「アイドルだから」は魔法の言葉

ここ数日の記事にお星様ありがとうございました!

今日書くのは、キンキさんの魅力に負けるまで、の番外編みたいな記事です。

キンキさんの基礎知識を得たときに、「そうか、キンキさんはジャニーズ事務所所属のアイドル、っていうものなんだな。」って改めて思いました。

で、それまでアイドルっていう存在に縁がなくて、曖昧な知識しかなかったので、「アイドルって結局何に秀でた人達なの?」っていうのをまず、疑問に思いました。顔が秀でてる、って言われたらそこまでなんですけど(笑)顔が秀でてる人は歌手にも俳優にも芸人にもいますし、「芸能」人として仕事してるんだから顔だけじゃなく芸能にも優れてるはずだろう、と。

歌を歌ってるのはよく見る、ダンスもしてる、ドラマにも出てる、バラエティもやってる、でも歌手でもダンサーでも俳優でも芸人でもなく「アイドルです」っていう。確かに、どれもその道の人達よりは正直に言ってかなり下手だったから、本職の人とは違う呼び方をしないといけない、っていうのは納得できました。

きっつい言い方になっちゃって申し訳ないんですけど、正直に言うと、改めてアイドルの活動を見たときに、最初は「なんて中途半端なんだ、何かを極めるのが芸事に生きるってことじゃないのか?」って感じたんです。そんなに色々手を出してたら、どれもそこそこにしか上手くならないのは当たり前じゃない、って思ったし、「自分にはこれ(歌、ダンス、演技、笑い)しかない」っていう切羽詰った思いがないとどうしても本職の人には劣ってしまうし、作品のクオリティも下がるだろう、って思っちゃったんです。

でも、とにかくそれが「アイドル」ってもんなんだ、と理解して、フラットな気持ちで考えると、「それだけ色々なことが(一応ではあっても)出来るのはこの人達だけだろうな。これはこれで大変だろうし、凄いな。」と思いました。一つ極めるのも大変なんだから、どれもこなすっていうのは、しかも人様にお見せ出来るくらいのものにしなきゃいけない、っていうのは並み大抵じゃなく大変だろう、って。

人間なんだから、これだけやってたら何か一つは苦手なものがあるだろうに、それでもやるしかない。しかも本職の人の前で仕事をしたり、本職の人と一緒に仕事をしないといけない、っていうのは辛いだろうに、いつも笑顔で楽しそうに頑張ってるよなあ、すごいな、この人達、って素直に思いました。

それから、アイドルについて意識しだすと、よく聞く言葉があることに気が付きました。それが、タイトルにもした「アイドルだから」です。「アイドルの割には」「アイドルの癖に」「アイドルなんて」「アイドルらしい」とかも聞いたけど、「アイドルだから」が一番多かった。

「この人、演技下手過ぎる。誰?」
「ああ、アイドルだからしょうがないよ。」とか、
「何この人達、歌が下手すぎて耳障り。消して。」
「アイドルだから下手でもいいんだよー!」とか、アイドルだから、っていうのが色々な場で免罪符になってた。それはやっぱり、アイドルが色々な仕事をこなさなきゃならないからなんだろうなんでしょうね。

でも、「そういう言われ方をするっていうのは、本人達にとってはどうなんだろう、虚しくならないのかな、この人達はどんなプライドを持って仕事をしてるんだろう。」って私はその時思ったんです。
それまで私がファンになった人達は、最上級の質を求められて、それをさらに上回る作品を作ろうと頑張る、っていう仕事をしていたので、最初から質を求められない人達がどうやってモチベーションを保ってるのかが分からなかった。張り合いがないんじゃないか、張り合いのない仕事ほど辛いものはないだろうに、と本当に余計なお世話なんだけど、ちょっと心配しました。

それともう一つ引っ掛かったのは、アイドルはファンには物凄く絶賛されるし、愛されるけど、ファンじゃない人には馬鹿にされるし、所詮アイドルの癖に、っていう扱いを受けるってことです。
世間の人は、特に男性は(私の周りの人だけかもしれませんけど)アイドルなんてやってて恥ずかしくないのか、って言う人が多かったし、おそらく、どの分野でも本職の人からしたら、「色々なことに手を出しているアイドルに、自分が命をかけている職場を荒らされるっていうのは不愉快だ」と思われてるだろう、って考えると、アイドルって本当に難儀な職業だと感じました。

そうやってアイドルを取り巻く環境、とうか評価を見ていくと、特に20代後半からの男性アイドルが「アイドル」としてやっていくには相当の覚悟と、自分の「アイドル論」を持っていて、なおかつ「アイドル」である自分を好きじゃないと難しいだろうな、としみじみ思いました。その時から今に至るまで、私がアイドルに対して一番興味を持ってるポイントは、「自分がアイドルであることについてどういう考えを持って生活して、仕事をしているのか。」です。もっと大げさに言うと、「何を思ってアイドルとして生きてるのか。」

だからもう、アイドルの皆さん、特にジャニーズの皆さんには「俺のアイドル観」とか「俺のアイドル論」みたいなものを書いてもらって、あわよくば対談とかしてもらいたいと本気で思ってます(笑)
そこにこそ「アイドル」っていう存在の魅力が詰まってると思う。彼らが何を思って胸を張って「アイドル」をやってるのか、笑顔を作れないだけで叩かれたり、恋愛をするにも気を遣ったり、心ない人に馬鹿にされたりするのに、それでも「アイドル」であり続けたいと思う理由はなんなんだろう。

彼らのほうから見た「アイドルだから」こういうメリットがあるんだ、それはデメリットよりも大きいんだ、と考える理由を聞いてみたい。

「アイドルだから」っていうのは、多分、彼らがキラキラ輝くための魔法の言葉でもあるんだろうなと思うんです。自分はアイドルだから、っていう意識があるからこそ、人並み外れた輝き方が出来るんだと思う。そして、その「アイドル」の定義は人それぞれ微妙に違うんですよね。定義というか、「アイドル」っていう言葉に対するイメージは。「俳優=演技をする人」だし、「歌手=歌を歌う人」だけど、「アイドル=?」って聞いた時に返ってくる答えは一つじゃない。そこがアイドルの一番面白い、ロマンに溢れたとこだと思ってます。

そして、いつもながら記事が長すぎる・・・。一つの記事に詰め込みすぎなのかなー。