全体が映されないところがあったりもしたので、余計、舞台としても見てみたかった・・・!って感じました。
役者さんのアップが多くて、表情がしっかり見れた、っていうのは、とってもありがたくもあったんですが!どちらも、って訳にはいきませんもんねー。仕方ない。
とにかく、大満足でした!!

秋には、藤原竜也さん主演のものもゲキ×シネで上映されるそうなので、それはもう行くしかない、って、今から凄く楽しみです。そうそう、藤原さん、「藁の盾」という映画の予告も見ることが出来たのですが、相変わらず濃い役を・・・!って、そのぶれなさに惚れ直しました(笑)
ああいう役の藤原さんなら、観ときたいなあ!

映画館に行けたの自体久しぶりだったのですが、もうとっても良い時間、濃い時間を過ごさせていただきました。良い日だった!
他にも色々と書きたいんですが、今日はもう寝ます!
おやすみなさい!