4月14日(日)SHOCK昼公演感想

いやあ、何から書けば良いのかなー。
とりあえず、光一さんは発光してらっしゃいました。間違いないです、あの人は実は発光体です(断言)。
どの瞬間も、光一さんが舞台にいらっしゃるときは、この人が中心だ、って強烈に実感させられて、びっくりするくらいでした。
あれは本当に、ある意味、天性のものなんだろうなー。存在感が大きい、というより、引力が強い感じ。

始まってすぐ、これは全体を見たいなと思って、ほぼオペラグラスを使わずに見てたんですけど、三階立見席の二列目という、リアル最後列からでも、光一さんのお顔の美しさと小顔さとスタイルの良さはきちんと見て取れて、こんな人がいるんだなあ、って改めて驚きました。美しくない角度が無い。本当に綺麗な方でした!一幕ラストの衣装が似合いすぎてもう!!

そして、光一さんはバランス感覚や身体能力、筋力も勿論、抜群におありですけど、何より、体幹が凄く安定してらっしゃるんだな!って、今日、確信しました。あのフライングで何より大切なのは、体幹であるように思います。

それから、やっぱり光一さんは声が良いですね。お風邪をひいてらっしゃるってことだったので、ちょっと心配してたんですが、そんなに気になりませんでした。皆さん、お身体にお気をつけて、頑張っていただきたいです。

ということで、ここからはネタバレばかり書く上に、率直すぎる物言いになってしまいそうなので、下げます!!

そして、思い出したままに書くので、多分、いつもよりも更にごちゃごちゃした感想になっちゃうと思います、すみません!


まず、ストーリーに関してですが、正直、一幕は苦労しました。コウイチのキャラクターが、上手く掴めなかったんですよね。コウイチは最初、ヤラに対して、「周りを見れないと」って忠告したり、きちんとカンパニーをまとめ、皆に慕われていて、良い座長として描かれているように感じたんですが、トラブルがあった幕間での物言いがもう、小物過ぎて、どういう人物として描きたいのか、よく分からなくなっちゃいました。「じゃあ、俺抜きでやればいい!」みたいなことを言うとこでは特に、ちぐはぐな印象を受けちゃって。

それに、お前がカンパニーを引っ掻き回してる、って訴えるヤラの言葉も、ちょっと唐突過ぎるように感じました。確かに、パーカッションの子を入れよう、って考えたり、常に新しいこと、より良いことを求めてることが伝わってくる場面はありましたが、皆が疲れ切ってたり、振り回されたりしてる印象は、全然受けてなかったので、光一には周りが見えてない、っていう主張が、急であるように感じてしまいました。その点に関しては、むしろ二幕を見ている途中で、そうか、こういう人なのか、って分かった感じでした。

それから、一幕でちょっとびっくりしたのが、リカがオーナーの娘だ、っていうことです。見始めたときは、女性の主要人物はリカだけで、リカがコウイチを慕ってるのは分かったので、オーナーの娘と恋愛、ってどうしてもこう、計算や打算が入るように思えてしまうんじゃないかなあ、なんでこの設定なんだろう、って思ったんですけど、まさかの、コウイチはリカに対して、何の感情も持ってない雰囲気で驚きました。

この流れでリカのことについて書くと、私はコウイチについていく、っていう台詞からしても、典型的な昔の女性タイプに見えました。コウイチに、貴方は死んでる、って伝えるのはリカの役割でしたが、それ以外では特に印象的なこともなく、リカって必要な人物なのかな、ってちょっと考え込んじゃいました。それこそ、ヤラが自分でコウイチの死に気が付いて苦悩する、伝えるべきか伝えざるべきか、って苦悩するのも面白いような気がするしなあ。リカの存在意義って何だったんだろう。リカが居なくても成り立つような気がして、そこがちょっと分かりませんでした。単に女性が必要なのかな。それから、リカのあの感情はただの憧れであって、恋愛感情では無いように、私は感じました。恋愛感情に近い憧れ、盲目に近い信頼。コウイチは凄い、とは思ってるし、振り向いてほしい、とも思ってるのかもしれないけど、うーん、どうなんだろうなあ。
コウイチが死んだ、という現実を受け入れること=成長した、っていうことなのかも、ちょっと疑問に思いました。ついてくるだけだった子が、自分でどうするべきか考えて、それを実行したから、ってことなのかな。

それから、一幕の最初、マジックやってみたり、フライングやってみたりで、まさにエンターテイメントショーをやってる彼らが、シェイクスピアもやる、っていうことには、ちょっと違和感を感じました。彼らは踊りの稽古のことは何度も口にしてましたけど、演劇集団という感じはあんまりしなかったような。どういうカンパニーなんだろう。そして、どんな分野に特化した人材を集めてるカンパニーなんだろう。

一幕はとにかく次々と、これでもかこれでもかと繰り出してきてて、飽きさせないようにしてるんだな、ってきちんと伝わってきました。

コウイチは何で、すぐに大きな舞台に「行こう!」って言ってあげなかったんだろう。確かに、「その先に何があるのか」を考えるのは大事だけど、若い子達には、とにかく沢山のことをやらせてあげないといけないだろうに、あそこで乗り気じゃなさそうにするっていうのは、あ、そうか、あれも「周りのことを考えてない」ってことなのかなー。

幕間でああいう風にもめる、ってことは、確かに、彼らには早すぎたんだろうなー。少なくとも、プロじゃない。ということは、コウイチも含めて、未熟な若者たちが食い違って、余裕なく突っ走って、間違いを犯すまで、っていうのを描いてあるのかな。

コウイチについていけない、っていうのは、言いたいことは一幕でも何となく分かったんですけど、二幕は特に、確かにこの人いっちゃってるな、これはついていけないよな!って、感じて、ここでやっと、ヤラには感情移入出来るようになりました。

ヤラが「続ける続ける、って、何を続けるんだよ!」って言ってくれたときは、よく聞いてくれた!って思ったんですが、コウイチは答えないんですよね。大体、何があっても、舞台は続けないといけない、っていう主題自体が、ある意味当たり前のことすぎて、じゃあ何でそれを強調するのか、っていうことがよく分からない。コウイチが何故、続けることにあんなにも拘るのか、彼の言動からは、はっきりとは分からない。事故があって心に深い傷を負っても、同じ劇場で舞台に立ち続けたヤラを心から褒めてるコウイチの様子はやっぱり怖くて、もはや強迫観念みたいなものなんだろうな、っていうふうに思いました。
ただ、コウイチの場合は、根の感覚が分からない。そこは描かれてない。潔癖症は「汚れてる」と思うから潔癖になるわけですが、コウイチの場合は、何故あんなにも続けたいのか、その理由は言わない。だからこそ、ヤラは分からなくて、あんな風に疲れてしまったように思いました。そりゃあ、ついていけないよなあ。コウイチは、心に深い傷を負ったであろうヤラに対して、そのことに関しては一切、触れないんですよね。それはそれで怖い、ってちょっと思いました。

で、ずっとそれを考えながら見てたんですが、「夜の海」かな、で、踊り続けるコウイチを見て、感覚で、そうか、この人は続けるために続けるのか、って分かったような気がしました。山があるから登る、っていうのと一緒で、踊っていたいから踊る、続けたいから続ける、それだけなんだな、っていう感じがして、そこが一番、良かったです。

どうでもいい理由づけをしないで、とにかく続けるとしか主張しないのは、そうとしか言いようがないからなんだな、って思いました。コウイチは続けたい。どんなことがあっても、続けていたいだけで、その念が強いだけ。その凶暴なまでのシンプルさが、素晴らしいな、って思いました。しかも、その様がとっても美しいんだから、光一さんはずるいくらいに良いです。

純粋さは、突き詰めたら凶器になる。理由が無いからこそ、あそこまで行ける。亡霊になる。そんな風に、私には見えました。そして、理由が無いからこそ、その熱情が怖いな、とも思いました。私は怖いくらいのものが基本的に好きなので(笑)、やっぱり光一さんが大好きだな、って、改めて感じました。

だからこそ、私としては、「夜の海」暗転で終了、でも良かったかな、ってちょっとだけ思いました。あの後のオーナーの台詞っていうのは、コウイチの考えとは全然違うものであるように感じたので、ちょっと違和感があって。あそこで、立ち止まっても良い・・・、系のことが来るとは思いませんでした。コウイチの存在は何だったんだろう。

ただ、違和感という意味では、ラストのコウイチの台詞がピークでした。「皆がいたから、俺は走り続けられたんだ」的なことを言ってたと思うんですが、いやいや、コウイチは最初から最期まで、何ならこの後もずっと独りじゃん・・・!大体、コウイチみたいなタイプは、誰もいなくたって、そして相手が誰であったって、独りよがりに突っ走り続けることが出来るよ!って咄嗟に思っちゃって。
宝塚っぽい階段の一番上で、独りで立ってるのが凄く孤独で、でもしっかり立っていて、コウイチらしくて良いな、と思いながら見てたら、まさかの台詞でびっくりしました。実際、コウイチを理解した人っていたんですかね?
コウイチは慕われて、凄い存在だと認められてもいたけど、ずっと、皆とは違う、別格の存在であり続けて、死後ですらそうで、結局、独りのまま逝ってしまった人だ、っていうように感じたんですが、そういう訳じゃなかったのかな。ラストも、皆がコウイチに思いを伝えることはあっても、コウイチが皆に何かを言うことはなかったのに。

それから、二幕は基本的に、ヤラに感情移入して観ました。ヤラは悪くないよ、コウイチは、もはやただの狂った人だもん!怖いもん!みたいな(笑)
刀が本物だと気が付いていながら、相手を追い詰めて自分を切らせて階段から血まみれで転げ落ちる、って正気の沙汰じゃないのは間違いないですもんね。光一さんもやっぱり、根が激しい人なんだろうなあ、これを思いつく、ってことは。流石、剛さんとああいう関係で長年やってきてらっしゃるだけある。

一幕の後半の光一さんと、シェイクスピア後半の光一さんは、特に良かったです。光一さん、意外とああいうの向いてらっしゃる。ただ、シェイクスピアに関しては、私は藤原竜也さんを見過ぎちゃってるので、何とも分からなかったんですが、新鮮でした。

しかし光一さんはもう1000回、自分が死んだ、って人に知らされて動揺する、ってことを繰り返してらっしゃるのか・・・。いや、以前は、これとはまた別のストーリーだったんですかね?どちらにしろ、体力的にだけでなく、気落ちの面でもかなり消耗が激しいストーリーだな、って思いました。光一さんは凄すぎる。何が、そんなにも光一さんをかきたててるんでしょうかねー。

ヤラを挑発してた、っていうのは、やっぱりそうだったのか、って思いはしたんですけど、そうやって追い詰められたヤラが可哀そうでもありました。コウイチのやり方、怖すぎる。その激しさこそが、凄く魅力的でしたけど。それにしても、背中で語るタイプの、前だけ見て走る指導者ってやっぱり、怖いし難しいよなあ。ついてこれなくなる者もいれば、独りにもなる。それに、伝えてるつもりで伝えられてないことも沢山あるんだろうな、きっと。

ヤラの二幕での感情の動きは凄く良かったな、って思いました。コウイチの激しさに必死でついていこうとして、それでも無理で屈折して、でも、やっぱりコウイチのことが大好きで、意識してて。コウイチのほうはどうだったんだろうなあ。ライバル、というよりは、まるで兄と弟のような関係であるように見えました。上手く関われない兄弟。なので、亡霊になったコウイチとヤラが二人で踊り、太鼓を叩く場面は、凄く良かったです。コウイチの生前は、上手く噛み合うことが出来なかった、言葉ではこじれてしまった二人が、ステージの上では、一緒にこうやって関わることが出来る、息を合わせることが出来る、っていうことは、ヤラにとって救いになる時間で、本当に大切な時間になったんじゃないかな、と思いました。そして、恐らくコウイチにとっても、本当に意味のある時間だったんじゃないかなと感じさせられました。

コウイチは上手くやれなかった。でも、あの熱情は本物で、何があっても揺るがなくて、どうしても孤独で、だからこそ、あんなにも美しい。「夜の海」を見ながら、いずれは必ず訪れてしまう、光一さんがSHOCKから離れる日が来てしまったとしても、この人の、コウイチとしての魂は永遠だな、って、ふいに感じました。この、美しく輝く、ひたむきな魂はきっと、ずっとこうやって踊り続け、歌い続けるんだろうな、って何となく思ったというか。そして、そう思えることこそ、この舞台と光一さんご自身が、まさに「Show must go on」という精神を骨の髄まで染み込ませていることの証明であるように感じました。思い入れが大きい訳ではない、初めて見る人間に、そんな感情を抱かせるくらい、素晴らしかったですし、どこか静かで、一瞬、永遠に似たような感覚になった気がします。ラストは本当に、光一さんがコウイチという亡霊であるようにしか見えなかったもんなあ。

いい加減長くなったので、ここからは箇条書きにします。

一幕の屋良さんのタップの曲、素晴らしかったなー!凄く好きでした!!

光一さんの殺陣、というか、SHOCKの殺陣は、上半身の使い方が独特。

光一さんによる、松崎さんへの二度にわたる飛び蹴りが素晴らしすぎる。光一さんって、いかにも男子同士のテンション、っていう関わり方を基本的にされますよね。そう考えると、本当に、光一さんと剛さんの関係性って独特だなあ、って思います(笑)

階段落ちが流石、お上手でした。首危ないかも、っていう不安を全く抱かせない落ち方で、意外と安心して見ることが出来ました。

フライングは、まさにジャニーズの発想だなあ、って感じました。ファンの近くに、っていうのと同じ発想ですよね。美しかったですし、三階でも楽しませていただけて良かったんですけど、あれは、何かあったら下のお客さんも巻き添えになったりするんじゃないかな、って無駄に心配してしまいました。

びばりさんもスタイルが良い。そして、いかにもなオーナー役をきっちりやってらっしゃるな、っていう印象を受けました。役作りがどうのこうの、という作品ではないように感じたので、そういう意味では、びばりさんはまた違う役も見てみたいな、って少し思います。

光一さん、マイケル大好きなんですね・・・、って思ってた曲がトラヴィス振り付けだ、って最後のご挨拶で光一さんがおっしゃってて、「だからか!」ってなりました。別に光一さんの好み、ってだけじゃないんですね。ですよね、あそこまでマイケルだと、逆に何の関わりも無い方が驚くよなあ。

光一さんは「夜の海」と、オーナーと二人で帽子+ステッキで歌われた曲と、「Higher」(多分)が凄く良かったです!!!
「Higher」良かったなあああ!あれ、大好きでした!あれを見るためだけでも、もう一度観にいきたいな、って思うくらい!!
あと、亡霊になって最初に、ヤラの後にやった曲も素晴らしかったです。

ラスト、光一さんのご挨拶を生で聴くことが出来て、凄く嬉しかったです!
やっぱり、ほんっとに素敵な方でしたし、実在の人物でした!
いや、人かどうかは、凄すぎて確信を持てませんでしたが、とりあえず、影はありました!(笑)
あれを日に二回やる日もあるんだもんなあ。光一さんも十分、化け物感漂ってますよ、光一さん!!
本当に、お身体にお気をつけて、これからも頑張ってください。
三階立見であっても、本当に楽しかったですし、素晴らしさがきちんと伝わってきました!!
ありがとうございました!
これからも、全力で応援してます!!