芸能人に求めること。

私、沢尻エリカさんが好きなんですけど、そういうと大体の人に「えー・・・。」って言われます。ちょっと高飛車で、一回不機嫌な時に対応しちゃっただけじゃん!って思うんですけど、叩かれましたよね、彼女。私は、芸能人を自分の尺度で批判する人達の気持ちがいまいち良くわからないので、あれは不思議でした。そりゃあ、一般社会であれはきついですけど、彼女は芸能の人ですから、何も問題ないように感じられたんですけど。

沢尻さんに限らず、Coccoさんとか、鬼塚ちひろさんとか、私が好きになる芸能人は大体、あんまり大衆受けしない人達で、なんでかなーって考えたら、私が芸能人に求めることが「大衆受けしないこと」だからかもしれない、って気が付きました。

まあ、大衆受けしない、と言っても、沢山の人に存在を知られてはいる、っていうところまで来た人じゃないと好きにはならないんですけど。マイナーでいられる人は、基本的には、紛れることが出来るくらいの色しか持ってないし、ただエキセントリックなだけで、世に出てくるだけの実力を持ってない人も好きじゃないし。

勿論、好きな人達は皆に愛されてほしい、売れてほしいと思ってはいるんですけど、それが難しいくらい癖が強くて、好き嫌いがはっきり分かれるような人が好きなんです。大衆受け出来ないくらいに濃度が高くて、さらっと消化することができない作品が好き。そういう作品じゃないと、自分のお金を出す気になれない。

私の感受性が鈍いからなんでしょうけど、普通に生活していたら触れることが出来ないくらいの激情や、常識はずれな言動、繊細さを表に出せる人の作品じゃないと、なんとなく受け流しちゃうんですよね。良いし、好きなんだけど、カラオケで歌うくらいでいいや、って思っちゃう。

私は、芸能の世界って普通に生きることが難しい人の受け皿でもあると思うので、芸能人に一般常識とか全く求めてないし、むしろ、ただの「ちょっと顔が良い常識人」なら芸能に関わる必要なくない?普通に生きていけるでしょ?って思っちゃうんです。常識人ばかりで作る芸術作品、って考えただけで気が遠くなるくらいつまらない。芸能に生きる人間であっても社会人なんだから、って言われたらそれまでなんですけど、芸能ってやっぱり常識から外れた人がやらないと意味がないと思うし、才能さえあればそれ以外は何もいらない世界だと思う。性悪だろうが、異常だろうが、作品が素晴らしければ何の問題も無い。

ライブにしても、別に楽しませてくれることなんて求めてないんです。お客様第一主義のエンターテイメントがいまいち好きじゃないのは、ここら辺なんだと思う。才能と並外れたエネルギーが迸っている様を、ただ見せてくれたら、それでいい。客のことを考える余裕なんて無いくらいに、自分の中からあふれ出てくるものを吐き出すのに精一杯であってほしい。客ではなく、自分のために歌っていてほしい。
「客はあくまで、行き場のないエネルギーをぶつけるためだけの存在で、語りかける目に見える対象として存在していればいい。でも、自分がこうやって叫ばずにはいられないのを、見守ってくれる存在でもあってほしい、一人ではとても耐えられないから、多くの人にこの、自分の激情を知ってほしい。」みたいに見える人に惹きつけられる。

お客様を楽しませよう、っていうノリにはなんとなく冷めてしまうんです。そりゃあ、お客さんは楽しむために来てる人が多いんだろうし、お金を出してくれてる以上はビジネスなんだから、っていうのはあるんだけど、出来ればそういう意識は持たないでいてほしい。
お客様へのサービス精神なんていらないから、自分の才能だけ、感性と生身の想いだけを持ってステージに立ってほしい。自分のファンとすら交わることが出来ないくらい孤独な人を見たいし、独りよがりでいてほしいんです。あなたが純粋に自分の世界に没頭して、楽しんでいたり、苦しんでいたりする姿をただ見せてくれたらそれでいいから、って思う。

基本的には、純度の高い、その人独自の世界観と、力のある作品だけを、芸能人に求めてるんだろうなあ、って思います。人柄とか見た目は二の次な感じ。勿論、良い作品を出してる人が好みの性格や見た目だと凄く嬉しいんですけど。