いのちの最後のひとしずく

カバーする曲として、この曲を選んでくれて本当に良かったよなあ!
この曲、一度聞くと、どうしても五回はリピートしてしまうくらい好きです。だから、時間があるときしか聞けません。聞きたいのに、好きすぎて気軽には聞けないこのジレンマ・・・!(笑)

原曲は達郎さんが一人で歌ってらっしゃるのを、二人で歌ってるんだな、と考えると、余計に味わい深いんですよね。この歌詞は女性が一人で想ってることなのに、それを二人で歌って表現する。キンキさんみたいに声質が似ている人達じゃないと、歌詞の世界観が成り立たなくなっちゃうんじゃないかと思います。

そして、サビでの声の交わり方、というか溶け合い方を聞くたびに、キンキさんはなんてドラマチックなんだろう!って感動します。お二人が同じ苗字で同じ年で云々、っていうのを知らなくても、この声の重なり方を聞けば、お二人のドラマチックさがわかると思う。明らかに、特別な相性の二人なんだな、って聞くたびに痛感させられます。本当に、お二人はどう感じてるんでしょうね。偶然組まされた相手と、こんなにも声の相性が良い、ってどんな感覚になるんだろう。

いのちの最後のひとしずく』っていう題名からして、綺麗で儚げで、まさにキンキさんの十八番ですよね。そして、怖いくらいに重たい愛情を歌った歌詞が、キンキさんに良く似合ってる。私、この歌詞ちょっと怖いんです。特に、ラストで三回「あなただけを」って繰り返すところが怖い。絶対に逃がしてくれなさそうな感じ、というか(笑)
でも、この、怖いくらいの愛情を、キンキさんなら歌詞に負けずに歌えるし、怖さを潜ませた美しさを上手く表現できてると思う。

この歌の歌詞は、三人以上で歌ったら、なんとなくぼやけますよね。たった一人の私が、たった一人のあなただけを愛してる、っていう一対一の重さを表現するには、一人で歌うか、二人で歌うのが望ましい。そして、二人で歌う場合、どうしてもお互いのことを歌ってるようにも聞こえてくる。その意味では、組んでから2,3年のコンビじゃなくて、15年、二人ぼっちでやってきたキンキさんだからこそ映える歌詞な気がします。痛みも憎しみも、傷つけあうこともあって、それでも二人で生きましょう、っていう歌詞や、あなたと私しかいない、っていう閉鎖的な感じがキンキさんの関係を思わせて、二人で歌うからこその新しい色が曲に加わる。これが、グループの面白さ、一人では表現できない世界だよなあ、って感じます。