愛しぬけるポイント

B'zさんの『イチブトゼンブ』っていう、山下さん主演のドラマの主題歌でもあった曲の歌詞が好きで、時々思い出します。
『愛しぬけるポイントがひとつありゃいいのに それだけでいいのに』っていう部分。

ほんっとにそうなんですよね。私、今のところ、一度好意を抱いた人を嫌いになったことって無いんです。身近な人も、芸能人も皆そう。人間同士だから、自分と合わないところなんて腐るほどあるけど、そんなことはどうでもいいんです。愛しぬけるポイントがひとつあればそれでいい。でも、この感覚って、よくよく考えたら酷い、というか失礼かもしれないな、って最近思います。

芸能人に関しては特にそうなんですけど、私にとっての『愛しぬけるポイント』って、その人達の過去の実績なんですよね。実績、っていうと数字のことだけに聞こえるけど、そうじゃなくて、その人が関わった過去の作品や、仕事に対するスタンス、言動、見た目、声、考え方、等々、過去に一瞬でも、好きだ!って感じられるところを持っていた人は、どんなに方向性が変わっても嫌いにはならない。林檎ちゃんとか、Coccoさんもそうなんですけど、長くやってらっしゃる方は、やっぱり変わっていきます。でも、今の感じは自分の好みとはちょっと違うな、変わったな、って思っても、だからといって熱は冷めないし、追うのをやめる気にもならない。

それは多分、皆さんの実績を愛してるからなんだと思います。たとえ、私が応援してる人達が、これからとてつもなく変わっていってしまっても、過去は変わらない。そして、その人達が、ありえないくらいのエネルギーに満ちた瞬間を持ってくれていたことや、素晴らしい作品を生み出してくれたことは、間違いないことです。その事実だけでもう、ずっとその人達を愛していけるし、なんだろう、感謝したくもなるんですよね。過去にこんな風でいてくれて、そして、こんな作品を出してくれてありがとう!!って気持ちになる。そして、その気持ちがあるから、ずっと応援していけるし、その人達を好きでいることが出来る。

でも、これって多分、その人達の「今」と「これから」には、あまり重きを置いてない、ってことでもあるんですよね。だからこそ、そんなにやきもきすることも無く応援することが出来るし、自分の要望が叶えられない、みたいなフラストレーションもそんなにため込まずに、ずっと好きでいることが出来る。これはこれで失礼なんだろうなって思います。今よりも過去を愛してる、とかっていうつもりは全然無いんですけどね。自分が好きになれるような過去がある人だからこそ、今のその人のことも好きでいられるんだろうな、とは思います。

こんなタイプの人間なので、私にはジャニーズジュニアの子のファンになるのは無理だろうなあ。未来だけはある、みたいな、大した実績の無い人を好きになることはあんまり出来ない。「この人良い、好きだ。」ってずーっと思っていられるような実績を既に残してくれてる人じゃないと、安心して応援できないんです。自分はそのうち、この人のことを好きでいられなくなるんじゃないか、って自分の心変わりに怯えながらファン生活を送りたくないんですよね。だから、変えられない過去に、私が『愛しぬけるポイント』を作ってくれた人達を好きになるんだと思う。

そういう意味では、キンキさんはばっちりです。今までの活動の中に、大好きな要素が沢山ある。そして何より、こんなに長い間、一緒に活動してきてくれてる、っていう事実だけで多分、ずっと好きでいられます。それに、キンキさんに関しては、本当にありがたいことに、今も、これからも期待することが出来るんですよね、私には珍しいことなんですけど。これからが楽しみだな、って心から思ってますし、過去だけじゃなく、現在のお二人もとても好きです。だからこそ、ファンやっててこんなに楽しいんだろうなあ、って思います。