FNS歌謡祭

今回のFNS歌謡祭も、見応えのある曲が多かったですね。
尾上松也さんと山崎育三郎さんのコラボや平井堅さんと平手友梨奈さんのコラボ等、印象的でした。
坂本さんと井ノ原さんも、歌も素敵でしたし、凄く和みました(笑)

と、今だからこそ冷静に書けるのですが(笑)、当日は本当に、キンキさんに気持ちを持っていかれました。

○DESTINY

そもそも、ここでこの曲が来るとは思っていなかったので、選曲にまず驚きました。
というか、もっと言うと、事前収録の可能性も普通にあるよな、と思っていたんですよね。
それこそ、剛さんの状況も考えれば、そのほうが安心ではあったでしょうに、今回、こうして生放送で歌われた事、それだけでも凄いな、と思います。

一つ一つ、出来ることを確認してらっしゃるようにも見えて。

円卓には光一さんのみがいらっしゃって、例年との違いを改めて感じもしました。
剛さん御自身にとってすら多分、どこまでは大丈夫で、どこからは控えたほうが良いのかとか、そういうことってまだまだ手探りでやっていくしかないんじゃないかな、とぼんやり思ったりもして。

光一さんが西川さん達と楽しんでらっしゃる姿を微笑ましく見つつ、今までのようにはこの中に居ることが出来ないという、剛さんに起きた変化を噛みしめました。

剛さんにとっては、変化を実感することばかりの生活、活動でしょうし、しかも、今後、ある程度はそれに慣れていかないといけないんだろうな、と思うと、やはり、どうして剛さんなんだろうな、と思います。

待機時間はどう過ごしてらっしゃったんだろうなあ。

ということで、DESTINY。
やはり勢いのある、良い曲ですよね。
光一さんの歌い出しから、剛さんへ。

光一さんの御人柄をも感じさせるような力強さがありましたし、剛さんの歌声は、ふわふわと浮かび上がっていくようなものではなく、静かに深く沈んでいくような重さを感じさせるな、と改めて思いました。稀有な湿度。
それでいて、少し強さを出せば、たちまち遠く遠くまで届くような響き方をする。
「当たり前だと」の声には特に、ハッとしました。

お二人の声の溶け合い方も、剛さんの繊細な歌いまわしも、光一さんの全身を使おうとするような歌い方も、変わりなく聴こえました。
あれ以来初の生放送で、変わらない歌声だ、とこちらが感じる、その凄さ。

ヘッドフォンをずらすお姿とか、ひたすら音に集中しようとしてらっしゃるように見える御様子からしても、やはりどうしても、もどかしい部分はおありだろうなと思うのですが、それでもこうして、剛さんは進んでいかれるおつもりなんだな、と思いました。

半年程前はこうしてお二人が隣に立って共に歌うことさえ叶わなかった、それが今、剛さんはまだまだ万全でない状態のまま、それでもお帰りになって、光一さんと一緒に歌ってらっしゃる。

きっと、お互いに不安というか、今までとはまた違う緊張があったんだろうな、とこちらにまで伝わってくるような、そういうちょっと張りつめた感じもあって、キンキさんには、取り繕うという発想自体があまり無さそうだもんなあ、と感じました。

そういう素直なお二人だからこそ、様々なことが生々しく響いてくるんでしょうね。

それから、歌詞。
私、運命って自分では選べない、自分の意思ではどうにも動かせないものだと思っていたのですが、「一生、離さない」「絶対、離さない」って、自分の意思で「離さない」と決めている、という感じで、ちょっと面白いなと思いました。

「離したくても離せない、離れられない、だから運命なんだ」ではなくて、「これは自分の運命だ、だから離さない」って、自分で運命にして、自分で、相手を離さない、と選択する感じ。

なんとなく、確かに、キンキさんが歌う運命なら、そういう言葉の使い方もアリな気がするな、って思います。
結局、選択していくお二人だもんなあ、って。

それから、このタイミングで「近づくほど遠く感じる」と光一さんに、あんなに力を込めて歌われて、それを受けて剛さんに「そんなときが来ても大丈夫さ」と歌われると、キンキさんって、本当にたった二人で、お互いしかいないグループなんだな、と思いました。
どちらかが不安になっても、もう片方が大丈夫、と言うしかない、そんな最少人数でここまでやってこられてるんだよな、って。

○もう君以外愛せない

この曲は、お二人の声の溶け合い具合に凄く驚きました。
今更のようですが、こうして最小限の音の中で聴くと、改めて、驚くほどに声の相性が良い。
そして、互いに合うタイミング、互いに合う歌い方をしてらっしゃるんですよね。
思うように歌っているようで、互いの存在あっての歌い方になってる。

光一さんはこの前、「無意識の中で意識してる」という物凄いことをおっしゃってましたが、まさにこういうことなんだな、って思わされるようでした。

にしても、光一さんは剛さんと御自分とのことに関して、とんでもなく強い表現を出してこられることがあって、凄いな、って心底思います。これに関しても、無意識という、もはや自分ではコントロール出来ないくらいの深い領域まで剛さんの歌声や歌い方が浸透してる、とおっしゃっているようで、光一さんの剛さんへの情の傾け方も底知れないな、ってつくづく感じました。

それから、光一さんは言葉にちょっと苦手意識がおありな気がしますが、こんな風に御自分の中の感覚を言葉にすることに関しては、凄く上手いよなあ、って思います。

話を戻して、今回、光一さんがイヤモニを外してらっしゃったのも印象的でした。
光一さんが気にされるのはあまり見た覚えが無くて。
歌いづらかったのかな。

こうして聴くと、ここで歌われる幸せってどんなものなんだろうな、とぼんやりと思います。
手放しの、華やかに続く安定した生活、というような幸せではなくて、今にも壊れてしまってもおかしくないくらいの繊細な脆さもある幸せを、必死に守り続けようとするような。そういう幸せに聴こえる。
壊れてしまいそうな幸福だからこそ、たった一瞬でもいなくなられると不安になるし、一瞬でも離したくない、と思う。

だからこそ、「ずっとね ずっとね」という、願いのような繰り返しが効いてくる。
お二人だからこそですよね。お二人の声質、雰囲気、そして小作りで整った見た目。
全てが、キンキさんならではの色を作る。

お二人揃えば安定する、のではなく、なんなら、お二人揃って歌われると、よりその「幸せ」が繊細で、脆くて、だからこそ守ろうと必死になってしまうような、そういう、どこか哀しさの混ざった幸せに感じられる。
哀しさがあるからこそ、より際立つ幸福。
これがキンキさんの切なさに繋がるのかな、と感じます。

そして、幸せ、という言葉に絡めるなら、ふと、歌うことは剛さんを幸せにしてくれるんだろうか、と改めて考えたくもなりました。以前から何度も、浮かんでは消える疑問なのですが、歌うことは剛さんを幸せにしてくれるような物ではないのかもしれない、と偶に思うことがあります。剛さんの才能は、そういう種類の才能なのかもしれない、って。

剛さんに歌う事、歌って表現することの才能や技術や力があるのは間違いないと私は思っていますが(あの稀有な声質を含めて)、才能が、その持ち主を幸せにしてくれるのかは分からない。
その才能に触れる他者を幸せにはしても、持ち主本人をどれほど幸せにしてくれるのか。

剛さんの歌う時の表情には、特にここ数年の表情には、偶に、剛さんにとって、歌は幸せへの道ではないのかもしれない、と感じさせられますし、だからこそ剛さんの歌は良いんだろうな、と少し苦い気持ちで思います。

そういう種類の才能があるような気がする。
勿論、その才能故に感じることが出来る領域の幸せも沢山あるんでしょうけどね!
苦しみが不幸なのかと言えば、そうとも限らないし。
今のタイミングだからこそ、こう感じてしまう部分もあるかもしれません。
夏のイベントを見ると、また全く違う感覚にもなったし。

光一さんの持つ才能は、もう少し真っすぐというか、光一さん御自身が魂を、生命を、精神を燃やすことで輝いて他人の心を動かすという感じに見えます。
だからこそ、光一さんは本質的に健やかなんだろうなあ。

ここまでくると本当に、根拠も何もないただの戯言なんですけど(笑)

歌い終えた剛さんの目を閉じた表情が綺麗すぎて、思わず目で追ってしまうくらいでした。
今の髪型もあって、本当に、独特の美しさが出ていますよね。

そして、歌い終えた後の数秒、思うことがおありだったのかな、というような目線の動きに見えて、少し胸が詰まりました。目線を上げられた時に、こちらに戻ってこられたような。そう見えちゃうだけなんでしょうけど!!

こちらから見ると、綺麗な方はどうしても、物語を纏いやすくなるから。

今回、お二人の衣装も高級感のある黒で統一されていて、椅子に座ってらっしゃる御姿もなんだか似ていて、本当に綺麗なお二人だなあ、としみじみと感じました。

明日くらいには、イベントの感想も上げられるかな。
本当に、映像化していただけて良かったです。
あんなに幸せそうな笑顔を見せていただけるとは思わなかったし、あれは文字や写真だけでは伝わらないものだな、って心から感じました。

何度も見てしまうのですが、見るだけでなく、なんとか感想を仕上げたいと思います(笑)