藤原竜也さん

あー、連休あっという間だったなあ。
このブログ、意外と、ミソジニーとかの単語でいらっしゃる方が多いんですけど、そこら辺のことをまだあまり書けてないんですよね。考えてると、本当に嫌な気持ちになってくるので、自分に余裕があるときにしか向き合えない。ただ、今回の連休中に身内に会ったときに、私の歪みの根本は、やっぱり「自分が女であることを受け入れがたい」と思ってることにあるんだろうな、って感じたので、少しずつ向き合っていこうと思います。

何で、自分のことを少し話しただけで、自分よりいくつか年を重ねてるだけの男の人達に、人格を全否定するようなことを言われないといけないんだろう。私は別に、サンドバッグじゃないんだけどな。
昨日は、キンキさんと剛さんのアルバムを延々聞いてました。『愛について』とかちょいちょい泣きそうになったけど、昨日は、久しぶりに聞いた、NIPPONの『Help me Help me・・・』が本当にグッときた。自分が弱っていて、何もかもが気持ち悪くなってしまっているときにあれを聞くと、何だろう、人間って捨てたもんじゃない、大丈夫、こんな声で、こんな風に「愛してる」って繰り返す人もいてくれるんだから、って思えます。うん、文章にすると本当に重たい聞き方しちゃってるな。なんとなく、剛さんに謝りたくなる。そして、こんな気持ちでの初聞きになるのが嫌で、結局、通常版を聞けなかったっていうなあ・・・、これもタイミングなんだろうけど。

暗い話はここまでにします。

今日は、藤原竜也さんについて、少し書きたいんです。私、あと10年早く生まれてたらなああ!って悔しくなるときがあるんですよね。私が好きな芸能人は十歳以上年上の人が多いので、好きになる前の活動を知って「その作品をリアルタイムで味わいたかった!」って思うことがよくあります。

特にそう感じるのが舞台役者さんで、藤原竜也さんに関してはほんっとに悔しくなるときがあります。この目で藤原さんの今までの舞台、特にハムレットを見たかった・・・!ハムレットは、テレビでチラッと見たときにどうしても全部見たくなって、映像を見たことがあるんですけど、もう、凄まじかったんですよね。


2分50秒からが一番有名な「to be, or not to be.」の場面です。
この作品はずっとこのテンション、スピードなのに、藤原さんはほぼ出ずっぱりで、台詞量が本当に多いんですね。そして、ハムレットって本来は、キャリアを重ねた役者がやるべき難役とされているので、21歳だった藤原さんがやる、ってなったときに「若すぎる、絶対に失敗する。」と言われてたんです。

藤原さんとしては、自分が主演でやる、っていうだけでなく、自分を見出して育ててきてくれた演出家である蜷川さんの顔に泥を塗るようなことは出来ない、っていう思いが強くて、本当に自分を追い込んで稽古をしてらしたそうで、円形脱毛症になるわ、薬は飲むわ、共演者も皆さんピリピリしているような、凄い空間だったそうです。結果は大成功で、この作品は主な演劇賞を総なめにしたんですけどね。

私の舞台好きは藤原さんから、というか、多分、初めて好きになった芸能人って藤原竜也さんだと思う。何かの番組でチラッと見た、『身毒丸』っていう作品のポスターに物凄く魅かれて、藤原さんのことを調べたら、初舞台の15歳のときからずっと、沢山の強烈な舞台に出てらっしゃることが分かって。舞台、ってこんなになんでもありで、めちゃくちゃで、エネルギーに満ちていて、倫理も道徳も関係ない、生身の人間がいるところなんだ!って感じました。

そして、舞台で使われている言葉は美しかった、というか、正しく感じられたんです。力がある言葉が話されていた。ごまかしのきかない空間では、ごまかしのない言葉しか意味を持つことが出来ないんだなあ、って、舞台が大好きになりました。

そして、ハムレットだけでなく、藤原さんはお仕事に関して、異常なくらいストイックでひたむきな方なので、私の「頑張ってる」とか「きつそう」の基準は、物凄く高くなってしまいました(笑)
素で話してらっしゃるときは、飾らなくて、笑顔があどけない方なんですけどねー。
舞台に関しては特にストイックなので、私、NHKの光一さんのSHOCKに関する番組を見ても、そういう感動の仕方は出来なかったんですよね。真っ当に、舞台に立ってらっしゃるんだな、流石だな、とは思ったけど、あれが普通だよな、舞台だもんな、って思ってさらっと見てしまったのを覚えてます。あの番組はむしろ、光一さんの冷静さが印象に残ってるんですよね。ああ、この人は賢くて、真っ直ぐな人なんだな、って思った。あ、そういえば、光一さんと藤原さんは考え方が結構似てると思います。

藤原さんは、「じゃあ、やれよ。」っていう言葉がお好きなんだそうです。演劇論を交わすのもいいけど、結局は板の上でどこまでできるのか、何をやれるのかでしょ、って考えて、自分を追い詰めていく。その、自分に甘えることを許さない姿勢が、光一さんと似てる気がします。

藤原さんの舞台は、九州ではなかなか見られなくて歯痒い思いをしてるんですけど、これからも、あのひたむきさを失わず、「半分の自信と半分の不安」を持ち併せて仕事をする、素敵な役者さんでいてほしいな、って思ってます。今は、とにかく、これは!っていう作品を見に行けるようにお金を貯めたいな。