shamanippon songs  歌詞

最近はやることが沢山あるので、電車の中でしか音楽を聞かないようにしてるんですけど、剛さんのおかげで、朝と夜の満員電車が幸せな空間になってます(笑)

剛さんの曲は、音も歌声も大好きなんですけど、何より歌詞が興味深い。
私は、「歌は歌詞が命!」って思っちゃってるくらい歌詞を読むのが好きなんですけど、剛さんの歌詞は繊細で、独特で、引っかかる箇所が多くて楽しい。

今回は雑誌も全部は読めてないし、今までのこのプロジェクトの経緯もあまり知らないので、ほぼ楽曲から読み取れることだけで書いていくことになります。なので、いつも以上に見当違いだったり、ただ単に知らないだけだったりすることが多くなってしまうと思うんですが、もし、あまりにも「違うだろ!」ってことを書いてしまっていたら、教えていただけると嬉しいです。

shamanippon〜くにのうた』
こーれがもう、初めから「?!」ってなりました。「ツクヒ」。今回のアルバムは、サブタイトルの「ラカチノトヒ」からして、逆さに読ませますよね。その法則に従うと、この三文字はヒクツ→卑屈になる。いやいや、「くにのうた」としてはマイナスすぎる単語じゃないですか、剛さん・・・!卑屈を逆さまにするとどうなるんだ・・・卑屈になるな、ってことですか?!とかってちょっと考えたんですけど、正解は「月日」だってラジオでお話されたんですね。月や太陽は人にとってスイッチだから、っていうのはわかる気がする。人の力、をテーマに掲げながら、「人間の力って凄いよね☆皆が力を合わせると凄く大きなことになるんだよね☆」とか、「人は誰でも、とてつもない力を秘めてるんだよ☆」ではなく、人に影響を与える存在である「月」や「日」から入っていく、っていうところが好きです。人はすっ飛ばして惑星から入るあたり、流石剛さん、って思う。

『にひ』
これはやっぱり『あたらしい』。戻ることが未来、ってことだったので、「昔は良かったよね」っていうのが二曲目あたりに来るのかと思ったら、先に未来を目指す歌詞が来たので、ちょっと驚きました。上の行はひらがなで統一され、下の行は漢字仮名交じり、っていうのがまた良い。

『きみがいま』
剛さんが今の年齢になったからこそ力を持つ歌詞だと思う。この曲は、聞いていて素直に、「ああ、この人が『信じる』って言ってくれるのかあ。」って受け入れることが出来て、なんだか泣きたくなりました。なんかもう、いちいち、「うん、そうだった。うん、確かに、それでも信じてきた。」って共感してしまって、発売直後にこの歌を聞くことができて良かった、って思いました。剛さんが「今」の感覚でこう歌ってくれてるのを、同じ「今」の感覚で聞けるのが嬉しい。
そして、『青空が打つ絶望に』っていう箇所で毎回、「あああ、わかる!本当にわかる、この感覚!」って感じます。自分がしんどくてたまらないときって、空が青い、っていうただそれだけのことが、ありえないくらい大きな絶望を連れてくるんですよね。
それから、一番好きなのは、『風に咲く悲しみよ』からの四行です。剛さんがこういう感覚を持ってらっしゃる人だから、私は剛さんの曲が好きなんだと思う。私の剛さんに対するイメージってまさにこんな感じなんですよね。悲しくないと生きられない人に見える。
そして、ラストへ向けての、『捧げよう』には、やっぱり「捧げる」が入ってきたか!と思いました。捧げる、ってことについてはまた今度違う記事で書いてみようと思うんですけど、『捧げる』っていう感覚は確かにシャーマンのものなんだよなあ。

この曲は歌詞も曲も割と明るいので、本当だったら苦手でもおかしくないんですけど、全然抵抗なく聞けたので、なんでかなって考えてみたら、多分、明るさに「根拠」があるように感じられるからなんだろうな、っていうところに辿り着きました。やみくもで騒がしい明るさではない、根拠のある明るさ。今回のアルバムはどの曲の歌詞もそうなんですけど、コンセプトがシンプルで、かつ、剛さんの中にぶれない確信みたいなものがあるからか、凄く強い。そして、コンセプトやメッセージは力強いのに、その中に剛さん自身の繊細さや脆さが織り込まれているからこそ、とても魅力的。

『一鼓動〜1beat』
勢いがあって、沢山の言葉遊びが散りばめられていて、ひたすら楽しい。さらっと色気があるし。それから、キンキさんはお二人ともなんて命令口調が似あうんだろう、って久しぶりに思いました(笑)
さすが、「King」をコンサート名に持ってくるだけある。
あと、『誰もmusicianよ・・・?』はドキッとしますね。命令口調が多い歌詞の中で、ふいにこういう女っぽい言い回しが出てくると、凄く色っぽく感じます。そして、この箇所に違和感がないあたり、流石剛さん。

『Mild light blues』
私は剛さんが物を擬人化してる歌詞が大好きなので、前半の歌詞にテンションが上がりました。それにしても、剛さんって、本当に感覚が女の子っぽいところがありますよね。「柱時計がお部屋の明かりでお化粧してるみたい☆」「ろうそく灯してみたら、お部屋がお化粧してるみたいに見えるな☆」ってことですもんね、これ・・・。私も毎日のように化粧をしてますけど、同じものをみたとしても、ぜっったい剛さんみたいには感じることが出来ないと思う(笑)
それから、後半。『愛をこの時代に愛しいと云う古い僕』っていう箇所が良い。確かに、剛さんは「愛」ってものを愛してるところがありますもんね。恋に恋してる、っていうのと同じノリに見えるときがあります。自分の理想の愛を愛してる、っていうか、もはや愛に恋してる、って感じ。そこら辺が潔癖な印象を受ける理由だと思う。

『未来への忘れ物』
これも未来を歌ってる歌詞ですね。本当に、意外と過去について言及してる歌詞が少ない。
歌詞がシンプルなぶん、剛さんの歌声に集中できるので、疲れたときに聞きたくなります。

『I'm you You're me』
女性詞かと思ったら一人称が「ぼく」でした。ぼく、と言いながらところどころに女っぽい言い回しがある、しかもそれが自然、ってところに、剛さん、ついにここまで来たのか・・・!本当に性別を超えようとしてきてるな!ってちょっと衝撃を受けた曲です(笑)
私は性別に挑むような作品が大好きなので、この曲はその意味でも好きです。
最初の四行の言葉の選び方が好き。涙を美しい、っていう辺りが、『あなた』にちょっと似てるなって思う。『あなた』の最初の歌詞も、「あなた」の涙について、「その雫庭のお花にあげましょう」っていうくらいだから、おそらく、美しい水だと感じてるんですよね。そういえば、よくよく考えてたら『あなた』の時点でもう「捧げる」って歌詞が入ってきてたなあ・・・。
話を戻します。私、この曲が一番、涙腺を刺激されるんですよね。特に『消えてしまう一秒に』あたりがもう。全体的に、人の一生を「美しいけれど、淡く儚い」ものとして歌ってうるように感じましたし、虹はその儚さの象徴でもあるのかなあ、って思いました。こんなに美しい声で、綺麗な音で、『死んで行く』と歌われると沁みますね。
そして、孤独をロマンティックだと言う剛さんに、ああ、やっぱり剛さんは剛さんだな、って感じました。『ロマンティック・・・ね』の『ね』が良い仕事してる。剛さんは、一人でいたがりで、一人が好きなんだろうけど、本当に一人になることは無い人だと思う。本当に一人になってしまったら、一人であるを意識することがない、というか、一人でいることにあまり意味がなくなるから。離れても繋がってる、っていう確信があるからこそ、孤独をロマンティックなものだと言えるんだと思う。

『・・・ラカチノトヒーsun arrange』
うわあ、振り切れてきたー!って思いました(笑)「怖い怖い怖い、この曲で一気に人に勧めにくくなったー!」って感じましたけど、なんだかんだリピート率が高いのがこの曲です(笑)こういう振り切れた曲、大好きなので。
『オモイハイキテイク』が嬉しかった。ここで、次の世代をつくることで云々、って言われたら、それが出来そうにない私はちょっと辛い、と思ってたので。
にしても、お経。ついにお経。しかもオリジナル・・・剛さん好きだ。これを思いついて、作品にしちゃうところが。そして、この部分でしみじみ、「なんて良い声してるんだろう、この人。」って感じました。沢山の人が発してるトーンだからこそ、改めて声の良さがわかりますね。

『埃』
やっぱり『傷』を意識し続けるんだろうなー、剛さんは。そして、そうである限り、私は剛さんの曲をちゃんと聞けると思う。
でも、『きみがいま』とは青空の捉え方が全然違っていて、剛さん、色々と越えてきたんだな、って感じました。
この曲に関しては、剛さんは本当に純粋でいたい、っていう願望が強い人なんだな、っていう印象が強いです。音楽と人を読んで、剛さんは人を許せるようになったんじゃないかな、って思ったけど、こうやってこのアルバムを聞いてると、そういう訳でもない気がしてきた。潔癖、とも言えるくらいの「純粋でいたい願望」が全然薄れてない、というか強くなってきてるように感じます。そして、そういう人が他人を許すのって結構難しい気がする。うーん、どうなんだろう。

『縁を結いて』
NIPPONのときにも思ったけど、アルバムの締めとして最適ですよね、この曲。「いいもん聞いたなあ。」っていう気持ちで終わらせることが出来る。そして、ラストになって満を持しての女性詞、っていうのがまた剛さんらしい。一番大きなことを歌ってる曲がラストにくることで、先への広がりが出るように感じます。

よし、とりあえず一通り書けたから、次は通常版を聞こう。あー、だけど、もう少しこのバージョンだけを聞きこみたい気もする!!
贅沢で楽しい悩みです。連休中にでも聞いてみようかなあ。