思えば遠くへ来たものだ。

ってここ数日、思います。

一日、一週間、一か月が本当に早い。充実してる、ってこういうことなんだろうな。
急激に生活が変わって、新しい人達と関わって、初めての経験ばかりしてる。昔は、そういう生活が続くと、色々と崩れてしまっていたけど、今は結構落ち着いて色々とこなせるので、年を重ねるのって、楽になることでもあるんだな、って感じます。

それから、多分、人のことをそこまで考えなくなった、っていうのも楽になってきた理由だと思う。私、凄く嫌な子供だったんですよね。周りの人、特に身近な大人を、「かわいそう」だと思うことが多かったんです。

何か買ってきてくれたら、例え好きなものではなくても、喜んであげないと申し訳ないし、かわいそう。本当は好きな食べ物じゃないけど、美味しい、って言わないとかわいそう。とかって考えて、沢山の嘘をついてきました。こうやって文章にすると、本当に、どれだけ上から目線なんだ!って感じなんですけど、真剣に、相手の好意、善意を踏みにじったりしたらかわいそう、って考えてたんですよね。祖父母に対しては特に、「かわいそうだから」っていう感覚が強かった。

だから、自分が何が好きで、何が嫌いか、未だに、ちょっとよく分からないところがあります。あまりに長い間嘘をつき続けてきたし、自分でも、色々と思い込むようにしてたので、最近になってやっと、「あ、私、本当はこれ嫌いだ。昔から嫌いだったのに、好きだって嘘ついてた。」って気が付くことが増えてきました。

そして、気が付く、っていうのは楽になることでもあるんだな、って感じてます。あまりに当たり前にやってたけど、実は無理してたんだな、って気が付くと、だいぶ楽になる。それに、自分が年を重ねたことで、大人の人は、私が考えていたほどは弱くないんだ、って分かってきたので、年上の人を「かわいそう」だと思うことは随分減りました。

ただ、そこまでは良かったんですけど、最近、自分がそうやって嘘をついて、気を使ってきたことを逆恨みしてるところがある気がするんですよね。何で、自分は天真爛漫な子供でいられなかったんだろう、何で、あんなに必死に気を使ってたんだろう、いつも疲れてたんだろう、って、たくさんの物を恨んでる、気がする。自分で勝手にやってたことなのに。

それから、今も少しずつ本を読んでるけど、自分が女であることも、嫌だとかではないし、男になりたいわけでもないけど、恨んではいるんだと思います。女に生まれてきたことを、性別を、心から恨んでる。

そういう、何かを恨む気持ちを、自分のうちにとどめるんじゃなくて、部活で身体を鍛えて、大きな声を出すことで、発散させることが出来てるのも、多分、今、落ち着いていられる理由なんだろうな、って思います。

半年前には予想もしていなかった感情、感覚、生活なので、本当に、人生ってどんな出会いがあるか分からないし、自分がどう動きたくなるかも分からないな、ってしみじみと思います。

小さい頃、人のことを一生懸命考えてた頃からすると、随分と遠くへ来てしまったな、って。